2008年7月20日日曜日

Ortofon MC30 S (supreme)




Ortofon MC30 S (supreme)


MC 30S MC20Sの上位機種である。

消耗品でしかないカートリッジであるから、普通は高過ぎて、まともに買う気にならないランクの商品である(笑)

これはジャンク品を入手してオルトフォンの別カートリッジから取り出した針、カンチレバーで再生した品なので、本来の音か良くわからない・・・。オリジナルのカンチレバーはテーパーの入った先端が非常に細いアルミ製である。(このカンチレバーにはテーパーが入っていない。涙)が、少なくとも発電系とボディーはMC30 Sそのものである(笑)

ちなみにオルトフォンの高級機種に採用された、アルミ製のテーパーの入った細いカンチレバー、あれにはどうも構造的に強度上の問題があったのか、スタイラスがレコードのトレース中に強いストレスを受け、アルミ棒の挿入部に食い込んで亀裂やゆるみを生じ、針先の角度が狂ったり、最悪の場合脱落するトラブルが発生する可能性があるようだ。 (スタイラスの脱落した個体が結構ある)

こんな高級カートリッジが、そうしたトラブルでスタイラスの寿命の前に昇天したら本当に泣きである・・・・・・・。アルミという素材そのものの限界ということなのであろうが、高級カートリッジとはかくも儚いものなのである(私はとてもじゃないが着いていけない世界・・・・・)

国産が一気にボロンカンチレバーに移行した理由が良くわかる。

但し、アルミにはアルミの、音質的に非常に良い面があると思うのだ。

MC30S どう表現して良いのか、ゴージャスというか、さすがというか、品位のある音である。MC 20Sのような躍動感と力感があって、そこに大人の抑制というか、繊細で上品な高域が加わる。MC 20Sのように時として高域がヒステリックになったりすることが無く、そういった意味で腰の据わった、全体に落ち着いた、適度に抑制の利いた音である。

さらに芯のある筋肉質の(?)躍動的な中低域が必要なときに、ぐんと出てくる。

クラッシックのオケのレコードなどを聴くには最高である。また、50年代のジャズのレコードも非常にクールで、抑制の中の力感が、なかなかハマル。トレース能力も非常に高い。良いカートリッジである。

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