2009年8月28日金曜日

前に出る音像 VS 後に広がる音場

ある程度良く鳴るスピーカーは大雑把に言うと前に出る音像型(JBLモニターとか) か 後ろに広がる音場型 のどちらかが多い

もちろんスピーカーのところに音像が立つタイプも(プレナー型とか)

一部の製品は 3次元的に前にも後ろにも広大だったり。
高さ方向が結構出たり 面白い。(小口径で位相管理と消音が極度に厳密なモデルなど・・・・)

今の主流は後ろに広がる音場(B&Wとか・・・)のタイプか 3次元的に前にも後ろにも(ウイルソンやアバロンとか・・・・) のどちらか
(ブランド名はあくまでイメージです・・・・モデルによっても、使いこなしでも、全然違いますんで・・・・)

特に受けるのは、上品な音場感で、節度ある表現で、空間に浸透する感じか。

古いモニター系は 前に出る音像型が多い

やや荒削りでパワフル バリッとした音を繰り出す感じ

Altec 604 E は前に出る音像型の典型ってことになりそうだ

積極性があり、前に張り出してくる。

音が前に出るのは、ワタクシ的には好きである。

コンサートで最後列ならともかく、普通の席なら、楽器の音はこちらに向かって響いてくるのが普通だし

リアリティーは音像のソリッド感にあるように感じるので

テクスチャーやタッチ、音離れ、浸透力など
いろいろなファクターがあるが

音像がカッチリしている基本があって、その上でそういったファクターが実現すると嬉しい。

逆に音像が薄くてペラペラだと いくら音場感があって、テクスチャーが良くても
陽炎のような感じで いまひとつ喜べない。

以前は3次元の広大な音場ばかり追い求めていた時期もあったが、なんとなく味が薄いのデスな・・・涙

プレナー型を強力アンプでドライブして ナマのようにコシのある立体音像が立ち上るのを経験してから
方向性が変わってしまった。(笑)

改造した(といってもたいしたことはやっていないけれども)604Eは
ざらついた感じはほとんどなく、スムーズで、テクスチャーもほどほどの良さ。

音場が後ろに広がる感じはあまりない代わりに 前に出てくるし
音像が立ち並んで それらのタッチが品良く 浸透してゆく感じが 生のコンサート的で

ワタクシ的には嬉しい世界である。

もちろん3次元的に 前にも後ろにも上にも 広がったほうが嬉しさ倍増 間違いなしなので

これからセッティングを詰めて、後ろに広がる感じも狙ってみたい。




2009年8月26日水曜日

Altec 604E編 フルレンジの良さ


Altec 604E

音色は同軸のホーンドライバーのキャラクターで決まっている部分が大きいと思うが

ホーンドライバーにコンデンサー一発 ホーンの音圧を減衰させ

オリジナルのホーンから小口径ホーンに改修して

さらにフェルトを除いてコーンの内側部を露出

ウーファー部をアンプ直結にする

ウーファー部が意外にまともな音色で鳴っているので、フルレンジ的な使い方が出来る。

ボーカルに関してはアルティックらしく、もともと非常に良い音であるし

フェルト除去、アンプ直結にすると、微細な音の再生も良好・・・・・全く問題ないレベルだ。

コーンの高域端は若干荒れるけれども 幸いかなり減衰しており

重要な発声音域の再生音圧レベルが非常に高いので

いろいろな雑音やら荒れた音も多少は出ている様子だが、肝心な樂音の音圧レベルが高いのでほとんど気にならない。

音色的には、フルレンジの音 とにかくスムーズで繋がりがよい。

恐ろしいセッティングである・・・・・爆
でも ユニットが優秀なので、音は案外まとも・・・ 笑



分割振動や、リニアリティー、スペースファクター等で、最近はほとんど省みられない 大口径フルレンジ であるが

この時代のホーレー社のコーンの品質は高く

またアルティックも、スパイダー、エッジ等にかなり力を入れてチューニングしたと見えて

抜群のバランスで鳴る。(やや低音不足ダガ・・・・・笑)




アルティックがおかしくなったのは、70年代辺りからの、重低音のリズム系が音楽シーンを支配するようになって、JBL系のレンジを広げる戦略に影響を受け始めてから らしい

それ以前のアルティックは非常にまっとうな 中音域重視のフルレンジの設計を行っている・・・・ その本来の音の良さが よく分かる。

マルチで料理してもよし、コンデンサー一発でホーン部の音圧をぐっと減衰させて使うもよし、あるいはオリジナルに近いパッシプネットワークを、リボン箔コイルなど、最新の素子で作り直しても 充分イケルかもしれない。

対策さえすれば、全く古くさくない・・・・・


というか、小口径ユニット採用の最近の高級スピーカーや、大型ホーンシステムに疲れた耳には(笑) こういった シームレスで まとまりのよい フルレンジの音は 非常に心地良く響くようだ。

小音量で鳴らすフルレンジの ほんのりソフトな音

なんとなく ほっとする。

2009年8月25日火曜日

Altec 604E 編 続き

Altec 604E を 梱包箱に押し込んで 90cm程の箱の上に乗っけて

軸をやや上方に(10度ぐらいか) 内向き15度ぐらいにセッティング

リスニングポジションの頭上1m弱のところに軸が結ぶ感じでセット。

ユニットの空間位置は部屋の天井高までのだいたい中央

で、結構鳴ります。 軸上正面を外したので、高域のビームの影響なく

部屋全体に音が浸透拡散して いい雰囲気。

リッチな低音で快適な206AXAのバスブーストをあえてオフにして、604E単独で試聴してみた。

低音不足だが、まったく鳴っていない訳ではなく

ベースやバスドラも聞き取れる さすが15インチ

このセッティングで聞くなら、同軸ホーンに突っ込んだ不織布もいらないので撤去。

ややハイ上がりだが、高分解能、ハイスピードで とても604の音とは思えない。

ハイエンドとは言わないが(涙)、割とそれに近い(笑)美麗で繊細な、非常に浸透力のある音。

シビアに反応するので、コーン紙とボイスコイルのセンタリングをやり直した。

透明度も音場感も、力感もあり、さらにどこまでも音量を上げられる底なしの馬力感

このトルクのある馬力感は小口径ユニットでは出せない凄み?(爆)

モンスターユニットを徹底的に弄ると、かなり 今風の音 が出ることが分かった。(涙)

考えてみれば、ハイエンド製品に入っている、最新の超高級小口径ユニットも、特別な設計と言うよりは

従来技術線上にコストと時間を惜しまず手を入れて それなりの気品ある音色に仕上げている少量生産のものであって

まったく特別な設計を駆使している製品という訳ではないので
(むしろ国産のフォスのユニットの方がさりげなく最新技術が入っていたりする)

取り組むべきユニットさえ誤らなければ(笑)ビンテージ物であっても かなりの音色が出せるということが
分かった。  

ま、多少の荒れは残るけれど..... 管球アンプとソースでなんとかなる範囲か。

特に604の持ち味のボーカルは、抜群の鳴りっぷりである。

じゃじゃ馬の604が 単純な対策で これだけ スムーズ 透明 ハイスピード 繊細+底知れぬパワー感を秘めて 鳴ってくれるとは

特にフルレンジ好き には たまらない感じだ (涙)

内心ウハウハでアル・・・・・笑

2009年8月22日土曜日

15inchユニットのお気楽な楽しみ方 2 Altec 604 編

206AXAの段ボールスピーカーに気を良くして といっても低音不足だが  爆

これでも15inchユニットの雰囲気が充分に楽しめるので

604Eでも試してみた。

これは515相当のウーファー部を持っているので、オーバーダンプ気味

段ポールには向かないユニットなのだが

中高域は抜群の浸透力と確かなボーカルの音色を持っているので

使い方によってはカナリ面白い・・・・で、これをいつまでも床に転がして聴くのはもったいないので

206AXAの箱の上に乗っけてみた・・・爆



15インチユニットは、部屋の中央の高さに持ち上げると動作が良くなるらしいのだ。

で、聴いてみました・・・・

やっぱり

低音全然足りません・・・・大泣き

でも、中高域は、部屋全体に浸透して、これはカナリ良いです。

これまでに、オリジナルホーンを撤去してショートホーン+コーン紙のホーンに
ネットワークを撤去して、コンデンサー一発 フルレンジ+ホーン6db/octに変更
コンデンサーの吟味、不織布でレベル調整 などなど
イロイロ弄っているので、その効果も充分出ている。


パーカッションやブラシ音、カラッとして、かなりリアル

ボーカルも さすがアルティックである。スムーズで明瞭

でも、低音やっぱり足りませぬ・・・・  ベースとバスドラが遠すぎ・・・・・・・爆死

それなら、604Eを ハイ+ミッド+ミッドバスユニット・・・・ってことにして

下のウーファー域を 206AXAに繋いで、低音補強してみることにした。

マルチだから手元のチャンデバをチョチョイといじるだけだ。

206の適度に重く、音程明瞭な ベースとバスドラが入る。 

急に分厚い音に変貌

しかも 604Eのミッドとの繋がりも違和感なし  笑

これはカナリ・・・・・イケル 

部屋一杯に 音が充満する

リッチな音世界。

604Eと206AXAのイイトコ取りだ・・・・・ 笑

604Eは、名機だと思うが、どうしてもゆとりある低音が出ない。

高域中域はバランス抜群なのだが・・・・

かなり大きめの箱に入れて、壁面に埋め込んだり、アンプを工夫したり
ボリュームを上げて聴くとか、かなり手強い。

それでみんな、聴き疲れてしまい・・・・手放すケース多し。

それがこのやり方だとカナリ 許せる・・・・というか、スタジオのレコーディングエンジニアが
こんな感じで作っていたんだナア・・・・を、ゆったりとした中低音に浸りながら
楽しんで聴くことが出来る。

604E単独だと、どうしても 検聴・・・・ って 厳しい感じになってしまうところだが これなら

リラックスして長時間聞ける・・・・ 歓喜!

ま、細かいところを聞き込めば、歪みアリ、共振あり、F特のピークディップ ありあり・・・ だろうけれども 笑

鳴リップリは実に 痛快

ライブ音楽が 極上のSRシステムで鳴っている 感じだ・・・

ボーカルなど、ソースによっては、299+JBLホーンの音よりも、マジデ良かったり・・・・   涙

(Altec 6041のコンセプト 結構イケテたのかも・・・・涙 あれは 416のコーン紙を重くした急造のウーファーだったとか・・・)

段ボールで(笑)こんなに良く鳴るものなら 

キチンとした箱を作って、スタガー(バーチカルツイン)をやってみようかナ・・・・・ 爆死





2009年8月20日木曜日

15inchユニットのお気楽な楽しみ方


15インチユニットを敬遠される向きが多いのか

最近ちょっとでも難のあるブツは格安で投げ売りされている。

特にリコーンが必要なブツはリコーン代を含めると・・・・XXX

商品が余程レアなものでないと採算が取れないのか

デカクて始末に負えない 粗大ゴミ ってことになるんでしょうか?

ワタクシ的には宝の山だと思うのですが・・・・ポツリ

相場全体に下がり気味

需要と供給で、手放す人が多いのも容易に想像できる。

15インチの箱はデカイ、オモイ、でベテランでも結構厄介であったり

でも、このサイズのユニットの吐き出す音は リアルサイズ

生音みたいなのが ビシッと飛び出す。

美麗な小口径の最新設計ユニットの音も素晴らしいが

15インチのハイスピードモンスターユニットは やめられない 禁断の世界である。

こいつらを手軽に楽しむ方法がないものかと

色々考えてみた。

もちろんメインのユニットは部屋に収まるギリギリのサイズで、140リッター程度のスリットバスレフの

割とキチンとした箱を作って、それに入れて楽しんでいる訳であるが

あれこれユニットを入れ替えて音色を楽しみたいときには 正直辛い。

ユニットの入れ替えが 超めんどーくさいのだ

なにせ モンスターユニットの磁気回路は猛烈に強力なので

ケツが重くて ユニットをバッフルに固定するのが大変なのだ。

で、最近やってるのが


段ボールに押し込んで 床置き で聴く方法・・・・・爆

段ボールスピーカー である。涙・・・・

最初は むき出しで床置きしていたが

これでは200-300以下が全く出ない

そうすると、さすがに低域不足で辛い

平面バッフルは 苦労の割には 低音出ない デカイので ワタクシ的にはあんまり好きではない

で、ユニット収納の段ボール(結構しっかりしてる)に 押し込んで

磁気回路の下にブロックを入れてユニットの開口部を立てて

バスレフマガイ にする

もちろんこれでも低音不足だから 床に置いて、部屋のコーナーに押し込んで

同軸を正面、リスニングポイントに向ける

部屋のコーナーのホーン効果と床の反響で 低音がそこそこブーストされて

15インチのサイズのパワーもあるので チョイとバスブーストすると

案外そこそこの音が出る・・・・爆

これでも充分に楽しめる・・・・ それだけユニットの持つ固有音が強い ということか


ちなみに、2220のようなオーバーダンプ気味の バスドライバー は ダメダメですが・・・・涙

2009年8月18日火曜日

206AXA 使いこなし

206AXA、あんまりにも レアで、かつ、コアな ブツ なので 評価は定まっておりません・・・デス

使いこなしも結構難しい・・・・・。

これを素の2ウエイのままで、ドーンと上手く鳴らすのは結構大変だったりする。

ごくふつうの中庸なトランジスターアンプに繋いで鳴らしたら

なんとも古ぼけた アンティークラジオのような 音が出る

木理は荒くて、高域は詰まった感じ

蒲鉾型のナローな感じで

なんだかなあ・・・・泣き

ホーンもフラムも古い設計なので ちょっとした気配りが必要・・・・

ビンテージのランシングとかのユニットにある程度慣れている人なら

簡単に鳴らしこめると思いますケド。慣れてないと結構大変かも ガッカリする人が多いのではないでしょうか?

アンプ、ケーブルとの相性は結構シビアで

小音量で音やせしない、高域のある程度美麗な 程々に良い管球アンプか、設計の良いトランジスターアンプが必須

ワタクシの場合、VT-52 5691ロフチン無帰還の管球シングルアンプで、結構満足しておりますが

高域は結構荒れ易いので、繋ぐCDプレーヤーはフィリップスのビットストリーム系(PowerCDとか)や、ソニーのSACDのチップがいい感じであります。

また、パイオニアのレガートリンク系なんかも、安くて良いです 但し、いずれの機種も 対策 しないと低域の迫力がやや薄いですが。

きちんと対策すると、魅惑的な 15インチ同軸の世界が・・・・・

ちょいと古い録音のCDなんか、最高であります。

ゆとりがあって、力強い リアルサイズの音像が ポッカリ 

やめられませんです・・・・・。

適度な ざらつき が ハイエンド様のツルピカ系と違って 

ちょっとワルで、太い、翳りのある 感じが 意外に 心地良かったり

もちろん キラキラなハイエンド様も 素晴らしいですが・・・・ (泣)



604もそうだけれど、ホーンとコーンのクロスオーバー付近は 結構シビアなところなので

ソースによっては さすがに馬脚を露わにしかねない・・・・  笑い

ネットワークの設計とチューニングが古いのは否めないところがある。

で、古いネットワークを捨てて マルチにして すっきり感は随分と向上する。  

いっそのこと同軸ホーンまで捨ててしまって 

高域を1.5インチクラスのドライバー ホーンにしてしまった方が手っ取り早いって ことも・・・・・爆

特に 最新録音版の場合や最新リマスタ版では 事実デス

そういう邪道な使い方(笑)でも、力感と切れのある中低域は 十分すぎるほど魅力的であります。


2009年8月4日火曜日

206AXA 後期型

206AXA 後期型

エッジにダンプ材が塗布されている。

切り替えスイッチ アッテネーター付き ネットワークの 後期タイプ


後期型 センターコーンが付いている。

同軸ホーンを通し、またサービスメンテで同軸固定用のネジにアプローチできるよう

切り欠けが入っている。

非常に丁寧な作業がなされているのは この時代のハイエンドユニットの証か?


ホーンは分厚くダンプ材が塗布されている。

いかにも スティーブンス らしい。



久々に、コーンとフラムの割と状態の良い個体が手に入った・・・・・爆

怪しい一本がボイスコイル擦れで、今にも逝きそうなため 思い切ってしまった。

206の入手は苦労の連続

まともに国内でペアマッチ品を入手するとなると・・・・・・・フツウのオトーサンには絶対に買えない値段が付いておりマスです・・・・涙

で、仕方なく、ebayとかで、単品モノを落札するわけですが・・・・・

これがくせ者・・・・・・・・・・・・・・・泣き

以前落札したときは、コーン紙ボロボロ
滅茶苦茶なリコーンがされていて

しかも ダイアフラムが無かった・・・・・・・・ 大泣き

ま、そんな感じのものじゃあないと、とても買えませんガ・・・

今回は、ネットワークボックスが付いてなかったので、値段が異常につり上がらなかった ・・・・ ので
なんとか落札できた・・・・ケド、結構高カッタので後から後悔したが。

困ったのが、アメリカからの発送で船便がなくなったこと

なにしろ15インチモンスターユニットはデカイ、オモイ!

一番安い送料を選んだつもりなのに・・・・・

送料+税+通関手数料 約2万円は

痛すぎ・・・・・・ これは もちろん 一本 モノ での話。 大泣き

ペアマッチングへの道は遠い・・・・・爆