2008年11月16日日曜日

Ohm F walsh driver

Ohm F walsh driver

全方向放射の音場型である。




この怪物ユニットは耐入力が高く

短時間であれば連続200Wぐらい入る。

インピーダンスは3-4Ω

出力音圧レベルは86dbと充分実用範囲である。

単に86dbといっても、しっかりしたアルニコ磁気回路を備えているため、音に力があり、芯がある。
(某資料によるとアルニコマグネットの重量は4.6kgとか・・・・まさにモンスターである・・・・・)


それで音場型であるから、ちょっと驚きである。

発売当時は適当なハイパワーアンプがなく、苦労したらしい。

現在はアンプ技術が発達しているので何の問題もなく駆動できる。

このユニットは音響理論的に非常に巧妙に設計されているが、

トライアンドエラーで作り出された職人芸的な要素を持つ製品でもあり
一種の危うさがあるので、

特に中低域以下の特性はやや不安定で、部屋の影響、セッティングの影響を、モロに受ける

低音のコントロールが成功のポイントとなるので、

アンプは出来るだけ駆動力の高いものが良いようだ。
すなわち3極管シングルよりも プッシュプルがよく
MOS FET系よりもバイポーラでダンピングファクターの高いアンプがマッチする。

コンデンサースピーカーの様に容易に破綻しないので、
ある程度パワーを入れて、朗々と響かせる使い方がハマル。

巧みなのは、ベンディングウエーブのみではなく、円錐コーンをピストン運動させて、ウーファー動作も
行うことで、全放射型スピーカーにつきものの、低域の不足感を補っているところである。

この低域ブーストは、過剰なものではないが、アンプに力がないと緩く膨らんでしまい、中高域との繋がりが悪くなるので、

締まりがあって、量感もあるアンプが望ましい
アムクロンはその点ぴったりである。

このユニットの凄さは、低音の放射が円錐コーンの基部から生じるので、
ほぼ理想的な点音源の条件が整えられている。
上手くチューニングすると全域に渡り、極めてまとまりの良い音にできる。

ホールトーンをたっぷり収録したライブ録音のアルバムは
本当にすさまじいリアリティーで


ホーン型と全く正反対の方向性だが

圧倒的にリアルなステージを出現させる。

マッタク危険なスピーカーである。

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