このユニット、レストアしながら改めて構造や材料など、細部を確認すると、ただ者ではないことが判る。
まず非常に強力な磁気回路を搭載していること。
スペック的には515B相当と言われるが、マグネットのセンターをホールが貫通し、そこを同軸のスロートが通る
磁気的にはどうなのだろうか 僅かに515より弱い感じだろうか?
いずれにしても非常に強力なものであることだけは間違いない。
大型のバスレフが推奨だが、低音ホーンをドライブ出来る力もありそうな感じである。
背中に背負った、高域のホーンドライバーもまた、1インチながら本格的なアルニコVの磁気回路で、カナリシャープに決まる。
1インチらしく高域の伸びも良い。一方、同軸の内臓ホーンはスペース的に設計の制約が多く、かなり小さなラジアルホーン+準マルチセルラーホーンを搭載している。これをウーレイのように、もう少し大きくしてみたいナアと思う。
ホーレー製の604Eのオリジナルのコーン紙は軽く、比較的薄い感じのものである。
また、ダンパーも薄く、ソフトなものを使っており、非常に硬いダンパーを使っているJBLの2220Bなどと比べると、かなり繊細な入力信号に対しても追従出来そうな感じである。
JBLよりも、より中域重視、かつ初動感度や微細信号の再生を重視した設計と思われる。
これらの特徴を見ると、なんとなく最近のフォスのバックロード用の高級フルレンジを思い起こさせた。(音自体は大分違うけれど)
コーン紙へのこだわり、微細入力や初動感度への最適化、強力なアルニコ磁気回路、適度にダンプされた軽い低音など・・・・
フォスのバックロード用ユニットは昔は紙臭かったけれども(笑) 最近のユニットは従来品のような紙臭さがなく、中高域の暴れがなく、中域のスムーズさもあって、高く評価されているようだが、ユニットの進んでいる方向性がこの頃のアルティックと案外似ているような気もするのだ。(笑)
従って、可能性として、往年のビンテージユニットである604Eをベストチューンして、質の高い強力なアンプとデジタルチャンデバでねじ伏せれば(笑)、かなり微細かつ現代的な音を再生できる可能性があるのではなかろうか?
特に中大音量で使う場合、かなりハイレベルな再生が可能になりそうだ。
構造と素材だけを見ても、いかにも鳴りそうな、本格的なユニットであることは間違いない。
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