ジャンクな Altec604E コンデンサー 一発。
ウーファー部はフルレンジとして生かす方向が良さそうな 604E
基本設計というモノは、ナカナカ動かし難いキャラクターを形成するものである。
ウーファーはウーファー フルレンジはフルレンジだ。・・・・って当たり前であるが 笑
例のとってもアルティックな(笑)ネットワークを使わずに、質の良い管球アンプをウーファーに直接繋いで再生すると・・・・
ナカナカに透明かつ、しなやかな、質の高い中域を 朗々と再生する。
これは痛快だ。非常に出来の良いフルレンジのような音なのである。
こういった基本的なキャラは変えようがない。
このキャラを上手く伸ばしつつ、それ以外の弱いところを如何に目立たせず、それなりにバランスの取れた音に調整するのが、個人の趣味として非常に面白い部分になるかと思う。
604の悲劇は、もともとの中高域のバリッとした張りのある音を押し殺し、無理矢理 ウーファーとして1インチホーンと繋げたところに最初の問題が生じたのではないだろうか?
コンプレッションドライバー+ホーンは1インチスロートで、ややハイ上がりのエネルギーバランスである。
ホーンの高域は繊細でキラキラとした美麗な感じで良いのだが、中高域から中域にかけての厚みはあまりなく、
ハッキリ言って薄い・・・・・・大泣き
604のクロスオーバー付近の音はどちらかというと ホーンの音色を主として味付けされており、ウーファー部の高域の音色は、ネットワークだけでなくダンパーやフェルトで押さえ込んでいる
もともとのそれなりの音であるウーファーの中高域を捨てて、ホーンの方の音色を取ったのではないかと思う。
しかし、それではウーファーの中高域が、何となくつまったような感じになってしまう。しかもそこに1インチドライバー+小型ホーンのやや薄目の中高域と繋げようというのだから、当然繋がりは悪くなる。
特にクロス点でエネルギー感がなくなり、中抜け・・・・っぽい感じの音になってしまうノダ。
1キロから2キロ辺りは聴感的に非常にシビアな部分なので、これではかなりアンプやケーブル、ネットワークやチャンデバを弄らないと、フラット感のある音には出来そうもない。
604はクロス付近が辛いと言われる、その理由がよく分かる。
604G以降はさらに深刻で、それまでよりも若干m0が大きくなっているらしい。これは低域の再生には有利なチューンなのだが、中高域の再生はやや不利となって繋がりがより悪くなる。
さらに後期のユニットではロックやブラックミュージックの重く深く沈む感じの低音を大音量で再生しようと、大幅にチューニングを変えたらしい。
(604は非常に余力のあるユニットなので、それなりに時代に合わせて変化することが出来たため大変な長寿となったわけであるが)こうした基本設計からの大幅な方向転換は、実際にさまざまな問題を生じたのではなかろうか?
いずれにせよ比較的初期の604Eでは、ウーファー部の元々のフルレンジ的なキャラを生かして、ウーファーのネットワークはパスして直結にして、出来るだけ高域までユニットを自由に鳴らしてしまい、一方ホーンは若干押さえ気味のチューンにして、ツイーター的な扱いで全体を調整していった方が得策ではないかと思うようになってきた。
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