2008年8月31日日曜日

最近のシネマサウンド

夏休みはパパ、ママは大変である。

溜まりに溜まった、子供達の夏休みの宿題を無事終了させるためには、アメとムチが必要不可欠である。(涙)

従って家族サービスのために子供を映画館に連れてゆくのも重要な仕事である。

悲しいかな、下の子供はまだ小さいので○○モン映画なのである。(大泣き)

随分年上の長男も我慢して見ているところはエライ(まだ幼稚なので案外好きだったりもする・・・・)

オトーサン的には最近のシネコンの設備の良さ、綺麗さに驚くことしきりである。

昨年は神保町の三省堂の裏に出来たシネコンで○○モン映画を見た。

今年は新宿○○デリーである。ここも最近オープンしたらしく非常に綺麗

映画は○○モン映画なので、安心して楽しめる(結構感動したりして・・・・涙)

で、どうでも良いことだが、どうでも良くない、サウンドチェックである。

ここは最新のシアターサウンド、カナリ気合いを入れて設計したと聞く。

シアター1が一番凄いらしいのだが、今回は家族サービスの悲しさでチェックできず・・・・。

で、シアター9って小さい127席の部屋であった。シートが良くて、シートバックが高く大きく、スクリーンの輝度も適切。なかなか快適である。

サウンドであるが、部屋の無響化を徹底している。廊下のスロープからして、しっかりと吸音されており、夏休み子供映画の定番である、子供達のおしゃべりが ぜんせん聞こえない。これは凄い!

また、中低音がボンボンと部屋中に飽和していた、昔風のシアターサウンドとは違って、大音響になってもほとんど飽和しない。  静音、吸音設計が良いということなのだろう。

一方、残響に関しては、ほとんど無い感じなので、無響室的な空間である。

昔、某研究所で、完全な無響室に入ったことがある。敏感な人は、完全な無響室ではかなりの苦痛を味わうことができる。恐ろしい世界である・・・・・汗 耳が詰まったような感じになるのだ。

ここはさすがにそこまではいかないが、たった一人でこの部屋に長時間居たら、気持ち悪くなる人も出るかもしれない


さて、無響でデッドな部屋だけに、5.1+αのスピーカーの音がそのままダイレクトに近い形で、聞こえてくるので、スピーカーの素の音をチェックすることが出来た。

スピーカーシステムはスクリーンの陰で見えないので、どんなものかは想像の域を出ない。おそらくは15インチダブルのバスレフの上に3-4インチクラスのダイアフラムを使ったコンプレッションドライバー+樹脂製ホーンを乗せ、中域をコーン型のミッドバスで強化したものか、あるいは最近流行のコーン型ミッドバスユニットにフロントローディングホーンを備えたシステムではないかと思われる。 (妄想の域を出ないので完全に外れているかもしれないが・・・・笑)

アンプはパワフルで全域フラット。

非常に明瞭な音で、特に爆発音などの効果音は迫力があって、さすがに映画館らしくて良い感じである。 高域もビーム状にならず、中高域の指向性のコントロールもナカナカ良い。

で、肝心の音が良いか・・・・であるが・・・・どこか微妙なのである。

スピーカーをスクリーンの後ろに設置するだけでかなりのハンディがあるし、それをイコライジングでカバーしても完全にぬけない事情は分かるのだが、やっぱり音抜けが良くないのである。

それから、スピーチ領域の品質が今ひとつなのである。どこか人工的で、ばらけているような、オンマイクでは割れる感じすらつきまとうのが非常に残念であった。

さらに、シネマサウンドのポイントでもある、中低音から重低音のボリュームと質感であるが、これがいかにも昔ながらの中級PAサウンド、SRの音を引きずっているのである。

充分チューニングされていない15インチ前後のウーファーの悪いところ、すなわち迫力のある音ではあるが、やや大味で質感がいまひとつのバタクサイ音、 これが 所々で丸出し・・・・・ 涙

デジタルコントロールとアンプの能力により、昔のようなビリツキやこもり、ドタバタな感じはなくて、非常にコントロールされた、バランスの良い、迫力ある音であることは間違いないのだが、何かグッと来るものがない。

昔のアルティックのA7、A5なんかの方が、最新のシステムと比べて、少なくとも声に関してはずっと良かったような気がするのだが・・・・・。しかも、昔のアルティックの低域はややボコボコ気味ではあったものの、音塊が前に飛ぶ感じが、あれはあれで迫力があってよかったような気がするのだが・・・。

最近映画産業は活況を呈しており、古い映画館は次々と閉館され、最新のシネコンが続々と建築されている。昔のアルティックのA7、A5などは、もはやメーカーもなく(EVに買収されディスコンになった 敵対的買収ってことになるのだろうか?) 今はメーカー純正のメンテナンスサービスもないらしいので、次々に廃棄処分されているようだが、A5だったらデジチャンでマルチにしてアンプを良い物にすれば、今でも相当な力を発揮するはずなのに、勿体ない話である。

我が家でもドライバーなどの廃棄品を一部引き取って、素敵な余生を送って頂いている訳であるが、それはもう最近のシアターでは聴くことの出来ない、非常に味わい深く、音楽的にハッピーな世界である。

老兵は死なず・・・・・

密かな楽しみといえるのではないだろうか。

2008年8月29日金曜日

ライブインヨーロッパ チック・コリア・トリオ



チック・コリア、ミロスラフ・ヴィトウス、 ロイ・ヘインズ


いかにもECMらしい、クリスタルクリアーで抜けの良いサウンド。

チックコリアはエレクトリック系のアルバムが多いのだが、逆にアコースティック系のトリオのライブ版に好演奏が多いように思われる。


このアルバムは、ナカナカにテンションが高くて、トリオとしてのバランスが良く素晴らしい演奏である。特に前半はお気に入りである。


収録もまた良い

チックのシャープでキレの良いタッチが割とオンマイクで捉えられていて

ベース、ドラムスも迫力がありながらクリアーで抜けが良い。

ECMの中高域の美麗な感じは、いつもながら非常に気持ちがよい。

ECMはハッキリ言って綺麗すぎ・・・硬派なジャズファンからすれば、やや軟弱な感じもあるのだが・・・・

ワタクシ的にはかなり好みの世界である・・・・・ =ワタクシは軟弱である(笑)


オーディオ的には、中高域の美麗な世界を生かしつつ、単にキラキラな軟弱サウンドに陥らない、それなりの配慮が必要である。

ポイントは、一音一音を明確で力強いものに

例えば我が家ではAltec299+Trusonic206+AmcronMT600+211シングルのマルチ

アンプ、スピーカーシステムをなるべくパワフルかつ音抜けの良いモデルで揃え

リアルサイズで彫りの深い再生を目指すと

迫真のヨーロッパライブが再現できる

リアルサイズのロイヘインズのドラムが、

スピーカー間を超えて三次元的にビシッと決まる。

スキッと小気味よいややタイトなミロスラフ・ヴィトウスのベース

そこに打楽器の連打を思わせるシャープなタッチのチックコリアのピアノ

ホール一杯に広がる拍手

実にリッチな音空間である。

2008年8月27日水曜日

買い込む性分

我が家のメインシステムは長年育ててきた、Fostexのリボンスピーカーシステム(IRS γ、εに類似した構成の自作システム・・・・ というか、Fostexがオリジナルであり、Infinityが Fostexから技術を導入してIRSを完成させた・・・Fostex の技術力恐るべし・・・・・・なのである。)
これをVT52-5691ロフチンの管球アンプで駆動。



これが15年以上、部屋のベストポジションで不動の位置を占めている。
いろいろ他のシステムを試してはいるが、結局これを超えられない・・・・・苦笑・・・

狭い部屋にもかかわらず、これ以外にも色々なスピーカーシステムを持っている。
(魅力に勝てず増えてしまった・・・泣き)





ご厚意によりお譲りいただいた、Tru-sonic 206AXAコーナー型(モノラル)が部屋の隅っこに押し込んであって、これはモノラルのレコード鑑賞に活躍。 モノラルレコードの音色のハマリ方は、コレ凄まじい。

職場には Altec 299 8AT/ Tru-sonic 206AXAマルチが(密かに)置いてあって、ソースに合わせて2ウエイか、同軸2ウエイで聴き分けている。 BGMでも、ドッカン、バッスンの大音量もOKだ。抜けがよく、前に張り出す積極的なサウンド。 中高域がクリスタルクリアーで、かつ中域の質感重視の美音が特徴である。

さらに、自宅の深夜の視聴用には、ジャンク再生品の、オンボロなESL63Proを長らく愛用している。蚊の鳴くような音量でも、しっかり再生するのが凄い。

程良いワイドレンジで、かつフルレンジ的な音の纏まり方が非常に好ましい。 これは通常部屋の隅に衝立のように立てかけていて、聴くときには部屋の真ん中によっこらしょと引き出してニアフィールドリスニングしている。ESL63Proはハンドルが付いているのでこういう使い方に非常に向いているのだ。


最近調子に乗って、QuadのESL57のジャンク品をレストアし、ボーカル用として導入した。 これは、もの凄くボーカルが良い。 カマボコ型の懐かしい感じのエネルギーバランスであるが、繊細でありながら、面で軽々と押してくる、割とブ厚い中低音に痺れる。 これは音楽を長時間鑑賞するには、極上の(BGM的+モニター的端正さ)/2・・・のサウンドである。



左端に写っている黒いのが ESL63Pro サランネットで覆われて真っ黒なので、モダンアートと言うか、さながら2001年宇宙の旅のモノリス・・・・異様な感じである。


真ん中が、最近導入して心底気に入ったESL57 オリジナルネイビーブルー仕様(笑)

しかし、昨日、息子に部屋に踏み込まれ、密かに(?)隠していた(涙)ESL57が発見されてしまった。

息子曰く

「パパのガラクタがまた増えた!」

かみさんの前で思いっきりばらされる。

かみさんは絶句し、無言・・・・・

微妙な沈黙・・・・

マズイ 大汗・・・・・

「ハイ、その通りです!。」 (いまさら 弁解してもしょうがない・・・・ )


買い込み過ぎ・・・・・反省。

スピーカーにとって、部屋のベストポジションは通常一カ所しかない。

沢山買い込んでも、活かしようがないのは分かっているのだか・・・・・。

多少面倒でも、スピーカーを移動して、とっかえひっかえ聴くのはカナリ楽しい。

馬鹿につける薬なし・・・・・・である。

 (さすがに、どれかをいずれは処分しなければ・・・・カナリマズイ・・・・・)

2008年8月24日日曜日

AMCRON TECH 600




この扉の向こうの世界・・・・・

家庭ではあり得ない音量

鋭く、厚い・・・・・ 圧倒的ダイナミズム・・・・ 

これは都心居住の普通のオトーサンではとても無理。

夢のまた夢・・・・・笑







だが、このアンプ・・・・ それに適当なスピーカーシステム

スケールはミニチュアサイズかもしれないが 使いこなし次第で

家庭の常識的な音量でも、ブ厚く、ソリッドな音像は充分可能

ガツンと来る、快感。

繊細スムーズなQUADのESLも

ソリッドな、大口径ドライバー+ホーン+15inchウーファーも

どちらも、朗々と鳴る。

深夜はQUADのESLを八の字にセッティング 至近で聴けば

家族にも近所にも迷惑にならず(笑)リアル音像

お隣が外出中、家族も外出中、で、昼間ボリュームが上げられるラッキーな時は

大口径ドライバー+ホーン でバリバリに切れ込む、ダイナミック再生


どちらも、まともに買えない高額な商品だったのだが・・・・

最近はファンも減ったのか、サイズが大きいのが敬遠されるのか、入手は案外楽になっている。

中古の(ジャンク?)放出品をコツコツ集めて、愛情を込めて補修すれば

予算的にさほど無理なく、どちらも所有することができる。

スペースの確保だけは大変だが・・・・・

まことに有り難い時代である。



スピーカーシステムを音楽に合わせて、

あるいは、その時の気分に合わせて、

選択して聴いた方が、当然音楽にゆったりと、安心して浸ることができる・・・

2008年8月23日土曜日

Quad ESL 57 のサウンド 2

レストアしたQuad ESL 57の試聴




ボーカルのレコードを再生すると

ポッカリと浮かぶ、ルイアームストロング

まったく違和感がない、まさに肉声

リラックスムードでゆったりと

ルイアームストロングの陽性な人柄というか

慈愛みたいなものが、じんわりと部屋一杯に響き渡る

朗々と鳴る感じで、部屋が音に満ちる。

中域が分厚くて、音像は適度にソリッドで、芯もある・・・・これはAmcronのお陰もあるが。

低域は面で押す感じで、最低域の伸びは全くないが、軽々と抜ける感じの、節度あるドラムスは快感である。

いかにもフルレンジスピーカーの音ですよね・・・的な、再生音楽の安心感がある。

しかも極上の質感(タッチ)と両立している。

通常のダイナミック型のフルレンジユニットでは絶対に出せない域の、実にきめ細かな質感だ

演奏家がスピーカーの間に立っている感じが 実にナチュラルで、

「ごくフツーの音」なのが逆に凄い。


これは、ハイスピードで生々しくリアルな、所謂オーディオ的快感のサウンドの対極にある。

マニアックなサウンドは、結局のところ、埋もれたノイズや残響を聴いて喜んでいる・・・・・・・・みたいなものなのかな・・・・と、思わされる。

思わず反省・・・である (笑 )

このスピーカーで聴くと、音楽再生の聴かせどころ・・・・が良く判る。

UKの英知、ピーターウオーカーのセンス・・・・・恐るべし・・・・である。

2008年8月21日木曜日

QUAD ESL 57のサウンド

内部補修し、外観を新調したESL57。



いよいよ落ち着いて、じっくり試聴してみる。

アンプは抜群の駆動力のある、Amcron Macrotech 600である。

肝心のサウンドであるが

特にやや古い録音のボーカルものは

思わず笑っちゃうぐらい・・・凄い。

丁度スピーカーの間にぽっかりと浮かび上がる声、ホログラフィックな音像

中域が非常に分厚く

ESL63proがやや繊細でフラット指向であるのに対し、

このESL57は、コンデンサースピーカーとは思えないほど、芯の太い、厚みのある音である。

レンジは決して広くないのだが、 音楽に必要な帯域は充分カバーしている。

中域の張り出した、フルレンジ的なカマボコ状のエネルギー特性が非常に好ましい。

中低域に適度な盛り上がりがあり、安定感のあるサウンド。

音量を絞っても音が痩せない。

最近のマルチウエイのシステムは、ボーカルが分離して一つにまとまらない感じがどこかにつきまとう場合も多いのだが、このESLはフルレンジそのもの、ピタッと一つの音像に纏まるのが凄い。(実際は2ウエイなのだが・・・全く分離しないのである。)

適度にソフトフォーカスで、トランジェントはコンデンサー型ならではの素晴らしさ。歪み感も極小である。

欲張りな要求をすれば、金管楽器の吹き抜ける感じや、ピアノのフレーム感は今ひとつで、やや詰まった感じの音になる・・・・

しかし、安心していつまでも聴き続られる、安定した、充実した、音楽性のある音である。

ベテラン音楽愛好家に愛用されている理由が良く判る。

ハッキリ言って、大人の世界である・・・・・・。(ワタクシにはちょっと早いかな・・・・笑 )

こういうのを本当の銘器と言うのかな・・・・と、ふと思った。

2008年8月20日水曜日

Quad ESL 57 のカスタマイズ2

Quad ESL 57

アンティーク感抜群で、機能美のESL 57 の外観は、なかなか素晴らしいデザインであるが

古くさい我が家では、はまりすぎ?て、部屋全体がかなり古くさく・・・・思わず引いてしまった・・・・

綺麗に片づいた、ピカピカのマンションの一室であれば、素敵に映えるのであろうが・・・・。

そこで、サランネットで気分転換 を狙ってみた。

ネイビーのサランネットで 、北欧家具風にしてみた。

結構イケル・・・・・かも。笑


ささやかな家族対策・・・・である 涙



新旧並べてみた 白熱球照明ではブラックに近い




昼間光フラッシュではブルーに

尖った木の三本足が、アンティークな感じで、なかなか素敵である・・・・。





側面像も、とても良い感じで、非常に気に入っている。

このスピーカー、面積が大きいので部屋の印象も随分と変わる。

この色に飽きたら、ネットの色を換えて楽しめそうである。

2008年8月19日火曜日

Quad ESL 57 のカスタマイズ

Quad ESL 57

もともとこの機種に余り詳しくなかったので、入手してみて始めて気が付いたところが多い。

まず、パネルヒーターと良く間違えられる、外観の大きな特徴でもある、大きなフロントグリル

通常は茶色・・・・・他に黒やゴールド?もあるらしい。

これはてっきり古風な茶色のネットが張ってあるのかと勘違いしていたが、

実物を見ると、アルミ製の立派なメッシュが塗装されているものであった。

残念なことに塗装は劣化しており、しかも輸送中に真ん中に大穴が・・・・・ 大泣き。



タッチアップしてみたものの、どこか冴えない。



アンティーク感抜群であるが、ワタクシ的にはやや渋すぎ・・・・・古風過ぎるかと

ちなみに後ろにチラッと見えるのは以前レストアしたESL 63 pro 真っ黒である。

(ESL57と63は、縦横入れ替えれば、ほぼ同じ大きさに見える。 結構デカイ・・・・涙)




とりあえず、コンセントは丸い端子では不便なので通常のものに交換。

外観はどうするか思案中。

2008年8月18日月曜日

Quad ESL 57 の修理

Quad ESL 57 の修理





埃との戦い クリーニングに汗、汗




もう一方の高圧整流回路は完全に劣化していたため、新造することに



コンデンサーの間に隠れているが、基板にはダイオードがずらりと並んでいる。

耐圧2000Vのコンデンサーが入手できず苦労した。


昔はテレビ関係の修理部品で高圧部品は割と簡単に手に入ったのだが・・・LCDが主流で修理も基盤ごと交換する時代の今となっては、秋葉原のパーツ屋でも殆ど置いていない。


ジャンク屋で、なんとかコンデンサーを見つけて、どうにか完成させた。

鳴った! 低音がしっかりと出てくる

とりあえずは補修成功である!

2008年8月17日日曜日

QUAD ESL57 夏休み自由研究




QUAD ESL57のレストア作業開始












またまた性懲りもなく ・・・・・。

QUADのレストアプロジェクトに、ついつい手を出してしまった。


コンデンサー型、フルレンジ。とにかく音がよい。

独特の世界がある。

限界はいろいろあるが、ホントニ音楽を聞き込むには最良の友となる。

かのマークレビンソン氏もダブルスタックにて愛用したというオリジナルの Quad ESL (ESL57)

現存する個体の殆どは、部品の劣化が進んでおり、使用に耐えるものは少ない。

整備済み、程度の良い物は非常に高価

で、・・・・・・・おきまりのジャンク品を入手。

一聴して、音がおかしい。

低音が一切出ていない。

音圧も全体に低い。

ショップに依頼すると、修理代金は非常に高額 数十万は平気でかかる。

自分でやることに。

途中で後悔した・・・・
分解は、ねじが多く、なかなか困難。


内部はもの凄い埃。 30年以上の埃が静電気で集まって、内部に溜まっている。


高圧整流部の取り外しも、半田がしっかりしていて、

ロウで封入された基盤を確認するのも億劫である


さて、どうなることやら。

(内部は6000Vの高圧がかかるので、真似はなさらない方が良いと思われます。)





遂に原因を特定

6000Vの高圧で、プリント基板のパターンが溶け落ちていた。凄!

2008年8月15日金曜日

A Boy Named Charlie Brown: The Original Sound Track Recording Of The CBS Television Special




スヌーピーとチャーリーブラウンのオリジナルサウンドトラック

ヴィンス・ガラルディの演奏

シリアスなジャズというよりはややポップス的・・・・だが決して悪くない。

最近ケーブルテレビでスヌーピーとチャーリーブラウンを放映しているのだが

懐かしく親子で見入っている。

基本的にはナンセンス、ドタバタマンガをアニメ化したものだが、

北米生活を経験すると、なかなか奥深い、情緒たっぷりの大人向けのアニメであることがわかる。

演奏もなかなか秀逸で、軽いBGMとして買ったのだが、案外ノリが良く、聴かせるのだ

特に最後のFly Me to the Moon は冒頭は退屈な、またかよー・・・的な演奏で始まるのだが

中後半に盛り上がりを見せてナカナカ楽しい。

録音はややハイ上がりであるが、シャープなタッチが小気味よい。

やや歪みが感じられるものの、ドラムス特にシンバル、ピアノのタッチ、ベースが浮き上がるような感じで、割と躍動感のある録音である。

あのアニメのBGMとして、バックにひっそりと流れていた懐かしの音楽を

アルティック299、ツルーソニック206AXAの2wayで、バリバリの等身大音像で再生すると、

おっと、こんなに本格的な大人の音楽をBGMに使っていたとは、当時の知的なセンスを感じる・・・・ナカナカ感慨深いものがある。 (それと引き替え、最近のアメリカ製のアニメときたら・・・・泣き)

そういえば、スヌーピーの世界では例えば学校の先生などの大人のセリフはゴニョゴニョしてセリフとして全く聞き取れない、不可思議な感じであったが、これには訳があり、著者は小児期に虐待を受け、すべての大人からの言葉に心を硬く閉ざしていたという深刻なエピソードがあったらしい。子供とペット達だけで完結したあの世界の理由が分かるような気がするのである。

そういったことを何となく思い出しながら、割と仕事で疲れているときに(?)何となく聴くことが多い。

聴いていてだんだん元気になる、大変良いアルバムだと思う。

ワタクシ的にはカナリお勧めのアルバムである。


2008年8月10日日曜日

sweetな高音か bitterな高音か




299 8ATのパスカライトダイアフラム3インチ アルミ製である。

ハイエンドドライバー製品はベリリウムが主流の現代

時代遅れと言われることもある・・・・・涙

しかしワタクシ的には超お気に入りである。

充分にパワフルで、太さ、厚み、そして広大なDレンジを持つことはもちろんだが

高音に、ほのかなsweetさがあるのである。

この音色は、三極管シングルだけでなく、MOSでも、バイポーラのアンプの駆動でも

基本的に変わらないので、ドライバー、フラムの個性ということなのだと思う。

こういった個性は音楽鑑賞用途には非常に宜しい。

あくまでもソースの良さを引き出す感じで

ブラスやシンバルの厚みや、クリスタルクリーンな音場をそつなく再現しながら

なによりもボーカルの質感がスイート&シルキーである

クロス付近の暴れも少ないので

ウーファーとの繋がりも楽なのである。

粗めの録音でも、神経質でヒステリックな咆哮にならずにすむのだ。

これは幅広いソースを楽しみたい音楽マニアには助かる。

市場に溢れている(笑)著明なJBLの1インチや2インチドライバーも聴いたのだが、特に純正のショートホーンとの組み合わせでは、どこか暴れ気味というか、ややbitterな高域になりやすい。また604の同軸もどちらかというと、やや細く、bitterになりやすい傾向があるかと思う。
 
もちろんJBLもAltecもイロイロと解決策はあるので、チューニング次第でいくらでもスイートに出来ると思いマス・・・・・が、ワタクシの場合、スイートなのが好みなのは明かなので、最初から楽に好みの音が出せる機器の方が良いっていう安直な選択である。笑

ちなみにランシングオリジナルのビンテージドライバー(+極上コンディション)は、スイートな、かなりの美声らしいのだが、ステレオペアはあまりにも高くて、とてもじゃないが買えない・・・・・・・涙




上は206AXAのホーン 充分にデッドニングされている。これもスイートな高音。


現在主流の、最新設計のベリリウムフラムのドライバー群は、さすがに素晴らしい特性と切れ味を持っている。
当然知っているが・・・・微妙なタッチや総合的な音色、個性に関しては、若干微妙である・・・なんとなく優等生的でクリーンすぎると言うべきか・・・・。ま、完全に好みの範囲内の話ではあるが・・・・。


適度に甘く、ある意味でフレキシブルな音楽的寛容さを持ち、長時間の試聴にも向く、こういったビンテージドライバーは、比較的安価でもあり、目立たないが非常に有り難い存在ではないかと思う、今日この頃である。

2008年8月7日木曜日

Miles in Tokyo




マイルスの東京公演ライブ

ピンチヒッターとして参加したサムリバースの演奏も含め、賛否両論のアルバムであるが

ワタクシ的にはお気に入りのアルバムである。

特にマイファニーバレンタインのマイルスの冒頭のソロ 非常にテンションが高い。

ハービーハンコックのリリカルなピアノ どこかエバンスを思わせる、しかしハンコックならではの個性的でセンシティブなパートが光る。

ホーンシステムのチューニングを万全にし、やや音量大きめ、中域の厚み重視のセッティングで望む。

オンマイクで録音されており、マイルスのソロも深く分厚い。

再生装置には太さ、厚み、音場感が、そして音量のピーク時にもクリップしない、大きなダイナミックレンジが求められる。

なかなかに再生の奥が深いアルバムである。

ホーンとウーファーのクロスを重ねて、厚み重視のセッティングにすると、実に心地よいライブ感のあるサウンドとなる。

さらに細部も含めてしっかり対策すると 鮮明に録音されたマイルスがまさに眼前で歌う

彼らしく非常に理性的で抑制の利いた、しかし内的には情熱的でドラマチックな演奏である

翳りと光、情感の抑揚を上手く再現することができれば

改めてマイルスの凄さが実感される。

2008年8月6日水曜日

Tru-sonic 206AX のネットワークボックス








Tru-sonic 206AX のネットワークボックスである。

206AX は、この黒いネットワークボックスをランドセルのようにフレーム外側に背負っている。

内部はご覧の通り、タールで封印されており、内容の確認は出来ない。

206AXの内部結線を見ると、ウーファーは入力端子に直結されているのが判る。

詳しくは不明だが、ツイーターには比較的大型の空芯コイルと、コンデンサーが入っている感じある。可能性として12db/octの標準的なローカットフイルターではないかと思われる。(未確認)

次のバージョンの、206AXAでは、高域のアッテネーターが外付けで付いている。おそらくネットワーク設計も微妙に異なるようである。

ネットワークコイルは、エポキシなどの硬化性物質で封入すると解像度や透明感が向上するが、この時代にすでにここまで対策されているのには驚かされる。

ちなみに、マルチセルラーホーンの共振をタールで防振する対策を最初に始めたのは、Tru-sonicのStephensであるとの説もあるらしい。 たしかに206AXのかわいらしいホーンにも、非常に丁寧にタールのコートが施され、充分にダンプされている。(他のウエスタンの関係者や、関連企業の説もあるようだが・・・・)

Stephensは、有名なシャラーホーンシステムのホーンの設計者であるから、その可能性はあるかもしれない。

設計の良い良質のネットワークやホーンを、エポキシやタールなどの比較的硬度の高い材料でダンプすると、音塊一つ一つに力が入る感じで、非常にリアリティーが増す。

そういった聴感重視の対策がしっかり行われているところに、この年代のユニットのすばらしさが感じられる。

2008年8月5日火曜日

206AXA



206AXA

エンクロージャーに装着作業中の様子である

鳴らし始めの最初の音は非常に眠く、低音も出ず、ガッカリであったが・・・

翌日から俄然調子を出し

一週間ほどで実力を発揮し始めた。

とにかくバランスが良く、しかも音に力がある。

クラッシックも、ジャズも鳴る。

低域のボリュームに不足はなく、ドラムス、ベースのキレは良く、量感もある。

中域は張りがあり、ボーカルが分厚く、豊かに前に出る。

高域は繊細で表情豊かである。ちょっと聴いた感じではややソフトタッチだが、聞き込むとナカナカ切れも良く、安定感があって、ヒステリックになることもない。

絶妙なバランスが、Tru-sonic 206AXAの良さではないかと思う。

チューニング次第で、好みの音に調整できる、柔軟さを備えている。

以前ある雑誌批評で、Tannoy 15 inch 同軸をクラッシックカメラのアンソニーに、Altec 604をスピードグラフィックに例えていたが、なかなか良い例えだと思った。

タンノイはダゴールなどの往年のバーレルレンズの甘いトーンを思わせる、ややソフトで厚みのある特長を生かし、鳴らし込むのが、もっともしっくりする。やはりクラッシックをゆったりと楽しむような聴き方がハマル。そこに 同軸ホーンのスパイスを適度に効かせると、ナカナカ良い。

一方、アルティック604は往年のスタジオモニターらしく、中大音量で再生すると、コントラストの効いた、バリッとした音を持っている。レンズに例えれば、コダックのエクター(特にトリウム系ガラス材使用のモデル)か。この太字でカラッとした、スッパリ切れの良い特徴はジャズに向く。

中大音量で 思いっきり鳴らす604は非常に爽快だ。バリバリと迫力満点である。一方、これをBGM的に鳴らす、例えば小音量でピラミッド型のエネルギーバランス、そしてウエットでシルキーなタッチに持っていこうとすると、これはナカナカ大変である。(管球アンプ等でやってやれないこともないが・・・・ そういう使い方なら、入手は難しいが605の方が楽かナと思う。)

Tru-sonic 206AXAは、基本的にワイドレンジで比較的フラットな特性。超高域はスッパリ切れているものの、現代の音楽鑑賞に充分なレンジを持っている。最も重要なボーカル域ー中高域には適度なエネルギー感があり、ボーカルや主要楽器のボリューム感が凄い。しかも不自然さがないのである。

この手の同軸ユニットとしては音場も比較的広い方で、アンプ、ソース次第で適度な透明感も出せる。一つ一つの音に604の様なエネルギー感があり、小音量でのウエットでシルキーなタッチも、大音量でのバリバリしたドライなタッチも、アンプやソース次第できちんと鳴らし分けが簡単に出来てしまう、希有なユニットである。

Tru-sonic 206AXAは、その特性と音楽的な柔軟性からすると、カメラに例えるなら、リンホフテヒニカのようなオールラウンドのテクニカルカメラ、レンズとしては、ツアイスの大判プラナーかシュナイダーのジンマー辺りに相当するだろうか。

Altec Tru-sonic Tannoyの15インチ同軸は、ウエスタンの技術から派生し、独自に発展したユニットである。それぞれ独特の個性があってすばらしい。

いずれにせよ、これらの15インチ同軸の名品は、大判カメラにも似た、圧倒的なパワー、リアリティーと独特の個性が身上である。