FS41RP FOSTEX
フォステクスの伝説のミッドバスユニットFS41RP
プリンテッドリボン式ミッドバス
FS41RPという、型番すらすっかり忘れていた(笑)
生産中止となり長期間経過して
たった一回だけ某店の有名店主様のお計らいで、
受注再生産された。
再生産の実現までに実に1年程かかった。
予約希望者に対し、 おそらく5-10ペア程度供給されたと聞いている。
約15年程前の出来事であった。
値段は結構高かったが、今回しかチャンスはないと、予約購入した。
この少数再生産は、メーカーのfostexにとっても大変な作業になったと伺っている。
これを入手したときはFostexのユーザーへの配慮と、店主様の熱意に感激したものである。
オーディオをやっていて、一番悩む処は、ミッドバスではないだろうか。
ツイーター、スコーカーは良い製品が非常に多い。
ウーファーもまた優秀なユニットが多く、優れたパワーアンプと、箱のチューニングさえ決まれば、
聴感的にもさほどシビアな領域ではないので、それなりに満足できる部分である。
超低域や超高域は、臨場感や雰囲気などに影響するが、音楽性そのものには余り関与はしないので
それなりに出ていれば文句はあまりない(笑)
ところが、ミッドバスの領域は、音楽性にモロに影響し、聴感的にもかなりシビアな部分である
にも関わらず、オーディオ再生では常に後手に回っていて、一種の盲点となっている。
例えばフルレンジユニットでは分割振動領域であるし、中型ホーンシステムでは12-15インチウーファーの上限の音域なので非常に再生が苦しい処である。
通常のミッドバスは超強力磁気回路の10-12インチユニットで、オーバーダンプされた振動板を有し、これをやや狭いボックスに突っ込んで使用する場合が多く、なんとなく今一歩抜け切らない、透明度の上がらない音に悩まされるケースは多い。
最近のハイエンド製品は比較的小口径ユニットを多数配置して、優秀なアンプで駆動して解決しようとしている。改善効果はめざましいものの、この方法が根本的な解決になっているのかは不明。
ホーン式で解決しようとすると、恐ろしい規模のホーンが必要になる。
大型ホーン自体の魅力は相当なものだが、使いこなすのは大変である。
サイズがデカイだけに狭い部屋でのセッティングは容易ではなく、これでピンポイントの定位を狙うのはきつい感じである。 (広大なリスニングルームをお持ちの方は別だが・・・・・・)
ホーンの素材から出る「ホーン泣き」もまた、相当なレベルになるので、家庭用として決して一般的なものではない。
FS41RP Fostexは、透明度とトランジェントとパワーを両立させるために、リボン型のデザインで製作された、非常に野心的な大型ユニットである。
振動板面積は30センチウーファーに匹敵。
極めて優れた物理特性を有し、分解能、トランジェント、パワー感 ほぼ全てのファクターが
素晴らしい性能である。
コンデンサースピーカーの特性と音色、ダイナミック型スピーカーのパワー感が、両立している驚き
そして、場所を取らない
しかし、このユニットの真価を発揮させるのに、
ワタシの場合、なんと10年以上かかってしまったのである(泣き)
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