2009年1月29日木曜日

You Must Believe in Spring の再生 2



4. We Will Meet Again (For Harry)

7. Theme from M*A*S*H (Suicide Is Painless)


特に 4 曲目

We Will Meet Again

さりげないが、実に美しく、じんわりとしみてくる。 大変な名演。

ピアノトリオのシンプルで洗練された響き合い、

後期のエバンスは、陰鬱さや、繊細さ、ドラッグによる陰り、悲しみ、振り絞るような演奏、など、美しさの中に、どことなく重苦しさを感じさせる作品が多いのだが

この作品は そうした思い、感情が 結晶化して 粉雪のようにキラキラと舞い上がる感じで

見事に昇華されている。

そして、どこか、心にグッとくるものがある・・・・ 

日頃、いろいろあった後には、ちょっと飲んでから

時にはこんな曲を、大音響で・・・・・ 

エバンスのキラキラしたタッチと ゴメスの芯のあるベース 

ややコンプで抑制されているが、ボトムまで響く、エリオット・ジグモンドのドラムス

それぞれのパフォーマンスが絶妙である。

出来るだけ彫りの深い、懐の深い演奏になるように

パワフルなアンプの駆動による、ホーン+15インチのシステムでガッチリと再生したい。

7 曲目の Theme from M*A*S*H (Suicide Is Painless) の明るさは アルバムの最後にウエットにならず、さらっとした感じの終わり方で ナカナカ良い。

傑作である。

2009年1月20日火曜日

You Must Believe in Spring の再生

You Must Believe in Spring の再生


文句無しに素晴らしいアルバムである


しかし、2点ほど気になる部分が。


一つ目は いかにもスタジオ録音デス・・・・・・ といった感じの収録である


音質は良く、一つ一つの音が現代的に丁寧に収録されていて文句はないのだが


荒っぽさが微塵もなく、なんとなく躍動感や迫力のない、実に折り目正しい収録なのである



前期のビルエバンス好きのワタクシにとっては、どうもモントルーみたいにド迫力の収録に慣れているものだから、なんとなく物足りないような気分になる。



軽くBGM的に、おとなしく鳴らす・・・・ のならこれで充分良いのであろうが、折角の名演をもっと魅惑的に楽しみたい衝動に駆られるのだ(笑)


2つ目は、このアルバムの持つ叙情性のコントロールの難しさ。 

叙情性と書いたけれど・・・ハッキリ言ってかなり 暗~い 音で鳴ってしまうのだ(泣き)
シリアスに再生すればするほど・・・・   (大泣き)

ウエットな音の出るスピーカーだとかなりヤバイ感じになる
イーストコーストやヨーロッパ系のスピーカーでは・・・・・

モロにはまってしまうので 聴くのが辛くなる(大泣き)



後期のビルエバンスが引きずっている 悲しさ が、再生音から強烈に にじみ出て しまうのである。


昔はそれにどっぶりと浸ってジャズを楽しんでいたけれども・・・・

最近は現実社会もいろいろと厳しいし、生活の中で悲しいことだって多々あるモンだから



音楽まで暗いと どっぶり暗くなって帰れなくなる・・・・と困るのだ。


情緒面はさらりと ドライに聴き流せる感じの、軽いタッチの音に仕上げたいのである。


で、シリアスにこのアルバムと向き合って聴く場合は


Tru-sonic 206AXA AMCRON MT600  500 クロスで Altec 299 ドライバー+JBLのホーンを使い、ウーファーのレベルをやや高めにして 音量もやや大きめに・・・・









バリッとした音で再生することにした。こうすると 元々のやや彫りの浅めの音を 深く切り込んで 生き生きと迫力ある音像に変えることができる。

ビルエバンスのピアノのタッチも明確になるし、シンバルもバッチリ来る。

特にエディーゴメスのベースの音程が明瞭で、中央にビシッと定位し、凄くキレのある再生でナカナカ良いのだ

こうすると、前半はともかく(笑)後半は躍動感のあるピアノトリオのダイナミックな演奏が理屈無しに楽しめるノダ。







15インチ軽量コーンの超強力ウーファーとアムクロンのコンビに助けられる感じである。

Tru-sonicは音色が中庸 基本的にウエストコーストサウンドなので カラッとしているのが有り難い。

ビルエバンスのアルバムが、むやみに陰鬱にならないので、ワタシの好みにぴったりなのだ。

2009年1月18日日曜日

You Must Believe in Spring

You Must Believe in Spring





Bill Evans
ワタクシも好きなピアニストである。

でも、後期は暗いんですな・・・・どこか

伝説のkind of blueの演奏は非常に好きで

もちろん定番のワルツフォーデビーとサンデーアット・・・も愛聴盤である 何回聞いたか判らない。

個人的にはエクスプロレーションズ(?)が結構好きだ。

逆に後期はやや苦手。

ジムホールとのアンダーカレントはあまり聴いていない 名盤だと思うが、なんか重いのが辛いのだ。


このアルバム、You Must Believe in Spring

感動的で、まったくもって凄いアルバムである。

一聴 極上のBGM・・・・・しかしそれだけじゃない

表現が難しいのだが、とにかく美しい!素晴らしい、感動的なアルバムなのは間違いない。

さて、どのように聴いたら良いものか・・・・ 再生においても、ナカナカ奥深いアルバムだ。

2009年1月13日火曜日

Four & More

Four & More








Four & More


アップテンポで快走する素晴らしい名演で有名なアルバム


切り裂くようなマイルスのソロ

稲妻のような怒濤の演奏

テンションが異様に高い。

如何に快感度を高めて聞くか・・・ チャレンジそのものが実に楽しいアルバムである。

主役のマイルスの 切り込み をまず優先する再生となると

やはりコンプレッションドライバー大型ホーンが見事にハマル。



眼前でトランペットを振り回しているかのようなリアリティーに興奮する
(ライブの収録が結構良いのですネ・・・・・驚き)

このアルバムではややホーンのレベルを高めに設定して、朗々とホーンを鳴らすべきである。

それからトニーウイリアムスのドラムが、これもちょいとバタクサイ感じが迫力最高なのでアル

バゴバゴバゴン、バッスン(笑)と


ハイスピードかつ強烈に連打が決まってくれないと乗れないのだ。



これはAMCRON macrotech+206AX 板厚バスレフ 至近距離での聴取でバッチリだ


バタクサイけどハイスピードでビシビシ決まりまくるのが快感である。

それとシンバル音が、ジュワーン、ジャキーンと派手に鳴っていただければ スッキリ!





さらにはドライバーの駆動アンプを大型三極管211に

イコライジング、クロスオーバーをチョイチョイといじって

ハービーハンコックの瑞々しい響きをナチュラルに


案外イケテル コールマンのテナーを 適度に分厚く決める





調子に乗ってホーンのレベルを上げすぎると、マイルスとトニーは良いが コールマンがソプラノサックスみたいな貧相な演奏に聞こえてしまうのでこれは絶対にヨロシクナイ・・・・



で、キチンとバランスを整えてから微調整



シンバルを厚めに

マイルスの咆哮をややくすみ気味に

強烈に切れ込むけれども、アタリを若干ソフトで渋めに調整すると

最高に快感デアル

2009年1月8日木曜日

Pentax SP

Pentax SP





再び写真ネタで・・・

ジャンク棚から2000円(ボディーのみ)で救い上げてきて、レストアした一台

レンズは以前入手したもの。タクマー55mm F1.4
これはトリウムガラス使用の放射能レンズである。
後玉からかなり放射線が出ているらしい(恐怖・・・)

しかし、このレンズ、現在では使用できない素材を、ふんだんに使用しているだけあって、さすがに写りは良い(笑)

この手のガラス材は大戦中、敵地の航空写真を撮影する、高解像度レンズのために開発されたという噂も・・・・ 解像度命デアル・・・・ 従って切れが良い訳である。  笑

銘レンズにはトリウムガラス採用品があり
有名なハッセル用の初期のエクターや 一時期ライカのごく一部のレンズに、また
ペンタコン6のフレクトゴン50MMなどに使われていたらしい

このタクマーもシリアル番号から確認したところ
立派な放射能レンズで 放射線のためにレンズが かなり黄変しているが

きりりとした、にじみのない、シャープな像を結ぶ

しかも極めてオーソドックスな光学設計で作られているので、とても自然な絵である。

SPのボディーもペンタックスらしい柔和でコンパクトな作りで

黒のペイントも割と分厚く、適度な光沢があって、ナカナカ高級感がある。

ゴム引き布膜 シャッター音も軽快で
なかなか心地よい動作である。

特に低速シャッターのダンパー音は素敵だ。

コンシューマー機として 画期的なセールスを記録したという ことで
SPは中古市場であまりにもありふれた機種であり、マニア受けする機器ではないが、



放射能レンズ付きのこれは・・・・侮れない実力。 隠れ名機である。 (笑)

レンズだけをK100D等のデジタルのボディーに付けてテストすると、放射線レンズの実力が(さりげに・・・・凄い)良く判る。

マニアっぽく無く、全く嫌みがない、しかし、分かる人には分かる・・。

しかも究極の55mm

標準でいい作品撮るって、実はハードル高い・・・・・本当の眼力が必要デアル(涙)

このカメラを使うこと自体、なかなかスリリングであり、非常に面白いアイテム・・・・デアル。

2009年1月4日日曜日

Kodak DCS proback





再び写真ネタです。


DCS probackを使っている

なかなか骨のある機材で

使いこなすのはナカナカ大変である。

だいたいこれを非対応機種の500CMや503CXに繋ぐのだから尋常な使い方ではない。

DCS probackの対象機種は 555ELDである。(または専用アダプターを使ってマミヤRZに付ける) (この後の改良モデルであるDCS proback plusは対応機種が多いが高値で取り引きされているようだ。しかもアダプターとなる専用ケーブルは現在入手困難である)

555ELDは、デジタルバックとの電気接点が付いたデジタル対応の自動巻き上げ機だ。


アキュートのピングラの入った500EL改を格安ゲットし、既に持っているので、非常に高価な555ELDを改めて買う気はない(実際、高すぎて買えない・・・大泣き)

で、強引にDCS probackの電気接点を活用し、強引にアクチベートして写している。(泣き)
この解析には苦労した。555ELDのリペアマニュアルを参考にしてなんとか根性で実現した(涙)

写りは最高・・・・

1600万画素の解像度は今日ではもはやたいしたものではないのだが

ピクセルのウエルが大きく、ISO100固定でタップリと光を取り込み、それをストレートにAD変換する

巨大なCCDの吐き出す画像のトーンは

やはり違うのだ。

ワタシはどうも解像度よりもトーンを重視する好みがあるようだ。

ちなみに普段は600万画素のペンタのK100Dを使っている。

この機種の中古価格の値崩れ具合からして、一般にあまり評価されていない機種だということは良く判るが(笑)
ワタクシにとっては、これは隠れ名機である。

これは手ぶれ防止機構がボディー内蔵で、古いMレンズも、スクリューマウントのレンズも手ぶれ防止で使えるのだ。

TTL絞り込み測光も使えるし。

なにより、600万画素と画素数を欲張っていないので、ウエルのサイズが大きい。トーンが良く出るので、密かに愛用している。

ドーンと撮りたいときには、根性でKodak DCS probackを引っ張り出して使っている。

Kodak DCS probackは大きなACアダプターをファイアーワイヤー端子に接続して電源供給するという、スタジオ撮影が基本のデジタルバックなのだが、別にバッテリー端子も付いているので、そこにニッケル水素の単三電池8本を繋いで9.6Vの電圧を供給して戸外用の外部電源としている。

単三はパナのバッテリーだが、古い指定のバッテリーよりも容量に余裕があり、動作もなかなか安定しており、沢山撮ることができる。