音質改善に効果のある方法は数限りなくあるけれど、費用対効果を考えると手段は限られてくる。
小から中音量で質の高い、満足度の高い音を狙うとすると、高域用のアンプでは一部のFETアンプと一部の真空管アンプが候補となる。
高効率電源を備えた最新の増幅デバイスもあるが、音楽的にも魅力的な製品となると、非常に高価だ。
そこで、三極管シングル 真空管整流 DC点火 ロフチンホワイト 高価すぎない、大げさでない none NFB という条件で真空管アンプを探していたところ、300Bを使った自作品でそれらの条件を満たす候補が見つかった。
値段も比較的手頃であったので、とりあえず入手し、テストしてみることにした。
最初に驚いたのはnonNFB駆動だ。実に伸びやかに音が鳴る。NFBの場合、スピーカーからの逆起電力がFeedback roopに飛び込み、歪みの原因となっているらしい。逆起電力の生じないコンデンサー型スピーカーなどはその点スムーズに鳴り、ダイナミック型との差に驚かされることもあるが、none NFBアンプでドライブするダイナミック型スピーカーも、それに近い伸びやかな音が得られるらしい。
さらに、300Bに代表される三極管の素性の良い音にも驚いた。実にピュアな音を出してくる。
設計さえ良ければnonNF駆動に伴う歪みも聴感上は極小に押さえられる。良質のトランスであれば低域が膨らむこともない。
時にやや芳醇すぎる余韻、あるいは僅かな歪みが感じられる場合もあるが、メリットの方が明らかに大きいと感じる。特にロフチンホワイトは直結故に非常に鮮烈。トランス、真空管の素性がストレートに出るが、それほど高価でないトランス+中国管でも相当なレベルの再生が実現し、驚かされる。
とても真空管とは思えない、ハイスピードで説得力のある音が聴ける。
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