2019年9月22日日曜日

写真趣味(カメラ)の曲がり角を逆に楽しむ

 つい先日、代官山の有名な書店(というかコンプレックス)を散歩して、いつものカメラ屋をのぞこうとしたら、なんと閉店していて スターバックス(の高級店)になっていました(涙目)
 そういえばこのお店ではウインドーショッピングのみであまり買い物をした印象がありません。ライカやポラロイドが中心に据えられていて、周辺をチェキとデジカメと中古レンズとフィルムカメラで固めるというバランスの取れた店内、綺麗な展示には一服の清涼感があり、貴重な場所でした。

 そのほか、全国チェーンのカメラ屋さんの中古店の旗艦店も売り場が小さくなって駅から遠いフロアに押しやられていたり、下取り交換で活気があるのは中野のフジヤと新宿のソフマップが思いつくのですけれども それ以外はネット販売に主力を移行しているのでしょうか?

新品カメラは、ミラーレス一眼に一斉にシフトしていますが、ソニーが先駆者ということもあって一歩リードしているようですね。α7RⅣは完成度も高く中型デジタルを脅かすような能力を秘めているようです。(もちろん中型には中型の良さがありますが・・・・・最近の中型はフルサイズx1.7面積ですから圧倒的かというとそれなりに限界もありそうです)

そういえば中型の名門ハッセルは中国のドローン大手の傘下に入っており、昔のコマーシャル業界での圧倒的地位を考えると隔世の感があります。
今はフルサイズでほとんどの仕事がこなせてしまいます。(優位性が出せるのはごく一部の大判ポスターグラビアのみ?)

コマーシャルの世界も、どちらかというとスチールだけでなく、ショートムービーも一緒に撮るといった要求に応える必要があり、ソニーはその辺にも対応しているのが強みですし、パナソニックのフルサイズ機も動画機能の強みでフルサイズに食い込む戦略のようです(なので放熱も考えて筐体が大きい)

こうした大きな潮流の中で銀塩フィルムはとてもニッチなものになっています。過去に大量に製造されたカメラは軒並み価値が下がっています。価格が維持されているのはライカぐらいでしょうか、程度の良いものや希少種はアジアでも人気らしく価値が維持されているようです。レンジファインダーの趣味性が生きているのでしょうか、とはいえ最近はめっきり銀塩フィルムを使わなくなりました。たまにフィルムコーナーをのぞくと価格が高騰していてびっくりであります コダックのフィルムは一部復活してますね。

安定供給されている銀塩はチェキぐらいでしょうか というのもなんとなく寂しいですが時代の流れでしょうか。チェキ自体も最近はデジタル化してプリント紙がチェキフィルムになっているようですが。(小型デジタルプリンタにカメラが付いている的な)

そうした一連の変化の中央にあるものはスマートフォンのカメラ機能の進化に他なりません。最新のスマホは通信端末としてはやり尽くした観があり、記録媒体としてのカメラ機能や映像観賞用の媒体として、あるいは電子決済の端末としての機能が重視されるようになっておりますが、このカメラ機能の進化が震源地になっております。

信号処理と多数のレンズの画像を組み合わせて画像合成で前後をぼかした写真がねつ造できてしまうのですね。これがまだ若干不自然さの残るものではありますが、シーンによっては十分に使えてしまう域(SNSなら十分)に達しているので、大口径レンズを付けた専用カメラがいらなくなるという恐ろしい技術革新です。

撮影して絵を確認してそのままSNSに上げるといいねがもらえるという速攻承認欲求満たしますマシンです。

裏面照射のセンサと信号処理の進化で暗いところもそれなりに絵が出せるようになってきたのも侮れないところです。(さすがソニー)

というわけで専用機たるカメラとその趣味はだいぶ縮小してしまいますが、まだ枯れた趣味としては残りそうです。アナログレコードが小規模で復権しているように、銀塩フィルムもそれなりに生き残る可能性があり、またオールドレンズはアダプタ経由ミラーレス接続で趣のある(加工のない)絵が撮れるので、最新のピクセルにじみのないクリアなデジタル専用レンズのぴりっとした絵に飽きた層には、表現の選択肢としてのオールドレンズはそれなりに活路を見いだすでしょう。

困るのは中判や大判用レンズで、最新の撮像素子の求める解像度に達しないレンズはぼけぼけの画像になってしまうことから生かし切れていないのが現状で、フィルムも高いですし、行き場が無くなっているところが若干残念であります。

一時期フラットベッドスキャナを改造してスキャンカメラにするという猛者が現れましたが、最近はどうなのでしょうか?私もテストしてみたのですが(スキャナを3台潰しました)ぼやけたり、モアレが出たり、絵がゆがんだり、スリットカメラ特有の症状と、センサのSN比の悪さに閉口してしまい、製作を断念してしまいました。
手軽にオールド中判大判をデジタル化して楽しむ方法を模索しているところです。

とまあいろいろありますが、いまのところはソニーのミラーレスに純正やらサードパーティーやら、オールドレンズやらを取っ替え引き替えして、スチルやムービーの用途シーンに合わせて使い倒すという、刹那的なカメラライフが吉のように思われます。


0 件のコメント: