2008年11月2日日曜日
15 inchユニットの箱作り
励磁型スピーカーほどではないにせよ
強烈な馬蹄型アルニコVマグネットを背負った磁気回路 を有する、黄金期のユニット206ax
このユニットを使い、中大音量再生を行う際には
その強烈なエネルギーで箱が揺さぶられ、かなり共振音が出てしまう。
この共振音を出来る限り味方に付けるべく(笑)
響きの良い部材で箱を作り、適度に鳴らす方向性があり、また
徹底的に押さえ込み、余計な音を出さない方向でチューンするやり方もある。
一長一短なのだが、
前者はやや小さめの箱で、なんとか豊かな音を出す方向で妥協点を見いだす場合に良く
後者は大きめのエンクロージャーでゆとりのある響きを確保した上で、それ以外の雑音を出来る限り排除する方向性である。
これを無視して、小さい箱を徹底的に強化したりすると、かなり寂しい音の世界になる(こともある)。
(下手をすると、その寂しさを紛らわすために、高級アンプ、高級ケーブルといったドロ沼に直行してしまう場合も・・・・・汗・・・・・)
前者はアルティック指定箱の612 614 後者は620辺りに相当するだろうか。
部屋に余裕があるなら、後者の方が無難であるのは言うまでもない。
620の場合、米松のオリジナルよりも、良くできた国産箱、できればカチカチの高密度の部材で、内部の補強桟がガッシリ入っているエンクロージャーが好ましい。 デザインとしては、板厚のみの大きめの開口のバスレフが箱の前面に開いているものがワタクシ好みである。
これはアイコニックシステム直系のデザインで、さすがにバランスが良い。
これを聴くと、バスレフの音も決して悪くないことが良く判る。
チューニング次第だが、非常にハイスピードでキレの良い、しかも量感もあるバランスの良い低音が得られるのだ。
現在でも620の国産箱に604を入れた組み合わせが高い評価を受けていることからも明らかだ。
一方、ワタクシのような、都心の狭い部屋の居住を余儀なくされている(涙)場合には 、トールボーイの約140から160リッター前後のエンクロージャーがギリギリやっと入る感じであるから、200リッター以上の620はどう逆立ちしても、部屋に入らない・・・・・・・(大泣き)
612相当からそれ以下の容積の小型箱の場合、そのままでは低域はイマイチである。
低音は出ているのだが、ベストバランスの620と比較すると、少々ゆとりが足りないと言うか、やや詰まった感じになるのだ。
そこで、響きの良い部材を使ってエンクロージャーを作成し、補強桟を最小限にして、適度に箱を鳴らすことで、雰囲気やゆとりを確保し、それなりの音楽性を確保している。 また、吸音材やバスレフの調整も大変重要である。
バスレフは板厚のみの大穴を開け、背圧抜き+位相反転放射で、聴感上の音圧を稼ぐ手法を使う。
これはナカナカ優れた手法で、上手く背圧を抜いて、適度に響かせると、バックロードホーンを思わせるような軽やかで快感のある低音が得られる。 しかもバックロードホーンほどの音圧を必要とせず、小音量再生でもバスレフらしい量感があるのでベースもバスドラもイケル。磁気回路が強烈なユニットでなければ成立しない方法ではあるが。
但し低域の低い方50HZ以下は、ばっさり切り落とされる。(これは音楽とあまり関係ないので無視できる)
この方法の泣き所は、大音量再生の時である。
この時代のユニットは出力音圧レベルが100DBを軽くオーバーしているのでドッスン、バッコンと大音量を再生する誘惑に駆られることが良くある。
その際には、ユニットの強烈な背圧にさらされるので、並の補強のエンクロージャーでは、箱自体が共振しボコボコな低音になってしまったりする・・・・特に低密度の合板では本当に情けない音になる・・・・が、
幸か不幸か、狭い部屋では部屋自体も共振するし、隣家から怒鳴り込まれるのは必至・・・・であるから、大音量を出せるチャンス自体は極めて少ない。 (涙)
ワタクシの場合はこの点は全く問題にならないのである(笑)
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2 件のコメント:
こちらのブログになかなかうまくログ・イン出来なかった為いつもは意見させて頂くだけでした。
パスワードの変更もチャントしたつもりだったのですが・・・・
いよいよ大型プロジェクトの始まりですね。
イームズ張の素晴らしいキャビネットを期待します。
ボクのツルーソニックも変則フラット・バッフルなのですが最近入手したクラウンプリアンプとの相性が良いのかジャズの熱気が感じられ当分これで行こうと思ってます。
ホッピーさん
コメントありがとうございます。
クラウンのプリは太く熱くジャズにはぴったりでしょうね。
イームズのデザインには惹かれます。
直線的でシンプルな E系も良し
また、かなり先鋭的な Quadraflexも
インパクトがあって凄いと思います。当時の時代の先端を感じます。目玉おやじ的なところが好き嫌いのハッキリ出るデザインですが。
Quadraflexは特に数が少なく、なかなか入手出来ないそうですね。そういえばアメリカのモダンアートの展覧会に出品されていました。
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