2019年8月16日金曜日

秋葉原とオーディオ評論に見た栄枯盛衰

 現在どれぐらいの人がピュアオーディオの趣味を続けておられるのか、あるいは若い方で興味のる方がどれぐらいいらっしゃるのか、良くわかりませんが、少なくともコアな一部の方々に支えられるニッチな趣味として落ち着いているのかなとも思います。

 一時、秋葉原界隈でもオーディオ機器の専門店が(団塊世代の退職に合わせて?)高級店を出店したり、オーディオフロアの拡充を図ったようですが、家電量販店の旗艦店である秋葉原店そのものが経営難?に陥ったことが影響したのか、あるいはオーディオを求めて秋葉原に来訪するオーディエンス(懐かしい響き)が減少したのか、長く続かないフロアや店舗が多かったように思われます。坂下の大きなオーディオ店の跡地はボルダリングのメッカになって若人が集って汗を流していますし、秋葉原自体も2次元のグッツを求めて海外から来訪するお客様やメイドさんの列やUFOキャッチャーの戦利品を抱えた人々でカオスとなっており、真空管 トランジスタ オペアンプ デジタルアンプと変遷してきたエレキの町から次第に趣味の聖地へと秋葉原の立ち位置は変化しており、時代の流れというものを感じます。

 大通り近くのオーディオ店はだいぶ縮小撤退してしまいましたが、まだ残っている専門店やパーツ店を見ると生き残りの方向性が見えて来ます。ハイエンドオーディオに集中している店(もちろん中級機やヘッドフォンも1〜2階に置いて入りやすくしているが)、真空管式アンプの専門店(趣味性が高く希少な玉は高価なので小規模であれば商いが成り立つようです)中古店(往年の名器や大型システムの放出があり、それを買い取って整備して売るビジネスで、ヤフオクやメルカリ?の当たり外れの難しさから多少高くても整備品や査定評価の入ったものを買うお客さんはおられますので成り立っているようです)、ケーブル・イヤフォン店はiPhone関連モバイルオーディオで元気ですし、自作スピーカー店 なども駅から離れた店舗で案外元気であったりします。
 中級機を扱う大型フロアが見あたらないのは、家電量販店が結構な面積の視聴場所や視聴器を各店舗に置くようになりわざわざ東京まで足を運ぶのは相当なマニアだけになったということでしょうか。

 ところで以前 故長岡鉄男先生のことを思い出しましたが、当時のオーディオ評論世界で双璧をなしておられた、菅野沖彦先生も近年他界されたと雑誌等で伺いました。菅野先生と言えばレコーディングエンジニアとして国内盤だけでなく、ECMの録音をされたり、日本の音響黎明期に大活躍された方です。そのスタイリッシュなファッションセンス、美しく室内の調度品とも調和するように配慮された応接室の音響機器などハイエンドオーディオの世界を牽引されたのも大きな功績でした。文章も達筆で、オーディオ演奏家という用語を提唱され、単なる音の再生以上の何かを創造する芸術的な行為であるとオーディオ趣味を再定義されたのも記憶に残ります。

 一方で、菅野先生と長岡先生の批評は対極的なスタンスにあったことも鮮明に記憶しています。同一製品に対する、お二人の批評が大きく異なる場合も希ではありませんでした。先生方の評論家としての立ち位置からそうなったのか、好みの違いによるものであったのか、何らかの事情によるものであったのかは今となっては定かではありません。

 我々一般人は全ての機器の視聴など無理で、今だに視聴できずに機器購入を決断する必要があったりしますが、当時は多くの判断を雑誌等から、評論家の先生方の視聴記や点数を参考に決めておりました。ネットからの情報もありませんでしたので、専門誌の先生方を信じるしかなかった訳ですが、評論家の先生方の評価が分かれたり、異常に高価で高評価の機器があったり(その割には実機は・・・・な場合も)最初は偉い先生なのだから間違いないであろうと考えていたのが徐々に懐疑的になったりしました。(菅野先生の場合明らかにM社の製品の評価が高く、なぜか判りませんでしたが、M社のマーケッティングやビジネスに深く関与されていたことを後に知りました。これは明らかな利益相反であり、あのすばらしい批評とセンスや見識、業界でも大きな権威をお持ちでしたので、少なからず落胆した記憶があります。)

 評論は、中立的な立場からの評価というものが基本であり、そこに嗜好品としての好みも加わりますのでバランスを取る難しさ、危うさも時として生じるかと思います。主観、耳も大切ですが、時には客観性のある評価、計測機器のデータの開示も必要です。そうした意味では長岡先生は一貫していたように思われます。

 現在ハイエンド機器と一般オーディオ機器との間には大きな価格のギャップがあり、特にハイエンドのオーディオ雑誌の記事はまったく縁のない世界に行ってしまいましたが、未だに管球式アンプやダイナミック型の小型スピーカーユニットが生き残っているところを見ると、我々のやっている音も今でもそんなに悪くないのかもしれない などと勝手に思ったりもしているのであります(負け犬の遠吠え的な?汗・・・)

サナース 太陽光温水器 太陽熱温水器 長期レポート 8年目

我が家に導入したサナース 太陽光温水器 太陽熱温水器? 8年経ちました。
今も無事温水をせっせと作り出しています。
本当に優秀な機器で、ランニングコストはかからず、ガス代は大いに節約されます
夏場の晴天が続く日々はほとんどガスの追い炊きは必要ありません。
月々のガス代が調理用のガス+α(曇天時はガスです)で収まるので
経済的ですし、地球温暖化のCO2削減に役立っていると思います。

ここのところ太陽光発電に関しては暗い話題が多いですが、もともとそういう懸念はあった話です(無視されて制度化されて今の状態に陥ってます)

このブログをお読み戴くとわかりますが、太陽熱温水器は本当にエコ商品です。特に真空管式は抜群です。冬でも晴天なら暖かい風呂に入れるのですから

実は8年間の間に我が家の太陽熱温水器には厳しい試練が2つほど訪れました。
一つは寒冷な冬に東京に大雪が降り、水道管が凍り付いて破裂して大水を出してしまいました。これは参りました。いろいろと助けて戴いて漏水を止めてなんとかなりましたが・・・(配管の寒冷対策が東京でも重要だと痛感しました)

もう一つは、なんと我が家の真南に大きな(9階建て)のマンションが建ち、日影がかかるようになってしまいました。都心の住居地には高度制限や日陰制限の緩い土地が結構あり、我が家は規制緩和でまさにマンションデベロッパーの標的となった空地の真裏だったという不幸により、昼は真っ暗の家になってしまいました。
太陽熱温水器も、建築前の日影図から絶望的な状況になるかと思われました。

ところがかろうじて残された西側からの日差しと、夏場は太陽の光線が上から注ぐことにより、冬は厳しくなりましたが、夏は毎日風呂に入れますし、秋や春も晴天ならなんとか、冬は追い炊きでなんとか というギリギリセーフな温水が得られるところでなんとかなりました(我が家は3階建て陸屋根で北側ぎりぎりに設置しているので日影の影響が少なめであったこと、何よりもサナースの真空管式は一度暖まると温水が冷めないため、わずかな日照で得た温度を日影のかかる時間帯にもキープしてくれるという特徴に助けられて
この不幸な環境にも耐えることが出来ています。

というわけで、拙ブログにお越し頂き(たぶんほとんどいらっしゃらないでしょうが)ましたら、真空管式温水器でささやかなCO2削減、地球環境保全に取り組んでいる、小市民、路傍の石が都内にもおりますことを(涙目)お伝えします。

(太陽光発電は太陽熱温水器とは違い、いろいろと難しいですね。発電の不安定性、蓄電のコスト、売電の不自然なビジネスモデルから、成り立ちが厳しいものだなと今も思っています 中国製の安価なパネルが出回り設備投資価格が下がっても、問題となっている補助金なしでは原価割れするという悲しさ 一方で太陽熱温水器はざっくり2〜3年ぐらいで投資分がガス代の減少で自然に回収できている感じです・・たぶん )
シールは端が一部剥げましたがタンクの機能には問題なく、水漏れもありません。塗装の錆びもなく、立派です。

特徴である真空管式集熱管も当初の機能を今も保っています。



唯一温度センサが不具合(温度が大幅にずれる)をおこしていますので今度センサ部品の交換を行う予定です。

蓄熱・保温機能は8年経過しても当初のままで、本当に優秀な機器であると改めて感心しています。