2008年11月27日木曜日

Seven steps to Heaven






Miles の隠れ名盤
名盤中の名盤の陰に隠れてやや目立たないアルバムだが、これも良い・・・デス

適度にリラックスしたバラードが 聴かせる

このアルバムの再生には意外にも 全方向型フルレンジの
Ohm F
が良かった。

マイルスのオンマイクのミュート トランペット


Ohm Fのチタンフォイルが、
ベンディングウエーブ動作で放射する音なのだが

まるでそこにマイルスが居る・・・・ かのようなリアルさ、クリアーさで

スムーズに、クールに吹いている。

明るい音調、トーンが素晴らしい。

パワーを入れるほどに太く厚く、クリアーで
ベースも歯切れ良く力強いリズムで

充分にパワフルな音像でありながら
コンプレッションドライバー+ホーンのような

押しつけがましいところが微塵もなく・・・・クリアー

音場型スピーカーでジャズというのも

なかなか、どうして
実にリッチな感覚である。

ベンディングウエーブによる発声は
なんともいえない浸透力のある音で

例えば演奏会で楽器の音がホールを伝搬してゆく感じそのものを
リアルに再現する

この点に関しては右に出るものがない感じだ。

ワタクシは音場型として、フォスのリボン型やクオードのコンデンサー型を愛用してきたが
これらのバイポーラ(前後方向放射型)の音場再生とはまた違ったリアリズムである。

どちらかというと、ややボリュームを大きめにし、
部屋一杯にホールトーンを満たしてリッチな響きを楽しむには、ベンディングウエーブ 全方向型のOhm Fが良く

演奏者のホログラフィックな音像を間近に置いて、
高解像度で細部まで克明に描ききる(しかも充分な余韻をたたえながら・・・・)聴き方には
バイポーラのフォスのリボン型やクオードのコンデンサー型が良い。

どちらも 音楽再生という点で 得難い特性があり、甲乙付けがたい。

やはり両者を、ソースと気分で切り替えながら楽しむのが良さそうな感じである。

2008年11月24日月曜日

アナログなワタシの好きな スリリングな ブツ 達・・・・




当ブログは、無名で訳の分からないユニットやパーツ  「ブツ」 (ガタクタとも言う) を取っ替え引っ替え 自分好みにいじくり倒し・・・・・・・ で、案外 音楽的に 発見多し・・・・

オーディオは理屈じゃないナ・・・・・ と思う。

値段でもない・・・・ 

というか、そういった「ブツ」は一般的には「ガラクタ」そのもの・・・・理解不能+無名=無価値・・・・な世界なので、マトモナ値段が付いていない。

とにかく、その時代の渾身の力作で、充分に物量が投入され、音楽的に練り上げられた 「ブツ」 であれば 復活して実力を発揮させると、もの凄いことになってしまう場合があるということである。

とにかく音楽が鳴るようになる。これが理屈抜きで楽しい。

耳タコの大好きなアルバムが、何度聞いても生き生きと新鮮な感動を伴って楽しめるのだから、誠に有り難いことである。

但し、殆ど朽ち果て、素性も判らなくなっているような ブツ ばかりなので、自作またはレストア等の作業は必至である・・・・・  涙

しかし技術と根性さえあれば・・・・・・それなりの予算でも 充分に 楽しめてしまう。(笑)


特に 底力のある  隠れ銘ユニット と

バランスの良いアナログプレーヤー  と カートリッジ

球アンプ・・・・ (ぼけてるのはダメ・・・・シャープでバランスの良いものに限る)

・・・・イケテマス!



振動し、発声する 銘器 (迷機?) ブツ は

安っぽい例えだが 弦楽器の歴史的名器のような、特別な楽器と同様に   

単なる物理振動の中に何か特別な 

一種の神懸かり的?な調和のようなものが突然 成立する?(してしまう)場合があるようだ・・・・・

(ワタシはオカルト系のオーディオマニアでは決してありません・・・ 単なる音楽好きです・・・・苦笑)



このアタリの不思議な世界を垣間見ると

感性に訴える オーディオ的 「ブツ」 のスリルを実感することが出来る。 (ヤメラレマセン・・・)


新製品でそういったスリリングな「ブツ」がめっきり減ったのは誠に残念・・・・・

(あっても 高過ぎ・・・・だったり・・・ これから景気悪くなるから開発自体も・・・・・  涙)

2008年11月22日土曜日

Ohm F walsh driver 苦手なアルバムを楽しく



Ohm F walsh driverは不思議なスピーカーで

その場に音場を作り出す能力を持っているので



なんとなくフワリとしたライブな空間ができあがり、そこに音楽がポッカリと浮かび上がる。

美声という感じではないが、適度に太く、芯があり

神経質ではないのは大変有り難い。

音楽的包容力とでも言うべきか、それがナカナカ厚い感じである。


ありがたいことにこれをうまく利用すると

何となく苦手でレコード棚の端にしまいこまれていたアルバムが

予想以上に大変良く鳴って、嬉しい発見がある。

ワタクシはMilesが大好きなのだが

どうもギルエバンスとの競演のアルバムだけは苦手で・・・(涙)
なんとなく映画音楽風・・・・で、なおかつマイルスのソロは良いにも関わらず

ギルエバンス流の ノリ に多少の違和感を感じて ・・・・・涙

個人的に のれない 感じで あまり聞いていないアルバムであった。

ところがOhm F walsh driver で再生すると
これまたビックリの なかなかにハマル一つの世界・・・・・・・・・

マイルスのソロも、生き生きと・・・・・・ナカナカこれはすばらしい。

食わず嫌いであったことを反省するのである。
(曲想がほの暗い感じなのだけは致し方ない・・・・笑)


やはりアルバム毎に、相性の良いユニットで再生すると 発見が多い。

オーディオ趣味というのも、音楽好きにはまことに有り難いものである。

2008年11月16日日曜日

Walsh driver


荷造りヒモでコーンを吊ってる辺りが涙・・・・であるが、不思議に良い音だ!(爆)

今回のOhm Fは良い意味でショッキングな出来事であった。

ワタクシの夢、当面の目標としては、 まあごく普通に売られているような、お気に入りのCDが 音響の良い小ホールの最も良い席(やや前の方)でベストコンディションでコンサートをじっくりと楽しめたとき・・・のライブ演奏の感じ・・・・・・を我が家で・・・・・ といった欲張りな願望であった。

Ohm Fは、管弦楽独奏または室内楽に関して言えば ライブ感を含めてほどほどのクオリティーで収録されたアルバムであれば・・・・・

まさに文句無し!のリアルサウンドを

いとも易々とホログラフィックに、ポッカリと目の前に浮かび上がらせた。

のけぞり・・・のサウンドである。

特にアムクロンで駆動してパワーをぶち込んだ場合は、

この手の音場型スピーカーでお決まりの、希薄で力のない音とは決定的に違って、 例外的にもの凄く力のある、ナマに近い、打撃性のある音である。

しかも繊細に切れ込んで、浸みるような高域もあり・・・・で、 特にホールトーンは文句の付けようがない。

勿論万能スピーカーではなく オンマイク、スタジオ録音マルチモノ、エコー付加の、バンゲルダーサウンドみたいなアルバムは  Ohm Fでは悪くはないが、特に良くもなく、 特にベースなどはカナリショボイ感じの音で、トランペットはよいが、サックスは今ひとつ締まらない。


こういう正当派のマルチモノ録音(笑)は、Tru-sonic 206+299+3815Aなどの、ホーンシステムの方が、 マッシブな音塊を直線的に放射してくるので、特にジャズのアルバムなどは非常にジューシーな旨味が乗ってまことによろしい。

一方、ホールトーンが殆ど記録されていないような、やや音場感の欠ける録音のクラッシックのアルバム(○ラモフォンとかで時々ガッカリするあれ・・・・)では、

プレナー型のリボンシステムやコンデンサー式のESLが良く、前後に放射される音が反響して適度なライブ感を作り出し、ホログラフィックな音像を浮かび上がらせてくれるので、これもまた悦楽気分で・・・・・録音の善し悪しを乗り越えてごきげんな世界である。

今気に入っているスピーカー群は、雑誌にも、ウエブにも殆ど登場してこないカナリ怪しげなゲテモノばかりだが、実際に使ってみて初めて、これは!と思えるスピーカーがまだまだあることは嬉しい限りである。

とっても高級な試聴室に置かれている、先生や雑誌や店員さんの褒め称えているところの、有名なスピーカー群も、もちろんしっかりと鳴らせばどれもこれもが素晴らしいのであるが・・・・・・・

一発ブチ切れて、常軌を逸脱したようなモンスター達の音と比較すると、やや優等生的で、どこか一線を越えられないもどかしいような感じがするのである。

お気に入りのモンスターユニット達は、説得力のある世界、カラーを持っている。
ライブさながらの、打撃音や、抜群の音離れ、際だった音場感などを、さりげなく響かせ、聞く者を呻らせる。


とまあ、屁理屈はさておき、やはりソース、アルバムに合わせて、特徴ある美味しいスピーカーを選択して鳴らし込むのが吉であるということを、まざまざと見せつけられた(聴かせられた)Ohm F初体験であった。


Ohm F walsh driver

Ohm F walsh driver

全方向放射の音場型である。




この怪物ユニットは耐入力が高く

短時間であれば連続200Wぐらい入る。

インピーダンスは3-4Ω

出力音圧レベルは86dbと充分実用範囲である。

単に86dbといっても、しっかりしたアルニコ磁気回路を備えているため、音に力があり、芯がある。
(某資料によるとアルニコマグネットの重量は4.6kgとか・・・・まさにモンスターである・・・・・)


それで音場型であるから、ちょっと驚きである。

発売当時は適当なハイパワーアンプがなく、苦労したらしい。

現在はアンプ技術が発達しているので何の問題もなく駆動できる。

このユニットは音響理論的に非常に巧妙に設計されているが、

トライアンドエラーで作り出された職人芸的な要素を持つ製品でもあり
一種の危うさがあるので、

特に中低域以下の特性はやや不安定で、部屋の影響、セッティングの影響を、モロに受ける

低音のコントロールが成功のポイントとなるので、

アンプは出来るだけ駆動力の高いものが良いようだ。
すなわち3極管シングルよりも プッシュプルがよく
MOS FET系よりもバイポーラでダンピングファクターの高いアンプがマッチする。

コンデンサースピーカーの様に容易に破綻しないので、
ある程度パワーを入れて、朗々と響かせる使い方がハマル。

巧みなのは、ベンディングウエーブのみではなく、円錐コーンをピストン運動させて、ウーファー動作も
行うことで、全放射型スピーカーにつきものの、低域の不足感を補っているところである。

この低域ブーストは、過剰なものではないが、アンプに力がないと緩く膨らんでしまい、中高域との繋がりが悪くなるので、

締まりがあって、量感もあるアンプが望ましい
アムクロンはその点ぴったりである。

このユニットの凄さは、低音の放射が円錐コーンの基部から生じるので、
ほぼ理想的な点音源の条件が整えられている。
上手くチューニングすると全域に渡り、極めてまとまりの良い音にできる。

ホールトーンをたっぷり収録したライブ録音のアルバムは
本当にすさまじいリアリティーで


ホーン型と全く正反対の方向性だが

圧倒的にリアルなステージを出現させる。

マッタク危険なスピーカーである。

2008年11月15日土曜日

Walsh unitの修理 2

完全に伸びきったダンパー位置を少しずつ本来の位置に矯正。

慎重にセンタリング調整を繰り返す。

ギャップ幅が狭いのか、なかなか動作が安定しない。
低域までカバーするフルレンジなので、ストロークが大きく、どこかで擦れてしまうのだ。


ダンパーの沈み込みに対しては良い対策がないので、とりあえず

ポリの薄線 (荷造りヒモをバラけて広げたもの 笑!)でエッジ部を吊り上げてみた。
まるでエッジレスウーファーである



苦闘数時間。
遂に、擦れが無くなったようだ。

エッジなしの状態であるが、暫定的に鳴らすことに決めた。
とりあえず手近にあったKT88プッシュプルアンプに繋ぐ、


結構良い!なんなんだこれは。聴いたことのない傾向の音。

ひょっとするとダンピングファクターの高いアンプが良いかもしれない。



アンプをAMCRON MT600に変更

キター・・・・・・・・涙!



バイオリン演奏 ライブ版がハマル。



(このアルバムはナカナカ良い 演奏も、録音も秀逸 )



驚きの音!これは凄い。


パワーを入れるとどんどん良くなる。



凄く太く、浸透力のある音

低域も厚く、リアルサイズのピアノが浮かぶ。

バイオリンも・・・・・これは本当によい 分解能はあと一歩だが、

厚みと臨場感が凄い・・・・・

バイオリンの音が周囲に浸透する感じ、

ライブ感、ホールトーン まるでナマのようである。

音像がポッカリと浮かぶ

特に観衆の拍手が部屋一杯に広がる感じ これは全く圧巻である

恐るべし Walsh unit!! 

ジャーマンフィジックスと比較すると、ジャーマンフィジックスの方が高域を中心に、より繊細高分解で洗練された感じである。しかし、ジャーマンフィジックスは2way化により、コーン型ユニットによるバックロードやバスレフの放射する低域に課題がある。それにもう一歩力強さも足りない感じもある。

それに比較すると、Ohm Fはやや荒削りで繊細さにかけるものの、フルレンジらしくシームレスで

かつ パワーを入れると、豪快なナマのような力のある音が、ガンガンに響き渡る。

巨大なベンディングウエーブ式のユニットは伊達ではなかった。

ベンディングウエーブの、不思議な魅力ある響きに圧倒される。

厳しく言えば、このOhm Fの低音はコーン型+バスレフ的な動作によって音圧を稼いでいるので、完全にシームレスなフルレンジ動作ではない。

しかし、若干の癖はあるものの、高域から中低域までは、ぼぼ完璧に近い繋がりの良さがある。

このOhm Fは凄い。とにかく力強く太い。まさにワタクシ好みである。


フルレンジでこんな音は聴いたことがない。

ソースは選ぶが 一つの世界がある。

こんなユニットが存在したとは・・・・・ショッキングな出来事である。

Walsh unitの修理




ウオルシュドライバー

フルレンジであり、かつベンディングウエーブによる発声である。

実に巧妙なデザインになっている。

最上端ボイスコイルに直結しているのはチタン箔

チタンの下はアルミ薄板で、細いグルーブが刻まれており分割振動量が調整されている

最下端はパルプコーンである。これには所々スリットが入れてあり、これも分割振動の調整のようだ。

チタン、アルミ箔の内側にはウレタンが張り付けてあり、これも共鳴対策と思われる。

予想以上に凝った作りで、設計者の執念のようなものが感じられる。

さて、音は出るだろうか?

ダンパーが完全にへたっていて、重力でコーンが下がりきっている。

ボイスコイルは下がって、磁気ギャップ間から外れているようだ。

エッジも完全に朽ち果てており、

それがガムテープとゴムシートの素人修理で

無惨な状態にされていて、

しかもそれらは経年変化で脱落しかけていた。

まさに瀕死の状態である。

2008年11月13日木曜日

ウオルシュユニット Ohm F walsh

怪しさ全開の怪物ユニットが到着

宅配のお兄さんが大汗をかいて運んでくれた。

Ohm F walsh unit

予想以上に、いや、もの凄くデカイ

高さ1メーターを超える。

実に奇怪なデザイン。

トップのネットが崩壊寸前で、ボロ雑巾のように汚い ・・・・・涙

キャビネットの合板もささくれボロボロ・・・・・

ユニットもボロボロで音もまともに出ない。

かろうじて

ボイスコイルは生きているようだ。 導通はあり。





こんなブツを買ってしまってカナリ後悔している。音は出るだろうか?
びっくりするのは、磁気回路がカナリ強力そうなのだ。
良く判らないのだが、アルニコ外磁型か?
マグネット重量が 2.1lb アルニコ、10.25lb マグネットとある。
1kg?4.6kg?
ボイスコイル径がデカイ。38cmウーファーユニット並のサイズである
本格的な設計のユニットであることだけは間違いない。


2008年11月9日日曜日

またしても いけないものを・・・・ポチッと

仕事上のストレスがピークに達するとヤバイことになる。

ついついオクで

ポチッとやってしまった・・・・・涙

30年以上前のアメリカのスピーカーで ユニットはボロボロの状態という

無指向性のフルレンジユニットで、知る人ぞ知るシステム 

こんな製品が、日本に正規輸入されていたというのだから驚く・・・・・・

○商岩井が代理店だっととか・・・

これがガラクタになるか、お宝になるかは

マッタク運次第、腕次第である。

しかし大きい・・・・・重い

落札して初めて気づいた・・・(泣き)

もっと小さいものと勘違いしていたのだ。

もしも再生できず、ゴミになったら、

粗大ゴミの処分を考えると
かなりキツイ・・・・       (大泣き)

置き場所がないのでカナリ焦っている。

2008年11月2日日曜日

15 inchユニットの箱作り





励磁型スピーカーほどではないにせよ

強烈な馬蹄型アルニコVマグネットを背負った磁気回路 を有する、黄金期のユニット206ax

このユニットを使い、中大音量再生を行う際には

その強烈なエネルギーで箱が揺さぶられ、かなり共振音が出てしまう。

この共振音を出来る限り味方に付けるべく(笑)

響きの良い部材で箱を作り、適度に鳴らす方向性があり、また

徹底的に押さえ込み、余計な音を出さない方向でチューンするやり方もある。

一長一短なのだが、

前者はやや小さめの箱で、なんとか豊かな音を出す方向で妥協点を見いだす場合に良く

後者は大きめのエンクロージャーでゆとりのある響きを確保した上で、それ以外の雑音を出来る限り排除する方向性である。

これを無視して、小さい箱を徹底的に強化したりすると、かなり寂しい音の世界になる(こともある)。

(下手をすると、その寂しさを紛らわすために、高級アンプ、高級ケーブルといったドロ沼に直行してしまう場合も・・・・・汗・・・・・)

前者はアルティック指定箱の612 614 後者は620辺りに相当するだろうか。

部屋に余裕があるなら、後者の方が無難であるのは言うまでもない。

620の場合、米松のオリジナルよりも、良くできた国産箱、できればカチカチの高密度の部材で、内部の補強桟がガッシリ入っているエンクロージャーが好ましい。 デザインとしては、板厚のみの大きめの開口のバスレフが箱の前面に開いているものがワタクシ好みである。

これはアイコニックシステム直系のデザインで、さすがにバランスが良い。

これを聴くと、バスレフの音も決して悪くないことが良く判る。

チューニング次第だが、非常にハイスピードでキレの良い、しかも量感もあるバランスの良い低音が得られるのだ。

現在でも620の国産箱に604を入れた組み合わせが高い評価を受けていることからも明らかだ。

一方、ワタクシのような、都心の狭い部屋の居住を余儀なくされている(涙)場合には 、トールボーイの約140から160リッター前後のエンクロージャーがギリギリやっと入る感じであるから、200リッター以上の620はどう逆立ちしても、部屋に入らない・・・・・・・(大泣き)


612相当からそれ以下の容積の小型箱の場合、そのままでは低域はイマイチである。

低音は出ているのだが、ベストバランスの620と比較すると、少々ゆとりが足りないと言うか、やや詰まった感じになるのだ。

そこで、響きの良い部材を使ってエンクロージャーを作成し、補強桟を最小限にして、適度に箱を鳴らすことで、雰囲気やゆとりを確保し、それなりの音楽性を確保している。 また、吸音材やバスレフの調整も大変重要である。

バスレフは板厚のみの大穴を開け、背圧抜き+位相反転放射で、聴感上の音圧を稼ぐ手法を使う。

これはナカナカ優れた手法で、上手く背圧を抜いて、適度に響かせると、バックロードホーンを思わせるような軽やかで快感のある低音が得られる。 しかもバックロードホーンほどの音圧を必要とせず、小音量再生でもバスレフらしい量感があるのでベースもバスドラもイケル。磁気回路が強烈なユニットでなければ成立しない方法ではあるが。

但し低域の低い方50HZ以下は、ばっさり切り落とされる。(これは音楽とあまり関係ないので無視できる)


この方法の泣き所は、大音量再生の時である。

この時代のユニットは出力音圧レベルが100DBを軽くオーバーしているのでドッスン、バッコンと大音量を再生する誘惑に駆られることが良くある。

その際には、ユニットの強烈な背圧にさらされるので、並の補強のエンクロージャーでは、箱自体が共振しボコボコな低音になってしまったりする・・・・特に低密度の合板では本当に情けない音になる・・・・が、

幸か不幸か、狭い部屋では部屋自体も共振するし、隣家から怒鳴り込まれるのは必至・・・・であるから、大音量を出せるチャンス自体は極めて少ない。 (涙)

ワタクシの場合はこの点は全く問題にならないのである(笑)