2008年8月18日月曜日

Quad ESL 57 の修理

Quad ESL 57 の修理





埃との戦い クリーニングに汗、汗




もう一方の高圧整流回路は完全に劣化していたため、新造することに



コンデンサーの間に隠れているが、基板にはダイオードがずらりと並んでいる。

耐圧2000Vのコンデンサーが入手できず苦労した。


昔はテレビ関係の修理部品で高圧部品は割と簡単に手に入ったのだが・・・LCDが主流で修理も基盤ごと交換する時代の今となっては、秋葉原のパーツ屋でも殆ど置いていない。


ジャンク屋で、なんとかコンデンサーを見つけて、どうにか完成させた。

鳴った! 低音がしっかりと出てくる

とりあえずは補修成功である!

2008年8月17日日曜日

QUAD ESL57 夏休み自由研究




QUAD ESL57のレストア作業開始












またまた性懲りもなく ・・・・・。

QUADのレストアプロジェクトに、ついつい手を出してしまった。


コンデンサー型、フルレンジ。とにかく音がよい。

独特の世界がある。

限界はいろいろあるが、ホントニ音楽を聞き込むには最良の友となる。

かのマークレビンソン氏もダブルスタックにて愛用したというオリジナルの Quad ESL (ESL57)

現存する個体の殆どは、部品の劣化が進んでおり、使用に耐えるものは少ない。

整備済み、程度の良い物は非常に高価

で、・・・・・・・おきまりのジャンク品を入手。

一聴して、音がおかしい。

低音が一切出ていない。

音圧も全体に低い。

ショップに依頼すると、修理代金は非常に高額 数十万は平気でかかる。

自分でやることに。

途中で後悔した・・・・
分解は、ねじが多く、なかなか困難。


内部はもの凄い埃。 30年以上の埃が静電気で集まって、内部に溜まっている。


高圧整流部の取り外しも、半田がしっかりしていて、

ロウで封入された基盤を確認するのも億劫である


さて、どうなることやら。

(内部は6000Vの高圧がかかるので、真似はなさらない方が良いと思われます。)





遂に原因を特定

6000Vの高圧で、プリント基板のパターンが溶け落ちていた。凄!

2008年8月15日金曜日

A Boy Named Charlie Brown: The Original Sound Track Recording Of The CBS Television Special




スヌーピーとチャーリーブラウンのオリジナルサウンドトラック

ヴィンス・ガラルディの演奏

シリアスなジャズというよりはややポップス的・・・・だが決して悪くない。

最近ケーブルテレビでスヌーピーとチャーリーブラウンを放映しているのだが

懐かしく親子で見入っている。

基本的にはナンセンス、ドタバタマンガをアニメ化したものだが、

北米生活を経験すると、なかなか奥深い、情緒たっぷりの大人向けのアニメであることがわかる。

演奏もなかなか秀逸で、軽いBGMとして買ったのだが、案外ノリが良く、聴かせるのだ

特に最後のFly Me to the Moon は冒頭は退屈な、またかよー・・・的な演奏で始まるのだが

中後半に盛り上がりを見せてナカナカ楽しい。

録音はややハイ上がりであるが、シャープなタッチが小気味よい。

やや歪みが感じられるものの、ドラムス特にシンバル、ピアノのタッチ、ベースが浮き上がるような感じで、割と躍動感のある録音である。

あのアニメのBGMとして、バックにひっそりと流れていた懐かしの音楽を

アルティック299、ツルーソニック206AXAの2wayで、バリバリの等身大音像で再生すると、

おっと、こんなに本格的な大人の音楽をBGMに使っていたとは、当時の知的なセンスを感じる・・・・ナカナカ感慨深いものがある。 (それと引き替え、最近のアメリカ製のアニメときたら・・・・泣き)

そういえば、スヌーピーの世界では例えば学校の先生などの大人のセリフはゴニョゴニョしてセリフとして全く聞き取れない、不可思議な感じであったが、これには訳があり、著者は小児期に虐待を受け、すべての大人からの言葉に心を硬く閉ざしていたという深刻なエピソードがあったらしい。子供とペット達だけで完結したあの世界の理由が分かるような気がするのである。

そういったことを何となく思い出しながら、割と仕事で疲れているときに(?)何となく聴くことが多い。

聴いていてだんだん元気になる、大変良いアルバムだと思う。

ワタクシ的にはカナリお勧めのアルバムである。


2008年8月10日日曜日

sweetな高音か bitterな高音か




299 8ATのパスカライトダイアフラム3インチ アルミ製である。

ハイエンドドライバー製品はベリリウムが主流の現代

時代遅れと言われることもある・・・・・涙

しかしワタクシ的には超お気に入りである。

充分にパワフルで、太さ、厚み、そして広大なDレンジを持つことはもちろんだが

高音に、ほのかなsweetさがあるのである。

この音色は、三極管シングルだけでなく、MOSでも、バイポーラのアンプの駆動でも

基本的に変わらないので、ドライバー、フラムの個性ということなのだと思う。

こういった個性は音楽鑑賞用途には非常に宜しい。

あくまでもソースの良さを引き出す感じで

ブラスやシンバルの厚みや、クリスタルクリーンな音場をそつなく再現しながら

なによりもボーカルの質感がスイート&シルキーである

クロス付近の暴れも少ないので

ウーファーとの繋がりも楽なのである。

粗めの録音でも、神経質でヒステリックな咆哮にならずにすむのだ。

これは幅広いソースを楽しみたい音楽マニアには助かる。

市場に溢れている(笑)著明なJBLの1インチや2インチドライバーも聴いたのだが、特に純正のショートホーンとの組み合わせでは、どこか暴れ気味というか、ややbitterな高域になりやすい。また604の同軸もどちらかというと、やや細く、bitterになりやすい傾向があるかと思う。
 
もちろんJBLもAltecもイロイロと解決策はあるので、チューニング次第でいくらでもスイートに出来ると思いマス・・・・・が、ワタクシの場合、スイートなのが好みなのは明かなので、最初から楽に好みの音が出せる機器の方が良いっていう安直な選択である。笑

ちなみにランシングオリジナルのビンテージドライバー(+極上コンディション)は、スイートな、かなりの美声らしいのだが、ステレオペアはあまりにも高くて、とてもじゃないが買えない・・・・・・・涙




上は206AXAのホーン 充分にデッドニングされている。これもスイートな高音。


現在主流の、最新設計のベリリウムフラムのドライバー群は、さすがに素晴らしい特性と切れ味を持っている。
当然知っているが・・・・微妙なタッチや総合的な音色、個性に関しては、若干微妙である・・・なんとなく優等生的でクリーンすぎると言うべきか・・・・。ま、完全に好みの範囲内の話ではあるが・・・・。


適度に甘く、ある意味でフレキシブルな音楽的寛容さを持ち、長時間の試聴にも向く、こういったビンテージドライバーは、比較的安価でもあり、目立たないが非常に有り難い存在ではないかと思う、今日この頃である。

2008年8月7日木曜日

Miles in Tokyo




マイルスの東京公演ライブ

ピンチヒッターとして参加したサムリバースの演奏も含め、賛否両論のアルバムであるが

ワタクシ的にはお気に入りのアルバムである。

特にマイファニーバレンタインのマイルスの冒頭のソロ 非常にテンションが高い。

ハービーハンコックのリリカルなピアノ どこかエバンスを思わせる、しかしハンコックならではの個性的でセンシティブなパートが光る。

ホーンシステムのチューニングを万全にし、やや音量大きめ、中域の厚み重視のセッティングで望む。

オンマイクで録音されており、マイルスのソロも深く分厚い。

再生装置には太さ、厚み、音場感が、そして音量のピーク時にもクリップしない、大きなダイナミックレンジが求められる。

なかなかに再生の奥が深いアルバムである。

ホーンとウーファーのクロスを重ねて、厚み重視のセッティングにすると、実に心地よいライブ感のあるサウンドとなる。

さらに細部も含めてしっかり対策すると 鮮明に録音されたマイルスがまさに眼前で歌う

彼らしく非常に理性的で抑制の利いた、しかし内的には情熱的でドラマチックな演奏である

翳りと光、情感の抑揚を上手く再現することができれば

改めてマイルスの凄さが実感される。

2008年8月6日水曜日

Tru-sonic 206AX のネットワークボックス








Tru-sonic 206AX のネットワークボックスである。

206AX は、この黒いネットワークボックスをランドセルのようにフレーム外側に背負っている。

内部はご覧の通り、タールで封印されており、内容の確認は出来ない。

206AXの内部結線を見ると、ウーファーは入力端子に直結されているのが判る。

詳しくは不明だが、ツイーターには比較的大型の空芯コイルと、コンデンサーが入っている感じある。可能性として12db/octの標準的なローカットフイルターではないかと思われる。(未確認)

次のバージョンの、206AXAでは、高域のアッテネーターが外付けで付いている。おそらくネットワーク設計も微妙に異なるようである。

ネットワークコイルは、エポキシなどの硬化性物質で封入すると解像度や透明感が向上するが、この時代にすでにここまで対策されているのには驚かされる。

ちなみに、マルチセルラーホーンの共振をタールで防振する対策を最初に始めたのは、Tru-sonicのStephensであるとの説もあるらしい。 たしかに206AXのかわいらしいホーンにも、非常に丁寧にタールのコートが施され、充分にダンプされている。(他のウエスタンの関係者や、関連企業の説もあるようだが・・・・)

Stephensは、有名なシャラーホーンシステムのホーンの設計者であるから、その可能性はあるかもしれない。

設計の良い良質のネットワークやホーンを、エポキシやタールなどの比較的硬度の高い材料でダンプすると、音塊一つ一つに力が入る感じで、非常にリアリティーが増す。

そういった聴感重視の対策がしっかり行われているところに、この年代のユニットのすばらしさが感じられる。

2008年8月5日火曜日

206AXA



206AXA

エンクロージャーに装着作業中の様子である

鳴らし始めの最初の音は非常に眠く、低音も出ず、ガッカリであったが・・・

翌日から俄然調子を出し

一週間ほどで実力を発揮し始めた。

とにかくバランスが良く、しかも音に力がある。

クラッシックも、ジャズも鳴る。

低域のボリュームに不足はなく、ドラムス、ベースのキレは良く、量感もある。

中域は張りがあり、ボーカルが分厚く、豊かに前に出る。

高域は繊細で表情豊かである。ちょっと聴いた感じではややソフトタッチだが、聞き込むとナカナカ切れも良く、安定感があって、ヒステリックになることもない。

絶妙なバランスが、Tru-sonic 206AXAの良さではないかと思う。

チューニング次第で、好みの音に調整できる、柔軟さを備えている。

以前ある雑誌批評で、Tannoy 15 inch 同軸をクラッシックカメラのアンソニーに、Altec 604をスピードグラフィックに例えていたが、なかなか良い例えだと思った。

タンノイはダゴールなどの往年のバーレルレンズの甘いトーンを思わせる、ややソフトで厚みのある特長を生かし、鳴らし込むのが、もっともしっくりする。やはりクラッシックをゆったりと楽しむような聴き方がハマル。そこに 同軸ホーンのスパイスを適度に効かせると、ナカナカ良い。

一方、アルティック604は往年のスタジオモニターらしく、中大音量で再生すると、コントラストの効いた、バリッとした音を持っている。レンズに例えれば、コダックのエクター(特にトリウム系ガラス材使用のモデル)か。この太字でカラッとした、スッパリ切れの良い特徴はジャズに向く。

中大音量で 思いっきり鳴らす604は非常に爽快だ。バリバリと迫力満点である。一方、これをBGM的に鳴らす、例えば小音量でピラミッド型のエネルギーバランス、そしてウエットでシルキーなタッチに持っていこうとすると、これはナカナカ大変である。(管球アンプ等でやってやれないこともないが・・・・ そういう使い方なら、入手は難しいが605の方が楽かナと思う。)

Tru-sonic 206AXAは、基本的にワイドレンジで比較的フラットな特性。超高域はスッパリ切れているものの、現代の音楽鑑賞に充分なレンジを持っている。最も重要なボーカル域ー中高域には適度なエネルギー感があり、ボーカルや主要楽器のボリューム感が凄い。しかも不自然さがないのである。

この手の同軸ユニットとしては音場も比較的広い方で、アンプ、ソース次第で適度な透明感も出せる。一つ一つの音に604の様なエネルギー感があり、小音量でのウエットでシルキーなタッチも、大音量でのバリバリしたドライなタッチも、アンプやソース次第できちんと鳴らし分けが簡単に出来てしまう、希有なユニットである。

Tru-sonic 206AXAは、その特性と音楽的な柔軟性からすると、カメラに例えるなら、リンホフテヒニカのようなオールラウンドのテクニカルカメラ、レンズとしては、ツアイスの大判プラナーかシュナイダーのジンマー辺りに相当するだろうか。

Altec Tru-sonic Tannoyの15インチ同軸は、ウエスタンの技術から派生し、独自に発展したユニットである。それぞれ独特の個性があってすばらしい。

いずれにせよ、これらの15インチ同軸の名品は、大判カメラにも似た、圧倒的なパワー、リアリティーと独特の個性が身上である。