604のクロス付近の弱点を補うために、皆いろいろな試行錯誤をしておられる。
かのウーレイは独自設計の立派なホーンを取り付け、プロモニター用として普及した。
アルティック自身も新設計のマンタレーホーンを付けて、指向特性の改善を図っている。
その他、過去にメーカーや個人で、硬い木製のホーンを自作するなどして、音質を大幅改善している例が多数あるようである。
さて、この樹脂製ホーンの設計であるが、本来であれば802相当のコンプレッションドライバーのスロートの先に直接付けるべきものを、同軸設計にするためにウーファーユニットのアルニコ磁気回路を貫通させなければならず、広がり角の明らかに狭い、長いスロート部を介して、取り付けている。
こういったホーンの途中で広がり角が急に変わる、変則的な設計の場合、いったいどういう計算が成り立つのであろうか?良く判らない。
不連続なCDホーンではエクスポレンシャルカーブの途中を不連続的に繋ぐ、末広がりの形になっているが、この604では長いスロートの部分では広がり角が逆に窄まっている。 非常に変則的な形である。
なんとなく、JBLのショートホーンに近いような、ロングホーンの途中をばっさりと切り落としたような形になっている。
ショートホーンは音響レンズか何かを先端に付けないと、高域がビーミングして、音がきつそうなイメージがある。
実際の音もその通りで、ヒリヒリする感じが少しする。
なんとなく中途半端で不思議な感じのこのオリジナルホーンは、特異なスロートによる高域の指向特性を改善するために、ホーン先端に音響レンズ的なものを付ける必要性があったために産みだされたものなのかもしれない。
オリジナルのホーンを付けたり、外したりしながら音出しして、やはりホーンを作り直すかしないのかなという感じがしてきた。
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