2024年6月9日日曜日

カメラレンズ光学好きから見た天体望遠鏡趣味 2

 カメラレンズ光学系マニアから見た天体望遠鏡という歪んだ内容です(すみません)

ワタクシの究極の押し望遠鏡がありまして・・・

タカハシのMT200です。

実はこの主鏡だけ、有名な天体マニアの方から譲り受けることができまして(幸運)

多くのフォトコンテストに入賞した鏡らしいのですが、これを手製の筒に入れてGPやGPDに載せられる超軽量なドブのような筒に仕上げたものを所有しております。中央遮光を小さくすべくギリギリまで接眼レンズを寄せた設計なので眼視専用に近いのですが、このMT200モドキの20cmニュートン反射で観察する天体は見事としか言いようがありません。

視野の真ん中は無収差なので、光軸をきちんと合わせれば、惑星の高倍率観察で本当に奇麗な像を結びます。土星も木星も結局シーイングに左右されるものですが、いろいろと試した望遠鏡の中で、一番きれいな像が高確率で得られたのはMT200主鏡の自作望遠鏡だったような気がします(記憶がたしかならばですが・・・)

タカハシのオリジナルのMT200は多用途かつ撮影を前提に設計されていますのでかなり大きく重く斜鏡も大き目なので、扱いは難しく、もともとJP赤道儀(NJP)に搭載されていた重量級の鏡筒ですので、今日では敬遠されるのか割とお安く取引されていたりします。

しかしかっての天ガの鑑定団でもMT200はほとんどお宝判定だったとの噂で、MT200主鏡は本当に良くできている感じです。ニュートン式はたった一枚の放物面主鏡で光学的に完結しているという、ある種究極の望遠鏡で、MT200はタカハシのかっての主力製品(フラッグシップ)でしたから(F6の設計もバランス良く適切)当然の結果なのかもしれません。

なので、もしMT200を見かけたら、そして投げ売りされていたら是非入手していただき、そのまま整備して生かすか、あるいは主鏡を救い出して、より軽量な鏡筒(ボイド管だと可哀そうなのでカーボン製の筒や、トラス式?)に入れるとか、あるいは中華製の反射鏡筒と主鏡を入れ替えるとか、いろいろ手はあると思いますので、是非日本の素晴らしい手工業の製品を愛用していただきたいと思ったりします。(おそらく手磨きなので鏡面が平滑かつ精度も高いのですね)

光軸調整やらセッティングやらで大型ニュートンは何かと大変ですが、眼視なら特に問題なく、撮影ではコマコレクターで周辺のコマ収差だけ補正すれば良いのですから、ニュートン式望遠鏡は凄いですね。

カメラレンズ光学好きから見た天体望遠鏡趣味

 子供のころから天体望遠鏡は憧れの品でした。

どうしても欲しくてでも高額で買ってはもらえず、近所の友人が誕生日プレゼントでもらって飽きてしまって捨てると言っていたものを譲ってもらい、月を眺めたのが最初の天体観測経験だったような(小学2年生?)実家の清掃でその望遠鏡が出てきて、鏡筒はプラスチック、レンズは虫眼鏡のような単レンズ(色消しの合わせレンズではない)口径は5cm程度だが絞りが入っていて3cmになっていた(多分収差がひどくて見えないのでメーカーが絞ったのでしょう)月が辛うじて拡大して濃淡が目より見えるだけで、他の惑星は粒(光点)のようにしか見えず・・・_| ̄|○した経験があります。

でも望遠鏡で空を覗くワクワク感と高揚感は凄いものがありました。


それから 小さかった子供が惑星(月や土星)に興味を持って、宇宙少年団というボーイスカウトの宇宙版のような会があってそれに入ったので、同伴の親も星を見るキャンプに参加して公共望遠鏡から星を見る機会があり、田舎の真っ暗な空の星を高級な望遠鏡で除くと凄い光景を自分の目で見ることができること、最近のCMOSやひと世代前のCCDを使って長時間露光するとびっくり仰天するような天体写真を撮影可能であることに驚かされました。


しかし子育てと介護と仕事があるとなかなか余裕はなくて天文雑誌やウエブの天文系のエキスパートのHPを見て凄いなあと感心しているのが関の山でありました。とにかく時間と労力となにより資金がモノをいう恐ろしい趣味でとてもじゃないですが門外漢が関われるようなシロモノではありません。


とはいえ、光学的には贅を尽くした機器であり、日本はその高級嗜好品の分野ではタカハシとビクセンという2大有名ブランドを抱えている天体望遠鏡大好きな国でして、海外で暮らしていた時に天文ショップを訪問すると(冷やかしですが)タカハシの屈折望遠鏡は神のような高評価で、日本のメーカー凄いよねと店員さんやお客さんが絶賛していたのを聞いたりしていました。(そのころタカハシで星を観た経験がなかったので そうですよねとヘラヘラ笑ってごまかしました 汗)


群馬県の低山にある公共天文台でタカハシのFS(フローライト)やTOA(ED3枚)の大口径が置いてあって(12㎝~13㎝クラス)それで見た星の輝きや抜け感は凄くて宝石のようだと付き添いの親御さん(お母さん達)も感動していましたが、にじみの一切ない、針で突いた点のような星が視野一杯に広がってキラキラしているのは何とも言えない光景でありました。これがタカハシと唸ったものです。とはいえ小口径のED(2枚レンズ)でも十分に奇麗なことがわかり、懐に優しいビクセンの8㎝ED屈折望遠鏡を愛用しておりました。ED80 だったかな

タカハシはほしくてもとても買えるようなシロモノではありませんでしたのでヤフオクなどを見ていましたが、買い替えだけでなく、最近は遺品整理や終活物品で出てくるものがありいいなあと見ているのですがやはり良いものは良いお値段が付いておりまして、値段が安いものはレンズが曇っていたりカビが生えて再生が難しいジャンク品であったりしてタカハシさんとは縁がありませんでした。(いつかはタカハシ)

ところで屈折望遠鏡以外にもいろいろな選択肢があることに気が付きましてジャンク品を買って修理したり、出物をゲットしてチューニングしたりしていろいろな望遠鏡を見てきたのでその辺のことをポチポチ書いてみようかと思います(汗)興味深いことに望遠鏡はタカハシだけではなくていろいろな選択肢があり、予算だけでなく(これ大きい)、使う環境(場所)眼視用、写真用 天候(シーイング)光害(街灯の影響)で良い望遠鏡が変わってくるというナカナカ奥深い機材であることがわかりました。

結論から申しますと、

1.ED3枚屈折望遠鏡(分離型エアースペース 各国が生産)と

2.RASA(シュミットカメラの現代版 セレストロン)と

3.シュミカセのACF(シュミットカセグレンの改良版でディスコン かってMeade社が生産していた)が良い感じでした。

それぞれ 

1.眼視も撮影もOK オールラウンド (コントラスト 抜け最高 シーイングの影響受けにくい)

2.撮影専用 だが 電子観望にも良い (暗いところで真価を発揮するが、意外に光害地でも活躍 ナローバンドフィルターとか) 

3.眼視用(ACF+XLTコートは抜けが良く 大口径低倍率で感動)(撮影メインならセレストロンのEdgeがいいらしいですな)

として使うと光学的ファンとしてとてもハッピーな気分になれました。

どれもこれも高いのでおいそれとは買えず

ジャンク品を修理して使っている感じです。

この中で 一番ねらい目は3で・・・

ミードのシュミカセは残念ながら会社が倒産しているため修理が難しいということで格安で販売されています。特に電気的トラブルが多いのはLX200 シリーズで、コンデンサーが寿命なので不動品の山、かつ修理はほぼ不可能な状況で鏡筒を抜いて利用しか方法がないのですが そこまでする人が減っている? などで全体にセレストロンほど人気がなく、安く入手できます。

 特にLX90シリーズの後半の製品(LX90 GPS やLX90 ACF)はLX200に引っ張られて不人気なのか、実は超おすすめ物件です。どちらもXLTコートが大変良く、抜けが良くなっている(乱反射激減)のと、さらにACFに関しては副鏡が非球面化されておりアプラナートになっているらしく、眼視では周辺まで無収差のように感じられ見事です。

像面湾曲が残っているのと、スポット径がやや大きめなので、高密度CMOS撮影には向かないのかもしれませんが、補正光学系はシュミット補正版一枚で完結しているため、増反射コートと相まって 抜けの良い 視野内に滲みのまったくない星を大口径で楽しむことができます。(惑星の高倍率は1と比較すると、日本のシーイングが悪いせいか、芳しくない夜が多いのですがCMOSカメラでスタッキング イメージングすれば驚きの絵になるのでおそらく光学系自体良いものでは・・)

星の眼視は大口径ドブソニアンに行く人が多いですが、組み立て、調整、導入、移動、追尾が大変なので気力が低下するとナカナカ辛くなってきますが LX90 なら自動導入で、調整は外気と馴染ませるだけなので楽々 自動追尾もしてくれるので、長焦点アイピースを使って次々に導入して眼視、ときどき記念写真撮影するぐらいなら楽ちんです。(LX90は電子基板も辛うじて流通しているので頑張れば修理もできるそうです。)