2024年1月20日土曜日

今から思うと 熱かったオーディオという趣味 昭和から平成の頃

 アナログレコードの再ブームだそうで、プレスされた新品のレコードが買えるのは、サブスク時代の反動なのでしょうか、効率やコストを考えたら理解できないことも趣味の世界ならでは。

今日、ふらっとレコード屋さんに立ち寄って中古レコードだけでなく新品のレコードを探すことができるのは幸せです。

昭和の時代、アナログレコードを買う、借りる(レンタルレコード屋の時代)それを家に持ち帰ってレコードプレーヤーの針を下してワクワクしながら再生していた頃が懐かしい。

昭和は据え置き型のオーディオの装置(フルコンポ)を揃えるのは立派な趣味でした。そのブームはCDへの移行とともに徐々に減衰して、ポータブル型のウオークマン、iPOD に主軸が移行、据え置きスピーカーではなく、主にヘッドホンやPC用・Bluetoothのミニスピーカーで聞くようになって 一気に縮小しました・・・・ 

昭和の時代日本の電器メーカーは力を入れて数多くの製品開発しました。その名残の大きな機器がハードオフやリサイクルショップで発見されたりします(時々掘り出し物あり)。

あの頃(昭和の後半ですが)オーディオマニアが異常にケーブルや電源に熱中していて、雑誌もそれを特集して比較視聴記事などを書いていました。あれは日本発らしく海外にも波及したそうです。(文献的には江川先生が最初との噂もあります)

その後、エスカレートして超高級ケーブル(海外製)が登場したり、一方、国内電気メーカーがオーディオ部門を撤退したり、縮小して超高級品へシフトしたりしました。海外の輸入に頼るようになり、オーディオマニアはだんだんとニッチで怪しい世界に移行していったような気がします。 リッチな階層の皆様は高級品を揃えることができますが、一般人の趣味とはずいぶんとかけ離れてしまいました。


ところで、ケーブルや電源の調整をすると確かに音は変わるのでナカナカ面白く、機器の調整の最後に行うと良い感じに仕上がったりして得した気分になりますが、バランスの良い機器、部屋との相性に問題がなければ、ケーブル電源による変化は極わずかで、取るに足らない程度のものであったりすると思うのですが・・・・当時は(商売もあったのでしょう)過度に誇張した記事も多くて、多くの読者を魔境に導いたのではないかと思われます。

ケーブルに投資するより、良いスピーカー(決して高級ではない)に乗り換える方がよっぽど良い結果が得られました。特に音楽のジャンルに合わせていい感じのスピーカーを見つけてそれを軸に相性の良いアンプを繋げばその組み合わせの試行錯誤だけで悦楽の趣味になりました。それに気づくのにずいぶん遠回りしてしまいましたが。

良いスピーカー(誰でも買える、作れる)の原点を辿ると、国産では三菱の16㎝(P610)をバスレフ指定箱に入れる辺りでしょうか。1発でも小音量再生ならとても良い音がしました。さらに箱鳴りを抑えるとかなり良い音になりました。

海外ではAltecの405(13㎝) JBLのK110(25㎝)のようなフルレンジを指定サイズのバスレフ箱に入れて、そのままでも十分楽しめますが(特にジャズやボーカル)、高域の指向性が狭いので音楽によって高域が不足したら適当な能率のツイーター(コーン型で良い)を足して また低音が不足したらセッティングを変えて、それでも不足ならイコライザーかトーンコントロールで少し膨らませれば、結果そんなにケーブルやら電源やらで悩まずとも、安心して音楽が聴けました。

より趣味性を高め、音量を上げたいなら15インチのAltec604E(切れ切れ)または605(万能)TrueSonicの206AX(万能)いずれも同軸ユニット あたりを オリジナルと同じ容積のバスレフ箱に入れて箱鳴りを調節(米松などの箱を適度に鳴らすと極上)すれば 空間を支配する音世界になりました。いずれもフルレンジのユニットで、ボーカルを聴くとはっきりと違いがわかるのですが、音声帯域の再生がきちんとしていて切れ目なくスムースに変換されるので、何を聴いても破綻しないのです。


そういう地味だが重要な話は割と平成や令和になってから自作者向けの雑誌や真空管アンプの雑誌にはっきり書かれるようになりましたが、昭和のころはあまり書かれていなかったような気がします。ごく一部のマニアの間でしか共有されていなかったのはまことに残念な感じはします。(今から思うと・・・偉い先生と熱いマニアが熱狂していたので実体としては訳のわからないような状況だったのかもしれません。)


自作スピーカーも今は小口径(10cmぐらい?)主流の時代らしく、15インチを使っている人は激減していると思いますが(涙目)15インチのいいところは小音量再生でも痩せないのと、チェロ、コントラバスの等身大再生が可能な点から、今後もアナログレコードのように完全に駆逐されることはないと思われます。(SR用として15インチユニットは今も活躍していますし)(大口径は鈍いと思われている節がありますが、銘器は強力な磁気回路とそれに比較すると軽量な振動版なので決して鈍い訳ではなく、どちらかというと駆動アンプの小出力時の特性に敏感なところがもろに出て悪印象に繋がっているようです。)




2023年12月3日日曜日

カメラとオーディオの趣味 それもクラッシックな

 久しぶりにカメラネタ等

カメラ趣味に関して最近の動向はフィルムの高騰があります ネガもポジも35㎜も120も

もちろん4x5もフィルムは猛烈な値段になり、インフレと円安の影響もあって

恐ろしいことになっている ポジフィルム35㎜1本4ー5千円では高すぎて写真は撮れません。(涙目)


とはいえ昭和のころの家族旅行のマイカメラのフィルム消費は20枚撮りを年間1本で

正月記念写真 お盆に里帰り 家族旅行(紅葉狩り) その他記念日 で紙焼きを

アルバムに貼って という感じで 節約してましたからあの頃の値段の感覚に近くなった

戻った感じなのかもしれません(涙目) そのぐらい貴重な フィルム写真になってしまいました。

一応ストックしているフィルムはあるのですが、経年劣化が進んでいると思いますし結局撮るのはデジタルばかりになっています。大判カメラはいつ活躍するのか??

若い人のフィルム人気はどうなるのか心配です。アナログレコードのようにフィルム写真も復活すると良いですね。 ネガフィルム36枚撮り一本がビックマックセットと同じ値段ぐらいなら若い人も含めて趣味として残るのでは・・・・ 

現状としてはチェキ一択しかない状況です フィルム生産の再整備 供給安定化で値段も常識的な価格に戻ることを祈るしかありません。 真剣にCMOSセンサをクラシックカメラのフィルムプレートに張り付けて取る例のスタートアップの製品に期待してしまうぐらいフィルムカメラの行き場がなくなっています。


真空管アンプはギターアンプ等のニーズがあるので生産がなくなることはないようでビンテージ管の高騰を除けば趣味として残りそうな感じなのは良いことです。需給もバランスしている感じです。

オーディオに関してはあまりにも簡単に聴けるサブスクの反動でCDやアナログレコードが見直されているのは良いことですね。テープもエモいらしく、オープンリールも高値で取引されているようです。一時期は粗大ごみ扱いでしたが。

我が家の真空管アンプも徐々に再整備を進めています。聞き直すとやはり良い音がします。

三極管シングル トランスやらパーツにそれなりのコストをかけたものは抜群に良い音がすることを再認識しました。

もちろん最新のデジタルアンプもスカッと抜けるようなハイスピードで良いですが(特に夏場などはありがたい)真空管の良いアンプはノスタルジーだけでなく、ノリというか何か来る感じがします。躍動感が違います。

スピーカーとの相性がはっきりしているのも面白いところです。ユニットの個性との相性もそうですが、箱の設計、バックロードホーンと音響迷路とバスレフと密閉と の相性もかなり効いてくるのがトランジスタアンプやデジタルアンプとは違います。

今はまっているのは、小口径フルレンジの箱の違いによる音像、音場の変化です。

VT52シングルのアンプでドライブするAltec205(204?)の音を比較するとバスレフ(スリット式)が密閉より圧倒的に良く、さらにバックロードホーンはバスレフを上回る素晴らしい鳴り方をします 抜けが良い スカッとした鳴り方 しかも ホーンロードがコーンを空気でダンプするのでなかなか制動の聞いたタイトな音がして 音像も 音場もいい感じになります。

この辺の良さが一世を風靡した長岡式バックロードの強みだったのですね(当時のFEシグマのユニットは正直紙臭く、低音のボリュームもかなり不足していて長時間聞いていられませんでしたが・・・ その後ユニットの改良が進んだと聞いてますが。この歳になるととにかく音楽の再生が最優先事項なので、情報量を増やすためハイ上がり気味の過敏なユニットを選択するのではなく、ボーカル抜群な中域重視のおっとりした性格で、密閉箱でも低音がそれなりに出せるが低域は基本だら下がりな、アルティックの小口径ユニット405や205を使うことで音楽再生へのバランスを重視しています)

バックロードホーンは箱がでかくなるのと見た目が異様なので家族からは冷たい目を向けられます。箱を小さく纏められないかずっと思案しています。スワンのような音響迷路という手もあるのですが直角に曲げた音道が長く続くと、癖が強くなり全体につまらない音になるので、バックロードホーンの長い音道をどのように効率よくコンパクトに纏められるのか試行錯誤してきました 最近ようやく方向性が見えて来ました 15年ぐらいかかりました(爆)



2023年8月15日火曜日

シグマのSAマウント 密かな愉しみ

 シグマのSAマウント 密かな愉しみがあります。 すでにディスコンとなってしまった一眼レフ機のマウントで、しかもメジャーなものではなく、シグマ社のみで使われたマウント規格。

噂によれば、AFのプロトコルはキャノンEFに似ており、マウントの機械的な仕様はペンタックスKマウントと同じだが フランジバックは微妙に異なるなど 謎の独自仕様であるが・・・

なにしろ2023年の現時点でもフォビオンのフラッグシップ(??)である、シグマクワトロHの採用しているマウントでありますから、それに接続できるレンズは当然シグマのレンズが良いわけでして、今ならまだ程度の良い個体がSAマウントで入手できたりします。

またシグマ社の愛情により、SAマウントレンズはLマウントやSonyEFマウントに接続できる純正アダプターが用意されておりますので、メイン機がSonyであっても、あるいはLマウント機であっても、活用できるというありがたいご配慮であります。

正直に申しますと、今頃はフルサイズかつ純正3層垂直分離型のメリル方式のフォビオン機がLマウントか何かでフラッグシップ機となり、フォビオン物件の撮影に大活躍しているような夢を見ておりました・・・しかし販売が遅れるのではと、恐る恐るですが、ある種の保険として導入したクワトロHでありました(過去ブログ参照)・・・はたして、その不安が的中している状況がいまだに続いております。(涙目)


いずれにせよ最新の(最後の)シグマSAマウントレンズはSDやLDレンズを多用した贅沢三昧な構成となっており、よほど特殊な写真(清?)癖でなければ文句のつけようのない素晴らしい映像を捉えることが可能です。(ちょっと重いけど)

SAマウントの最後に登場しているレンズはどれも外れがありませんが、特におすすめは18~35㎜ F1.8通しのズームです。APS(C 小さい方)用なので、APS(L ?大きい方)のクワトロHではわずかに四隅が暗くなったり、欠けることもありますが、わずかなトリミングで使えますし、中央付近の解像度やボケ感や抜けの良さは格別で、シネマ用高級レンズ(スーパー35規格)をレンズ構成はそのままにAF一眼用として供給しているという、知る人ぞ知る銘レンズなのであります。(このレンズはそんなに重くないので持ち出すのも苦になりません)

2020年3月28日土曜日

Sigma SD quattro H 写真趣味の曲がり角を楽しむ傑作機 4  理由はシャープネス

Sigma SD quattro Hは、写真機趣味の曲がり角の今、スマホでは決して味わえない世界を楽しめる傑作機である

その身勝手な理由はズバリ シャープネス番長 だから・・・

SDQHを使って本当に驚くのは、絵の立体感 ぴりっとエッジの立った仕上がりだ。

クワトロの登場時、先代のメリルと比較して当初評判は芳しくなかったが、その後の画像処理の進化により本来の特性がストレートに出力されるようになった。

昔からフォビオンは、ライバルであるローパスフィルタ付きのベイヤー機と比較し、エッジの立ったシャープな絵が特徴であった。昨今ベイヤー機はローパスレスとなり、シャープネスは著しく向上している。それでも未だにフォビオンは立体感 シャープさにおいて、ベイヤー機とひと味違う明らかな優位性を保っている。

フォビオンの絵を大きく拡大すると、エッジにシャープネスがしっかりかけられていることがわかる。このシャープネスが強い割には見た目が自然であるところがフォビオンの大きな特徴である。

ベイヤー機の場合、フォビオンと同程度の強いシャープネスをかけると、どことなく不自然な汚い感じの絵になってしまうことが良くある。その場合、拡大して見ると、エッジ部分の明暗の縁取りが、幅広くなり、不規則に広がっていることに気がつく。

一方、フォビオンはシャープネスが幅狭くエッジ部に限定してかかっており、まるで髪の毛のような均一の縁取りなので、立体感の高さと自然さが両立している。

この違いは僅かな差で、圧縮された絵や、ぼんやりした映像では差はわかりにくいのであるが、それなりの大きさに絵を拡大表示する場合には、はっきりとした差が出て、作品全体への大きな印象の差となる。

ずいぶん昔、フォビオンに近い絵を撮影していたことを思い出した。デジタルカメラ黎明期に、モノクロ専用デジタルカメラで撮影した映像である。昔はCCDの画素数が限られていたため、解像度の要求されるカラー撮影は苦労した。ベイヤー方式のカラーCCDで撮影した映像は画素数が減ってしまうため、満足な結果が得られず、カラー撮影の際にあえて白黒(グレースケール)のCCDを用い、RGB各色のフィルタをレンズに取り付けて3枚の画像を撮影し、それを一枚のカラー映像に合成する、スリーショットをしていた。
 この頃の、全画素RGBの映像にコントラスト強調をかけた画像がフォビオンの絵と良く似ているのである。

 一方、同ー画素数のベイヤー方式のカラーCCDで撮影した映像の場合、強いシャープネスをかけると、偽色が増え、エッジが不自然となって絵が崩れ、往生することがあった。 ベイヤー方式と組み合わせるローパスフィルタは、モアレ除去のためだけではなく、光線を適度な範囲に拡散させることによって、偽色やエッジの不自然さを出にくくする手段でもある。

 ベイヤー方式はモザイク状に欠けた各色の情報を画像補完のアルゴリズムで埋める作業を行っている(もともと情報の存在しないピクセルを周囲の画像からの演算で無理矢理埋める=人工的に作っている)であるため、そこさらにシャープネスという別の空間フィルタをかけた際に 補完によるエラーが強調されてしまい、予期せぬ結果が出やすいのではないか。

これに対し、フォビオンは垂直分離方式なので、欠損画素を補完する演算が不要であり、3ショット方式と同様に各画素に各RGBの正確な情報を得ることができる。この正しい画像情報に対してコントラスト強調のフィルタ処理を行うため、自然でありながらピリッとシャープな絵をストレートに出力可能と考えられる。

すなわちフォビオンは往年のモノクロカメラRGB3枚合成(スリーショット)と同様の画像をワンショットで撮影できる、唯一無二のカメラと言えるかもしれない。

フォビオンは垂直分離方式という、カラー画像素子の本質的な課題に対する、もっともシンプルかつストレートな解決策によって、自然でシャープな絵の出力が可能という特徴を発揮する。
 こうしたフォビオンの持つ魅力を、ナチュラルな色合いと十分な解像度で楽しめるのがSDQHの特徴であり、フルサイズフォビオンの販売延期となった今、今後暫くの間、大変貴重なツールと言えるのではないだろうか。







2020年3月13日金曜日

Sigma SD quattro H は 写真趣味(カメラ)の曲がり角を楽しむ傑作機 3 その身勝手な理由

Sigma SD quattro H SDQHはミラーレスでありながらSAマウントの長いフランジバッグを有しております。
シグマレンズしか使えないとか、高感度ではボロボロになるなど 写真(機)趣味用機材として若干不遇な?立ち位置ではありますが、工夫と納得で美味しく楽しめる、隠れた名機です。

 他のミラーレス機のように、ライカ等のオールドレンズ遊びができない点に関しては残念ではありますが、フルサイズミラーレス機のα7シリーズが容易に手に入り、2台持ち当たり前の時代ですからさほど問題なさそうです。
 そもそもフォビオンはテレセントリックなレンズでないと強烈な色被り(緑色や紫のフィルタ 偽色が画面の周辺に強烈に出る)を起こす特性があるため、ショートフランジバックのオールドレンズとの相性は良くありません。その結果フランジバックの長い一眼用のオールドレンズで遊ぶことになります。

 SAマウント用のプラクチカ スクリューマウント用の中華製レンズアダプタが1~2千円で入手できるので、結果としてSAマウントボディーでもオールドレンズ遊びはそこそこ楽しめるという話になります。


 また、SAマウントは機械的にペンタックスのKマウントと互換(?)の設計なので選択肢は豊富です。Kマウントレンズを使う場合は基本的に(簡単な)改造が必要です。 細かい話になりますが ペンタックスのKマウントレンズの絞り連動ピンを曲げるかカットして 連動ピンのガードを外す改造が必要です (慣れれば3分程度の作業です)
それだけでシグマのボディーに取り付きます。
 フランジバックはSAマウントの方が少し短いので距離の指標・無限遠の位置は合いませんが、大抵のレンズはピントが来ます。

ペンタックスのレンズ群は昔からコーティングが良いので、抜けが良く、フォビオンとの相性は割と良いです。

 最近若干立ち位置が微妙になってきた ペンタックスのレンズを 純正以外のボディーで楽しむ候補として SDQHは結構アリ な選択肢です。

 オールドレンズの絞りを開けてふわり と撮るには味わい深い タクマーを
 やや大柄なSDQHを散歩カメラとして使うには 小型軽量で抜けの良いSMCコートのmレンズを使い分けできます。シグマSAマウントの良いレンズは描写は抜群でも大きく重いですから徐々に稼働率が下がりますのでその対策にはもってこいです。
 どちらのオールドレンズもフルサイズのミラーレスで使うと周辺部は流れ不満もありますがSDQHはAPS-Hサイズなので良い感じに周辺はトリミングされますので、中央部の美味しいところだけ使う形になります。F5.6以上に絞ったときの先鋭度は画面全域で高く、仕上がりに不満を感じることはほとんどありません。

(シグマSAマウントレンズはペンタックスのボディーには取り付きません。微妙にレンズ側マウントのガイド径を変えていて(少し大きくなっている)入らない構造にしているようです。涙目)


 SAマウントのフランジバックはキャノンEFマウントと同じで、しかも電子制御プロトコルも類似なため、海外ユーザーの強者はキャノンEFレンズマウントに改造したSDQHでレンズのラインナップを増やし、フォビオンを楽しんでいるようです。気合を入れて改造すれば 絞り・AFは連動するらしいです(手振れ防止はNGらしいですが)。


2020年3月12日木曜日

sigma SD quattro H は 写真趣味(カメラ)の曲がり角を楽しむ傑作機 2 その身勝手な理由

sigma SD quattro H SDQHは、スマートフォンに追い込まれてきた写真(機)趣味の曲がり角を楽しむ通向きのツールである。

フルサイズフォビオンのリリース時期の延期の話が出ていますが、素子の基本設計は完了しており生産過程の技術的な障害との説明がなされています。 半導体製造はトップダウン式の開発で設計初期段階の誤りや製造過程の僅かな手違いで致命的な結果となる場合も少なくなく、慎重に計画的に進める必要のある、大きなプロジェクトです。

シグマのような、レンズ専業メーカーが独自の撮像素子を生産するというのは並大抵のことではなく、シグマのフォビオンにかける決意が読み取れます。実際に SDQHを使ってみると 素性の良さ 欠点もあるけれども それを上回る強力な魅力がある ということは実感でき、色再現性の良さとともに 作品作りにその個性を発揮してくれます。

フルサイズのフォビオン機は順調にいって2021年、遅れると2022だそうですが、このようなコメントが出ると言うことは、22ぐらいに出るという理解かと勝手に解釈。

スペックは既に明らかになっていて
3層構造1:1:1 のFoveon X3のメリル式
5,520✕3,680✕3層=60,940,800画素(6,094万画素)
実イメージサイズは20,313,600画素(2,031万画素)でフルサイズ

SDQHは
有効画素:約38.6MP
T:6,200×4,152 / M:3,100×2,076 / B:3,100×2,076
総画素:約44.7MP
M B層はTの輝度情報を元に算出しているようです

この2つの素子のスペックにフォビオン設計の苦労が読み取れます。

メリル方式に純粋に3層同じ画素数で設計すると、トップ層から奥に位置するミドルやボトム層は光量が不足し採光面積を増やして対処する必要があります。フルサイズに拡張しても画素数を大幅に増やすことは難しく、20.3MP程度が妥当ということなのでしょうか。

クワトロ式では光量豊富なトップ層で輝度情報・解像度を稼ぎ 色情報はM B層で解像度を1/4に落として取得することで感度不足に対処したのでしょう。

当初クワトロ式はノイズ感が半端無く、また補完による解像度に不満の声が上がり
、特にメリルの純粋な3色 色情報豊富かつ解像度の高い絵に慣れたフォビオンのベテランユーザーから酷評されてしまいました。

しかしクワトロ式はその後のアルゴリズム改良等でフィルムに近い粒状感まで改善されていますし、我々の眼は輝度情報には敏感でも色情報には割と鈍感であるという特性から、(虫眼鏡ツールで強拡大してピクセル解像度を確認しないと気が済まない潔癖な方でなければ)見た目シャープにきりっと解像しているように見えるという、割と賢い設計をしているというメリットに気がつきます。

 次のフォビオンはメリル方式+フルサイズという純潔の理想のスペックですが、撮像素子の大型化による生産時の歩留まりの悪化等によるコストアップは若干心配になりますし、そもそもフォビオンセンサはテレセントリック性をシビアに求める特性(平行光線入射でないと色かぶりなどを起こす)がありますから、フルサイズ化はレンズを含めた最適化も結構大変で、レンズを選ぶセンサになる気もします。

 既に裏面照射式CMOSが60MPの時代に入り、低画素機も24MPで抜群のDレンジと色再現性を叩きだしていることを考えると、これから2年後に20MPでどこまでユーザーに訴求できるのか少々不安な気も致します。

一方、SAマウントは終了してしまうものの、SDQHはAPS Hサイズでトップ層25.7Mの純解像度をもっていますし、補完を使ったS-HI 8,768×5,840のJPEGでもフォビオンの良さを充分に発揮する(等倍拡大しなければ)ので、SAマウントで気に入ったレンズがあれば、末永くその魅力的な絵を楽しむことができる隠れた名機なのです。


2020年3月8日日曜日

sigma SD quattro H は 中判デジタルバックのマイクロ版である SDQH 写真趣味(カメラ)の曲がり角を楽しむ傑作機

sigma SD quattro H
という4年ぐらい前に出たカメラがあります

フォビオンはなんとなく気になっていて
フルサイズのフォビオンが出るとか出ないとか(延期になったらしい)出たら欲しいと思っていたのですが、よくよく調べると現行のSD quattro Hは充分に良いという噂なので
値段も下がってきているし思い切って購入してみました。

大正解でした。
普段はソニーのα7RIIを使っているのですが
光量の豊富な条件ではSD quattro Hが大活躍しています。

とても個性的で魅力あるカメラです。総合的な表現力で、ソニーのフルサイズ機を上回っているように感じられます。

SD quattroは賛否両論、いろいろと批判の多い機種ですが
登場時の不具合はほとんど解消されていて
最新のファームウエアであれば特に問題なく撮影ができます。(動体撮影は無理ですが)

SD quattro Hはおそらくスタジオ(物撮り)や風景撮影などの中判デジタルバックを念頭に開発されたのではないか と思われます。(テザー撮影用のソフトもありますし。)

ここのところ、フルサイズ機の進化、ローパスレス、裏面照射CMOS ローノイズ化技術 デジタル信号処理の進歩めざましく、フォビオンも中判デジタル同様に画質の優位性は後退しています。単純な解像度比較などのスペック云々は登場時の4年前と比べてSD quattro Hに明らかな優位性があるわけではありません。 

中判デジタルはその独特の表現力の高さから現在も作品用として使用されるプロやハイアマチュアがおられますが、SD quattro Hのフォビオンもそれに近い何か独特な表現力、撮像素子自体の持つ、割と素直な個性があるのです。

センサは小さく、低感度ながら、中判デジタルバックの大型素子に相当する表現力と素性の良さを持っているようです。

喩えは難しいのですが、通常のミラーレスではなく、中判デジタル相当の能力を コンパクトなAPS素子に纏めた「物撮り機」と考えれば、いろいろと納得がいきます。



EVFなどの取り回しはデジタル黎明期のデジカメぐらいのおっとりしたレスポンスですが、動体でなければそれほど困ることはありません。
AFもほどほどの動作で、精度はしっかりしているようです。(最新ファーム)

レンズに関してはマウントアダプタを介してスクリューマウントのオールドレンズが使える外、ペンタックスのK、M、Aレンズの絞り連動ピンを外したものが使えます。

 ペンタックスの隠れ銘レンズ、例えばマクロ50mmF2.8  M35mm F2など軽量で描写力もあり、コンパクトなミラーレスカメラとして充分楽しめます。(特にM35mm F2はお勧め。 43~45mm相当の画角になります)

シグマ純正レンズに関しては、18−35mmF1.8がベストマッチです。APSーC用のレンズですが、このズームレンズは全てのエレメントが大きく、イメージサークルが広いのでAPS-Hで使えます(18mmのエッジにトリミングが必要な時もあるがほとんどそのまま使える)
35mm換算で24-45mm1.8という、まさに常用域をカバーするレンズとして使えます。

18−35mmF1.8は光学性能が非常に高く、海外ではプロの映像作家がこぞって使用しているという銘レンズです。(主に動画 縮小光学系との併用でblack magicやGH4 5で)

この高性能レンズとSD quattro Hの組み合わせは強烈で、通常のフルサイズ機と違う何かがある感じ

仕上がりは 往年のデジタル中判・大判フィルムカメラに近いものです。

中判・大判システムをスタッフ数名で運用していた時代を考えると、手ぶれにさえ注意すれば一人で歩き回って自由に撮影できますから、隔世の感があります。

中判、大判との差は、フォビオンセンサの特性により、シャドー領域に余裕がないため 暗部の仕上がりを考えて露出補正をきめ細かく行うこと がポイントになりそうです。

三脚が使える状況では、SFDモードで押さえの一枚も撮っておいた方が良いようです。

SDQはデビュー当初、フォビオンの内部処理の未完成によると思われる、増感したフィルムのような、ざらざらした粒状感が気になりましたが、その後の熟成により、まるで微粒子フィルムを使ったフィルム作品のような、視覚的に好ましい粒状感、エッジコントラスト、トーンに仕上がっています。

フォビオンは無機質なもの いわゆる「フォビオン物件」(笑)に向いているとされていますが、立ち上がってくるような立体感のある仕上がりに、改良で表現力・自然さが増している分、無機質なもの以外の、さまざまな被写体に応用できそうです。

以前、メリルの導入を考えた時、色の不安定さ、特に緑かぶり傾向が顕著で、暗部の余裕がなく断念しましたが、最新ファームのSD quattro Hにはそのようなことはなく、自然な色表現となっています。それに加えて(以前と比べてマイルドになったと言われるものの)独特の表現力は今も健在のようです。

ありがたいことに、フォビオンはかってのようなRAW現像必須な製品ではなく、ISO100の設定であればjpegをそのまま使えます。
(SPPの動作は 割とまったりしておりますので・・・ せっかちな私はできれば使用を避けたい 汗)

SD quattro Hはフィルムライクなフォビオンの表現力を気楽に楽しめる、隠れた名機であることを確信しました。

特にモノクロ撮影では唸るような仕上がりが得られます。

SD quattro Hが海外で好評な理由がよく分かりました。