2008年12月31日水曜日

NHK紅白のHIFI再生・・・・ってドウヨ?




ナカナカ難しくて、頭を悩ませるのがNHK紅白の音楽再生である。

NHK紅白って、一時期バカにしてたんですけど、もの凄く日本的 ドメスティックなエンターテイメント かつ、年末の家族団らんに、こんなに良い番組もないってことに、ノイローゼ気味で郷愁に耽っていた(涙)北米出張中に、Japan TVで見て、ようやく気が付いたのである(笑) ・・・・・で、帰国後も本格的に試聴してみようかと思うようになってきた

映像はハイビジョンだと、液晶でもプラズマでも、さすがに綺麗である!(アリガタヤ)

しかし、問題は音声である。

条件の厳しいリビングで再生しなければならないのと、ソースの送り出しが不安定で、しかもコンプかけまくり・・・特に地上の通常放送は・・・なかなか難しいのである。 (毎年大泣き・・・・ボロボロの音質 聞く気も失せていた)

しかし、今年は、今のところ上手く行っている!笑

今年の対策は・・・・地上波デジタル音声をソースダイレクトで

SONY PIXYの例のアクティブスピーカーに直入力。

しかし、これだけでは、めいっぱい中抜けで、寸図まりの音・・・・ 大泣き

そこで荒技だが同時出力の

液晶テレビの音声を8cmフルレンジ密閉箱に外部端子からパラレル接続で繋ぎ、
これをテレビのま後ろに隠す(センターチャンネル的な使い方である)

で、ボーカル中抜けの時にはリモコンでテレビ音声を増やし、

ワイドレンジでボーカル出過ぎの時にはリモコンでテレビ音声を絞る

8cm密閉フルレンジが音声のレベル調整を担当するわけである。

大成功だ!

効果音はエレクトロスタティック型ツイーターの美音
低音はモーションフィードバックセンサー付きアクティブウーファーがドッスンバッコンと再生

え、NHK紅白って、オーディオ的に、結構音が良いですね。初めての驚き

ナマ演奏かつ、歌手のマイク出力に、ごくごくフツーのエコーがちょっとかけてあるだけで、垂れ流しなので・・・・・・

歌手の声、歌唱力がモロに出ちゃうのですね・・・・・・。これは結構凄いかも。

ちなみに、前半ではラピュタの曲を最初に歌ってた方が凄かった。滅茶苦茶声が伸びますね。

ちなみに、ロック系、ポップス系等のドラムスやベース、エレキは無茶苦茶にコンプかけられてて、これはどうにもいじくりようがない。

エンヤ・・・ちゃんとエンヤっぽい音がしていた。(CDの音には負けるけど、ライブ中継でこれならエライ)

○川さゆりのイントロのエレキは綺麗に鳴った!これはイチローのテーマ曲とか・・・結構嬉しい。

演歌は、まるでナマなので、リアルでもの凄い・・・ (趣味ではないので嬉しくはないケド・・・大汗)

Hifi再生の ○谷 豊・・・ まさにオヤジのカラオケ・・・ 家族全員ドン引きー
公共放送デスヨ・・・、勘弁して欲しいデス(泣き)
 

○進一・・ハイビジョン画像+リアル音像では、熱唱を通り越して、チョット怖すぎ・・(ガクガクブルブル・・・・)

NHKって、結構スリリングなことを・・・

ちなみに 続く「行く年来る年」 では 除夜の鐘 ・・・・ 梵鐘の重低音(最低域はカットされているようだ)と参拝客の足音が神社仏閣に反響して、ナカナカリアルである。 

こういった音も、アクティブスピーカーの本領発揮である。

2008年12月30日火曜日

リビングのオーディオ SONY MHC-J970EX PRO Pixy2

リビングのオーディオ SONY MHC-J970EX PRO Pixyの続き・・・

今回の改良のポイントはウーファーフレームの徹底強化にあった。

モーショナルフィードバックでガンガンにドライブされる16cmのコーンは、かなり軽量なコーンなのであるが

相当な大ストロークで動作する。

磁気回路全体が揺さぶられ、脆弱なフレームを含めユニット全体が猛烈に振動しているのがわかる。

従ってパワーが入れば入るほど音がボワンとした締まりのない音になる。特に低音はボコボコで最悪

鉛ウエイト接着、ウーファーフレームの強化の対策後は劇的に改善され、音のエッジが立って、低音も締まりのあるものに変化し、本領発揮といった感じになる(笑)

中域から低域は16cm一本のフルレンジ動作なので、音の繋がりも当然良い

ある程度の音量を入れると充分に量感のある、厚みのある音が出る。


但しビンテージのモンスターユニットとは対照的で、音の立ち上がり、切れ、深く切れ込みのある立体音像といった感じはなく、淡泊でややソフトな音像である。

この繊細さは、エレクトロスタティックの高域にマッチし、スムーズで聞きやすい。

ツイーターの音量をやや高めに調整し、ツイーター軸上で試聴するのがポイントである。

BGMで聞き流すような使い方には最高である。

このスピーカーの弱点はエレクトロスタティック型のツイーターで、静電気で
埃を吸い込んで電荷が溜まらず、音量が落ちることが多いこと。
それだけでなく、劣化した膜がべとべとと電極に張り付いてレンジが狭くなるのである。

この対策は有効なものはないが、息を強く吹きかけるという原始的な方法(大笑い)と

最近気づいた方法なのだが、事務用の”シール剥がし”のスプレーをほんのチョットだけ電極のところに吹きかけると・・・・・・見事な高域が瞬時に蘇る!(笑)

おそらくネトネトして電極に張り付いた振動膜が剥がれるのであろう。

繰り返すが、吹き付ける量は、絶対に、ほんのチョットだけ である。大量にかけると、ツイーターのアクリルフレームに亀裂が入りボロボロになってしまうのだ・・・(大泣き)

対策後に非常に良く鳴っているSONY MHC-J970EX PRO Pixyのスピーカーで音楽を聞いていると
日本人はやっぱり淡泊で色づけの少ない音の嗜好があるのかなと・・・なんとなく思う

パワーアンプ部の半導体がそれほど高級な素子ではないので(笑)表現力に限界はあるものの

日本的な美しさを湛えた、限りなく繊細透明で、しかも低域の量感もあるこのスピーカーは 
ただものではない・・・隠れ銘スピーカーである。

2008年12月28日日曜日

リビングのオーディオ SONY MHC-J970EX PRO Pixy を再生!

オーディオネタに戻り・・マス

不遇の隠れ銘SP、 SONY MHC-J970EX PRO Pixy を再生・・・・



年末、大晦日から正月は家族サービスの季節である(涙)

こんな時に家の仕事や子供の面倒に背を向け、持ち帰り仕事やら、オーディオにうつつを抜かしたら

三行半間違い無しである・・・涙

でも、長時間居るリビングで、如何に良い音を聞くかはオトーサン的に大問題なのである。

耳障りな彫りの深いHIFI音ではなく、BGMとしてごく軽く聞き流せるさりげなさの中に、聞き込むと限りなく情報量があってオーディオもしっかりと楽しめるような・・・・って、 実際難しい。


部屋にもしも置けるんだったら、QUAD ESL(ESL57)の音がリビングには最高だろうが、とても置くスペースはない。

そもそも、高額な機器やマニアックな機器は子供のいる家庭のリビングには向かないのだ。

リビングは危険が一杯である。
子供達が暴れてスピーカーを倒したり、コーン紙を破る危険性は高いし
ジュースをこぼしたり、マジックやクレヨンでイタズラするかもしれない

キッチンと接しているので、焼き肉の煙や焼き魚、天ぷら油でスモークされる危険性が高い。

で、しかも家族からは  複雑で使いづらい機械は絶対にゴメン との 注文

しかし出来れば良い音で映画や音楽、TVの"音"を手軽に楽しみたいのである。

しかも低予算で・・・でも音質的にコンデンサー型は捨てがたい。そこでイロイロと考えた末、これにした。




ソニーのミニコンポに使われていたアクティブスピーカーである
PIXYとかいったらしい。 
バブル期の機種である 日本のオーディオ製品が理想に燃えていた時代・・・




なんと高域は本格的なエレクトロスタティック型 コンデンサースピーカーなのである




しかもウーファー(16cm)は加速度センサー付きモーショナルフィードバックアクティブスピーカーなのである 30cm相当の低域再生・・・・・




デザインも未来派・・・しかし

劣化が激しい。
ウレタン塗装はご覧のようにべとべとに
コンデンサースピーカーユニットは埃と電極への固着で高音が出ない

ウーファーは低音モコモコのだらしない音である。

音の評価は極めて低く・・・・・・だいたいオクで数千円で入手できる。 ○ードオフのジャンクコーナーで発見されることも、結構あるらしいとの噂・・・・(いい話だなあ)

音が死んでるので、とてもじゃないがそのままでは使えない・・・(大泣き)
 
しかし電源部は超強力、パーツもゴージャス・・・・ 恐ろしく先進的なユニット構成

噂によると、これをチューンするとおそろしいことに・・・なるらしい(笑 )

まず脆弱そのものの、ウーファーのフレームをガラス+エポキシ+グラスファイバーで徹底強化
最小限のブチルで制振 (金子式・・・・涙)

ウーファーマグネットの裏に鉛のウエイトを接着してさらに防振 これでキチンとした低域が出てくる。
(長岡式・・・・涙)

エレクトロスタティック型ユニットは放電後に分解清掃
ネトネトする膜を慎重に引き剥がし、膜をフリーにする
(危険ですから 高圧部の扱いに慣れていない方が手を出すのは絶対にやめましょう)

お決まりの高域駆動アンプ基盤の抵抗を可変抵抗器に置換し、高域のレベル調整を可能にする

すんばらしく透明繊細なコンデンサー型の高域の復活である。 (感激!!)

バイオリン独奏やオケが、繊細に、透明に、すがすがしく・・・・実に良く鳴るのだ!

プラのフロントカバーの内側をブチル等で適度に制振 すると、より静かになる

以上、めんどくさい作業だが、スピーカー自作よりは遙かに楽だ。

これをポータブルDVDプレーヤーに繋ぐ (アンプは不要)。

小さい筐体なのにスーパーウーファーに近い重低音
(ボンボンと若干不自然なのだが逆に映画、AV向きだ!!爆)

ドッスンバッコン、バリバリドカンのハリウッド映画の効果音のAV再生は勿論オッケー である。

Mr.ビーンの声が迫真の再生だったりして(驚)

「のだめ」とかの音楽映画も・・・(涙もの・・・・苦笑)

子供のJポップス(パフィーとか・・・涙)も、

奥様のクラッシックも(最近はヒラリーハーンやハイフェッツなどを聞いておる)

もちろんパパのマイルスや、ECMジャズも そつなくこなす。
(このスピーカーは音のタッチが軽いから 家族からJAZZはうるさい!と文句が出ないのだ)

財布も傷まず、家族もワタクシもそこそこ満足なのである。

あらためて、sonyも凄い製品を出していたのだなあと感慨にふける。

しかし製品としては、音の煮詰めがあと一歩だった・・・・残念ながら未完の大器である。

セッティングが悪いとややドンシャリ傾向に安っぽく鳴る場合もあるが、
弱点を補正して、セッティングを詰めると ・・・・・

エレクトロスタティック型ユニットの繊細さ  音離れ 浸透力
バイポーラーの豊かな間接音成分

高域と比較的繋がりの良いカプトン製カーボンコンポジットウーファー

通常のマグネット+コイルのユニットではナカナカ出せない、

ベルベットタッチの透明な美声をさらりと出す。 

改良さえすれば充分に銘器と言える・・・・・

これこそ日本の隠れハイエンド製品ではないだろうか?
Made in Japan恐るべし・・・・である。

2008年12月26日金曜日

Kodak DCS Proback

Nikon F eye level

Hasselblad 500CM s-planar 120mm F5.6 + softer  Kodak DCS Proback (180mm eq.)





当ブログはオーディオ趣味専用ブログ的展開で来ておりますが・・・・・

実はワタクシ 写真も趣味なんです・・・(爆)

案外、オーディオ趣味と写真趣味はオーバーラップするところがあって(めいっぱいオヤジかも・・・涙)

で、最近の写真趣味的マイブームは、コダックのデジタルのプロ向けラインである。

以前から狙っていた(笑)Kodak DCS Probackをなんと入手できてしまった・・・

動作確認されていない完全ジャンク品とのことで、普及価格帯デジタル一眼の値段でゲットした。

恐る恐るテストしたら動きました!号泣!!!!

ハッセル使いとしては涙もの。。。なんです。



思い起こせばハッセルへの道のりは遠かったです。

ハッセルは、中古でも滅茶苦茶に高くて、とてもシロートが買えるような代物じゃあ なかったデスよ。

以前はペンタの6x7使いでありました。ペンタのSMCコーティングはナカナカに優れもので、
しかもフォーマットが6x7!使いやすく、シャッターチャンスに強く、最高のカメラなんです。

ペンタの6x7は風景写真で大活躍しました。私の愛機で、今も動態保存しています。国産の素晴らしい名器です。

これにベルビア(50)や今は無きコダクロームあるいはテクニカルパンを詰めて、シエルパもポーターも雇わず自力で大型カメラ一式を担ぎ上げて、ネパールヒマラヤのカラパッタールでエベレストの夕焼けを撮ったりしていたんです。

で、高山病でもうろうとしながら撮ったネガ、ポジはワタシの青春の宝であります。涙

ネパール紀行のきっかけとなったのは白川先生の情熱的なエッセイでした。
リンホフを担ぎ上げて高山病でもうろうとした中で燃えるような真っ赤なエベレストを撮影した・・・感激しましたですね。

ワタシの滞在中は残念ながら真っ赤なエベレストは見れませんでしたけど、夕刻のエベレストは非常に美しいピンク色に染まりましたです・・・涙

ワタクシも趣味の範囲ですけど、ぼろぼろのリンホフ4x5 2x3やら、ペンタ6X7やらをまがりなりに使っておるのであります。 でも最近はデジカメがメインですが。ポジフィルムの4x5は凄いですけどランニングコストも、手間も凄い・・・泣き・・・最近は仕事が忙しすぎてとてもじゃないが出動できない。

で、その後はアンセルアダムス大先生の影響もあり、また、プロの先生方が中版からドロップアウト?してデジタル移行(=EOS)って流れもあり、その関連でハッセルの放出機材が流通・・・、落ち穂拾いしているのであります。

なぜならハッセルは”zeiss (ザイス)”のレンズが付くからなんです。
でも、ハッセルVシステム(レガシー)、ボディーの値段が下がってもレンズの価格はナカナカ下がらない。(涙) ハッセルV用のZeissは、レンズの品質がもの凄いので価値も下がらないのです!

端的に言って、ハッセルの魅力は殆どツアイスの魅力なんです。しかもハッセルのレンズは西独ツアイスが総力を結集して理想的設計、研磨、ガラス材を投入して創り上げた逸品揃いなんです。しかもフイルムフォーマットが中版なんですよ!・・・・・・って(熱い)

世のカメラマニアの皆様はライカの方に向いておられますが、確かにライカも素晴らしいですけど、本気のツアイスもまた”凄いんです”ね。

で、しかもフイルムが中版なんです。35ミリでは辛い所もあっさりとクリアーしてしまうゆとりがあるんですね。レンズグルメ冥利に尽きる世界が、ハッセルにはあるわけです。

ありがたいことに最近はプロの方々がハッセルVの機材を放出されるので、程度にさえこだわらなければ、値段もまた随分とこなれてきたブツが出ています。チャンスがあれば、外観ズタボロでも肝心のレンズの程度の良いCレンズが・・・・ライカのレンズよりもずっと安く、デジタル一眼専用レンズよりも安価に手に入ったりしてしまうんですよ!!。

(ハッセルのブツ ボディー レンズetc に、ワタシは大枚叩いたことは一回もないです。大概は難あり品ゲットして自分でコンパーシャッターを分解、調整、整備してます・・・爆)

で、ネガカラー(富士も良し、コダックも良し)自家現像、(ナニワカラーでいけます!)してスキャナー取り込みとか・・・たまにポジ(=トランスパレンシースライドフイルム ベルビアとか・・・)プロラボに現像依頼・・・・・で楽しんできたわけですが、最近は現像する暇も、プロラボに持ち込む暇もなく、やっぱり最初からデジタルで撮りたいなあと かねがね思っておりました。

最初はハッセルNKアダプターをつけて富士のAPS-C 一眼で撮っていましたけど
35MMの銘レンズには、解像感がかないません(大泣き)
しかも画角が狭すぎ(泣き)、レンズでかすぎで・・・・

やっぱり中版用のデジタルバックが欲しい・・でも高杉

ところが最近Kodak DCS Probackのメーカーメンテ期間切れとなり、プロ機材リストから外れ・・・
放出が始まる。動作確認品は高いデスケド未確認品は安い(恐ろしい博打である・・・涙)


で、コダックのKodak DCS Probackを遂に入手。

まんまCCDです。コダック製CCDなんです(CMOSじゃない)。

しかも北米向けのプロ用の現像ソフト付なんです。

本当のデジタルの世界が味わえます。小手先のノイズリダクションやデジタル補正などのない、素のデジタル画像なんです。(非圧縮)

白飛びしないんです、黒潰れしないんです、本当のハーフトーンが出るんです(かなりの余裕で・・)
しかもスクエアフォーマット1600万画素なんです。 (当初の販売価格は200万弱とか・・・)

絵のゆとりが違うんです。で、これを使うと、本気のツアイスの底力がそのまんまデジタル記録できてしまうんです。 

zeiss 恐るべし Kodak恐るべし・・・・ 

今やハッセルも富士フイルム製レンズにシフト(実は凄いんですよ富士のレンズって・・・・) コダックもプロ用デジタルから撤退・・・(大泣き)  民生用zeissはコシナ(富岡)が、ライカデジは日本の○○が作ってる時代デス・・・・・・でも・・・

実はホントニ米も独も和以上に写真”文化”が凄いんですヨ・・・・・写真王国、米国kodak、 そして光学帝国 独国のzeiss(ザイス 座椅子ではない 笑)の底力!!!

EOS+L lensとかで何の不満もない写真がバッチリと撮れてしまう大変便利な時代ですけど

EOSはランニングコストかからず、信頼性高く、使いやすく、プロ機材、会社備品として完璧なブツであります
逆にハッセルVとかは、とても高額で、メンテ費用がかさんで、AFもなくて、もはや使いづらい

フルサイズEOSがハッセルとか中版までをも駆逐してる世界的状況かと思われ・・・・
(EOS良いです、凄いです・・・涙)

でも・・・EOSって、簡単に上手く撮れすぎ・・・・(笑い)

個人の写真趣味(写真趣味ではない)としてはドウヨ?みたいなところもあって・・・・

だから今更ながら変なブツに嵌ってるんですけど・・・・・。
(オヤジの変なこだわりデスネ・・)

2008年12月23日火曜日

Jazz cafe white blend

寒い冬のリラックス用 









なんか、非常にかわいらしい・・・ (=オヤジ臭くない) 涙 ジャケットで・・・こんなの紹介するのは、はずかしいのだが・・・・・

ちゃんとした バーブ のオムニバスで、冬のBGMとして、結構お勧め。

02)ホエン・ジョアンナ・ラヴド・ミー / ポール・デスモンド&ジム・ホール

09)冬の月 / スタン・ゲッツ


10)レット・イット・スノウ / ジョー・ウィリアムス


11)サンタが街にやってくる / ビル・エヴァンス 

特にジムホール、スタンゲッツ、ビルエバンスあたりがお勧め (聞き慣れているからか?)

最後のチャーリーパーカーも バードらしくない所が逆に良かったり・・・笑

管球アンプでマッタリと温かくドライブ。

ボーカルも、暖色系を意識してチューニング、再生すると吉である。

シリアスなオーディオ再生だけでなく、
旨味たっぷり、極上のBGM再生もまた奥深く・・・なかなかヨロシイ。

Quad ESLなんかで静かに流すと最高である。(涙)

家族の受けも良いジャズアルバムである。(この季節の基本かと・・・・)

2008年12月21日日曜日

feel Christmas  the most relaxing

クリスマス用CD もう一枚


the most relaxing feel Christmas  







7.ホワイト・クリスマス/(小野リサ)[3:46]
8.戦場のメリークリスマス/(マキシム)[3:51]
10.ザ・クリスマス・ソング/(小林桂)[4:01]
12.ロンリー・クリスマス/(寺井尚子)[4:42]
13.クリスマスを我が家で/(ホリー・コール)[3:10]


仕事が忙しくて雑誌やラジオなどから遠ざかっていると、どうしても聞くCD、ミュージシャンがワンパターンとなりマンネリ化しやすいものだが

こうしたCDで新たなミュージシャンや好録音CDを発見することが出来て非常に都合がよい。

また、オムニバスCDは収録音にバリエーションがあるので、オーディオチェック用としてナカナカ有用である。

クリスマスのCDには音質の宜しくないもの(単なるシーズン企画)も少なくない中で、このCDはナカナカバランスが良い。

特に小野リサとマキシムあたりはクリスマスらしくてヨロシイ。

寒い冬の夜、管球アンプに火を入れて、真空管のほのかなブルーとオレンジの光りを眺めながら

三極管シングルでドライブするバイポーラ(リボン)やコンプレッションドライバーの奏でる
クリスマスソングも、これはこれでナカナカである。 ビール一杯引っかけるとさらに・・・・(笑)

マキシムの「戦場のメリークリスマス」では
シンセの多重録音で構築された高音域が、雪の結晶が夜空を舞うかのように、非常に繊細透明かつ緻密で、リボン+三極管シングルの発する高音は極めて美的

これはある種のオーディオ的快感というやつではなかろうか・・・・。

美音を聞きながら、仕事の疲労がどっと出て、ウトウトと少々居眠りするのが、最近のささやかな癒しタイム・・・(涙)になっている。(笑)

直ぐに家族から呼び出しがかかって中断するので ほんの一時である。(涙・・・)

2008年12月18日木曜日

Baby, It's Cold Outside

年末は忙しい

特に今年はあまりにも激動の一年
様々な思いが疲労感と共に頭をよぎる
感傷に浸っている余裕はあまりないのだが

欧米は、クリスマス休暇に入る頃だ。
景気後退で厳しいクリスマスになっているのかもしれない

さて、

クリスマスアルバムの季節である。

ホーリーコールのクリスマスアルバム




ジャケットのデザインは・・・・???だが

シリアスなオーディオ再生に耐えられるクリスマスソング集

特に7曲目




If We Make It Through December

今年の厳しい冬を思わせる悲しい歌である。


この曲のサックスは、分厚く、浮遊感があって

ホーリーコールの歌唱力と相まってすばらしい。

ホーン型、ベンディングウエイブ型、バイポーラ型、ブックシェルフバスレフ

どれでも、割と良く鳴る。 

ホーリーコールの力だろうか?収録のバランスがよいのだろうか。

こういうアルバムで、疲れた心を少し癒して、仕事に戻るとするか。


2008年12月13日土曜日

A Tribute to Jack Johnson

A Tribute to Jack Johnson








ジョン・マクラフリンのシャープなギター

マイルスのクールなトランペット

ロックのビート ベースも凄い

最高である・・・・・笑

こういったアルバムは大音量 爆音系でガンガンに行きたいところであるが

住宅事情より、そうもいかない場合もあり 涙

だからといってヘッドホンで聴けば気が済むというモンでもない

このアルバムを音質最高!かつオーディオ的快感!かつ中小音量で満足できる!再生?・・・
を実現するのはナカナカ容易ではない・・・が、そういった要求になんとなくチャレンジしている所である。

ミスマッチ覚悟で、その時の気分、シチュエーションで、ハマル スピーカーシステムを選択して聴いたりしている。

まず、ジョン・マクラフリンのギターだが、エレキアンプの切れ、パワー、スピードと適度な歪み感 を
不快感なし・・・・に実現しようとすると、ソリッドステートよりも管球式アンプが良かったりする。
特に211やVT52などの三極管のドライブ段の球を 普段使いの5691や5692から、6SNやSLの軍用球や民間向けの球に交換し、わざと歪みっぽく、個性的な音に変更すると・・・・・・ ハマル。

ギターアンプでやってる音作り(適度な歪みを付ける)を自宅の再生システムでやるわけで・・・・・、その音がダイレクトにAltec299ー中型ホーンから放たれるので、快感度は非常に高い。

Altec299はアルミ系フラムなので、最近のチタンやベリリウムのような切れは無いが、チリチリする感じはなく、逆に厚みと適度なくすみ感があって、これが粘りのあるエレキギターを再現するのだ。

中型ホーンから放たれるマイルスのトランペットの浮遊感もまたナカナカである。

強化プラスチック製ながら、JBLの最新設計?のホーンらしく、高域のビーミングがないので、長時間聴いても疲れないのも有り難い。薄手のアルミホーンのような不快な鳴きも無く、非常にスムーズな音である。(高域ビーム、ガンガンのシャワーに耐えられるほどの気力がないのである・・・・ 涙)

206AX、Amcronでドライブする低域もまた凄い。こんなベースの音を青春時代から聴いていたら良かったのに・・・と、かってのロック小僧として感慨深いものがある・・・・

って最近はロックあんまり聴いて無いナ・・・


案外ハマルのが、バイポーラのフォスのリボン型やベンディングウエーブのOhm Fでの再生である。

バイポーラのフォスのリボン型では、まさに手の届くところに超微細かつ彫りの深いリアル音像が浮かび上がり、マイルスやジョンのテクニックやフィールに浸ることができる。

全くストレス無しに、まさに音楽に集中できる。

一方、ベンディングウエーブのOhm Fによる再生では、エフェクターを効かせた、まさにエレクトリックなリパーブ?が部屋いっぱいに響き渡り、時代を感じさせる これもまたマッタリとして非常に楽しめる。

いずれにせよ、どのシステムであっても、如何に分厚く、一音一音にパワーを乗せるかが、快感な再生の鍵になりそうである。

2008年12月7日日曜日

ベンディングウエーブの音、バイポーラの音

どうやらワタシは

ごく普通のドーム型やコーン型のスピーカーよりも

発声スタイルの異なるスピーカーの音に惹かれてしまうようだ。

もちろん良くできた普通のドーム型やコーン型のスピーカーも

徹底的に磨き上げ、エンクロージャーを無共振化して

美声のアンプでドライブすれば

それはもうスンバラシイ良い音・・・であるのだが ・・・

ちょっと待てよ・・・・・と

ピンポイントの定位、シャープな音像の立ち並び、ホールトーン

凄く良いのだけれども・・・・

なんとなくミニチュア音像的な、美しい箱庭的世界を抜けられないもどかしさ・・・・に悩むのである。
(もちろん定番の名器とか・・・自作とかも・・・いろいろやりましたが・・・涙)

もう一歩の開放感やダイナミックさ、ナチュラルさ、のびやかさ が欲しいと思うと

チョット危ない ベンディングウエーブの音や、バイポーラの世界に

だんだんと引き込まれてしまうのである。

ベンディングウエーブは独特な音離れと浸透力
部屋中に実にリッチに音を響き渡らせる
ホールさながらの音響空間で、ライブの会場に居るような気分は大変ヨロシイ

リボンやコンデンサー式のバイポーラ型は

生々しく、極めて高分解かつナチュラルな音を

ふっと自然に放射して

後方に放たれた音が部屋に反射してフワリとした余韻を追加し

丁度スピーカーの辺りにリアルで自然な音像が立つ

等身大の音像はややソフトな聴き心地ながらも、長時間の音楽鑑賞に向くものである。

スピーカーの設置場所には大いに悩むが

これらの個性ある音は捨てがたい魅力がある。

2008年12月6日土曜日

Ohm F

Ohm F

のエンブレム

社名自体なんとなく冴えないというか・・

輸入された当時、日本にも他社が商標登録していなかったのだろうかと勘ぐってしまうほど

しかしユニットはただ者ではない。

高域チタンフォイル 中域 アルミフォイル
そして低域は厚めのコーン紙で
コーン紙には同心円状にスリットが加えられており
ベンディングウエーブ動作をコントロールして
無用な共振を押さえているようである。
中域とのまとまりが良く、締まりのある低域が心地よい。


2008年12月3日水曜日

Ohm F walsh driver







ゴツイマグネット

巧妙なベンディングウエーブ発声体

MITの俊英、ウオルシュの設計による

全方向性、フルレンジユニット

ベンディングウエーブの動作原理そのものは、古くジーメンス時代からあるらしいが

これを、フルレンジの、この形にまとめ上げたのは、素晴らしい着想と技術力である。

ジャズ向けの、ブ厚い音の再生もOKで

これは大した発明品である。オーディオスピーカーの発想のコペルニクス的転換とも言えるかも。

こんなアイデア、常人には、なかなか出来ないと思う。



生産された時期により、磁気回路を支えるステーの補強桟や形態に、いくつかのパターンがあるらしい。

大型のアルニコマグネットの採用や

チタンフォイルなど、今日の視点からしても、豪華な仕様になっており、

音のシャープさ、華麗さ、厚みやパワー感を伴う高度な質感は、ナカナカ凄いと思う。

2008年11月27日木曜日

Seven steps to Heaven






Miles の隠れ名盤
名盤中の名盤の陰に隠れてやや目立たないアルバムだが、これも良い・・・デス

適度にリラックスしたバラードが 聴かせる

このアルバムの再生には意外にも 全方向型フルレンジの
Ohm F
が良かった。

マイルスのオンマイクのミュート トランペット


Ohm Fのチタンフォイルが、
ベンディングウエーブ動作で放射する音なのだが

まるでそこにマイルスが居る・・・・ かのようなリアルさ、クリアーさで

スムーズに、クールに吹いている。

明るい音調、トーンが素晴らしい。

パワーを入れるほどに太く厚く、クリアーで
ベースも歯切れ良く力強いリズムで

充分にパワフルな音像でありながら
コンプレッションドライバー+ホーンのような

押しつけがましいところが微塵もなく・・・・クリアー

音場型スピーカーでジャズというのも

なかなか、どうして
実にリッチな感覚である。

ベンディングウエーブによる発声は
なんともいえない浸透力のある音で

例えば演奏会で楽器の音がホールを伝搬してゆく感じそのものを
リアルに再現する

この点に関しては右に出るものがない感じだ。

ワタクシは音場型として、フォスのリボン型やクオードのコンデンサー型を愛用してきたが
これらのバイポーラ(前後方向放射型)の音場再生とはまた違ったリアリズムである。

どちらかというと、ややボリュームを大きめにし、
部屋一杯にホールトーンを満たしてリッチな響きを楽しむには、ベンディングウエーブ 全方向型のOhm Fが良く

演奏者のホログラフィックな音像を間近に置いて、
高解像度で細部まで克明に描ききる(しかも充分な余韻をたたえながら・・・・)聴き方には
バイポーラのフォスのリボン型やクオードのコンデンサー型が良い。

どちらも 音楽再生という点で 得難い特性があり、甲乙付けがたい。

やはり両者を、ソースと気分で切り替えながら楽しむのが良さそうな感じである。

2008年11月24日月曜日

アナログなワタシの好きな スリリングな ブツ 達・・・・




当ブログは、無名で訳の分からないユニットやパーツ  「ブツ」 (ガタクタとも言う) を取っ替え引っ替え 自分好みにいじくり倒し・・・・・・・ で、案外 音楽的に 発見多し・・・・

オーディオは理屈じゃないナ・・・・・ と思う。

値段でもない・・・・ 

というか、そういった「ブツ」は一般的には「ガラクタ」そのもの・・・・理解不能+無名=無価値・・・・な世界なので、マトモナ値段が付いていない。

とにかく、その時代の渾身の力作で、充分に物量が投入され、音楽的に練り上げられた 「ブツ」 であれば 復活して実力を発揮させると、もの凄いことになってしまう場合があるということである。

とにかく音楽が鳴るようになる。これが理屈抜きで楽しい。

耳タコの大好きなアルバムが、何度聞いても生き生きと新鮮な感動を伴って楽しめるのだから、誠に有り難いことである。

但し、殆ど朽ち果て、素性も判らなくなっているような ブツ ばかりなので、自作またはレストア等の作業は必至である・・・・・  涙

しかし技術と根性さえあれば・・・・・・それなりの予算でも 充分に 楽しめてしまう。(笑)


特に 底力のある  隠れ銘ユニット と

バランスの良いアナログプレーヤー  と カートリッジ

球アンプ・・・・ (ぼけてるのはダメ・・・・シャープでバランスの良いものに限る)

・・・・イケテマス!



振動し、発声する 銘器 (迷機?) ブツ は

安っぽい例えだが 弦楽器の歴史的名器のような、特別な楽器と同様に   

単なる物理振動の中に何か特別な 

一種の神懸かり的?な調和のようなものが突然 成立する?(してしまう)場合があるようだ・・・・・

(ワタシはオカルト系のオーディオマニアでは決してありません・・・ 単なる音楽好きです・・・・苦笑)



このアタリの不思議な世界を垣間見ると

感性に訴える オーディオ的 「ブツ」 のスリルを実感することが出来る。 (ヤメラレマセン・・・)


新製品でそういったスリリングな「ブツ」がめっきり減ったのは誠に残念・・・・・

(あっても 高過ぎ・・・・だったり・・・ これから景気悪くなるから開発自体も・・・・・  涙)

2008年11月22日土曜日

Ohm F walsh driver 苦手なアルバムを楽しく



Ohm F walsh driverは不思議なスピーカーで

その場に音場を作り出す能力を持っているので



なんとなくフワリとしたライブな空間ができあがり、そこに音楽がポッカリと浮かび上がる。

美声という感じではないが、適度に太く、芯があり

神経質ではないのは大変有り難い。

音楽的包容力とでも言うべきか、それがナカナカ厚い感じである。


ありがたいことにこれをうまく利用すると

何となく苦手でレコード棚の端にしまいこまれていたアルバムが

予想以上に大変良く鳴って、嬉しい発見がある。

ワタクシはMilesが大好きなのだが

どうもギルエバンスとの競演のアルバムだけは苦手で・・・(涙)
なんとなく映画音楽風・・・・で、なおかつマイルスのソロは良いにも関わらず

ギルエバンス流の ノリ に多少の違和感を感じて ・・・・・涙

個人的に のれない 感じで あまり聞いていないアルバムであった。

ところがOhm F walsh driver で再生すると
これまたビックリの なかなかにハマル一つの世界・・・・・・・・・

マイルスのソロも、生き生きと・・・・・・ナカナカこれはすばらしい。

食わず嫌いであったことを反省するのである。
(曲想がほの暗い感じなのだけは致し方ない・・・・笑)


やはりアルバム毎に、相性の良いユニットで再生すると 発見が多い。

オーディオ趣味というのも、音楽好きにはまことに有り難いものである。

2008年11月16日日曜日

Walsh driver


荷造りヒモでコーンを吊ってる辺りが涙・・・・であるが、不思議に良い音だ!(爆)

今回のOhm Fは良い意味でショッキングな出来事であった。

ワタクシの夢、当面の目標としては、 まあごく普通に売られているような、お気に入りのCDが 音響の良い小ホールの最も良い席(やや前の方)でベストコンディションでコンサートをじっくりと楽しめたとき・・・のライブ演奏の感じ・・・・・・を我が家で・・・・・ といった欲張りな願望であった。

Ohm Fは、管弦楽独奏または室内楽に関して言えば ライブ感を含めてほどほどのクオリティーで収録されたアルバムであれば・・・・・

まさに文句無し!のリアルサウンドを

いとも易々とホログラフィックに、ポッカリと目の前に浮かび上がらせた。

のけぞり・・・のサウンドである。

特にアムクロンで駆動してパワーをぶち込んだ場合は、

この手の音場型スピーカーでお決まりの、希薄で力のない音とは決定的に違って、 例外的にもの凄く力のある、ナマに近い、打撃性のある音である。

しかも繊細に切れ込んで、浸みるような高域もあり・・・・で、 特にホールトーンは文句の付けようがない。

勿論万能スピーカーではなく オンマイク、スタジオ録音マルチモノ、エコー付加の、バンゲルダーサウンドみたいなアルバムは  Ohm Fでは悪くはないが、特に良くもなく、 特にベースなどはカナリショボイ感じの音で、トランペットはよいが、サックスは今ひとつ締まらない。


こういう正当派のマルチモノ録音(笑)は、Tru-sonic 206+299+3815Aなどの、ホーンシステムの方が、 マッシブな音塊を直線的に放射してくるので、特にジャズのアルバムなどは非常にジューシーな旨味が乗ってまことによろしい。

一方、ホールトーンが殆ど記録されていないような、やや音場感の欠ける録音のクラッシックのアルバム(○ラモフォンとかで時々ガッカリするあれ・・・・)では、

プレナー型のリボンシステムやコンデンサー式のESLが良く、前後に放射される音が反響して適度なライブ感を作り出し、ホログラフィックな音像を浮かび上がらせてくれるので、これもまた悦楽気分で・・・・・録音の善し悪しを乗り越えてごきげんな世界である。

今気に入っているスピーカー群は、雑誌にも、ウエブにも殆ど登場してこないカナリ怪しげなゲテモノばかりだが、実際に使ってみて初めて、これは!と思えるスピーカーがまだまだあることは嬉しい限りである。

とっても高級な試聴室に置かれている、先生や雑誌や店員さんの褒め称えているところの、有名なスピーカー群も、もちろんしっかりと鳴らせばどれもこれもが素晴らしいのであるが・・・・・・・

一発ブチ切れて、常軌を逸脱したようなモンスター達の音と比較すると、やや優等生的で、どこか一線を越えられないもどかしいような感じがするのである。

お気に入りのモンスターユニット達は、説得力のある世界、カラーを持っている。
ライブさながらの、打撃音や、抜群の音離れ、際だった音場感などを、さりげなく響かせ、聞く者を呻らせる。


とまあ、屁理屈はさておき、やはりソース、アルバムに合わせて、特徴ある美味しいスピーカーを選択して鳴らし込むのが吉であるということを、まざまざと見せつけられた(聴かせられた)Ohm F初体験であった。


Ohm F walsh driver

Ohm F walsh driver

全方向放射の音場型である。




この怪物ユニットは耐入力が高く

短時間であれば連続200Wぐらい入る。

インピーダンスは3-4Ω

出力音圧レベルは86dbと充分実用範囲である。

単に86dbといっても、しっかりしたアルニコ磁気回路を備えているため、音に力があり、芯がある。
(某資料によるとアルニコマグネットの重量は4.6kgとか・・・・まさにモンスターである・・・・・)


それで音場型であるから、ちょっと驚きである。

発売当時は適当なハイパワーアンプがなく、苦労したらしい。

現在はアンプ技術が発達しているので何の問題もなく駆動できる。

このユニットは音響理論的に非常に巧妙に設計されているが、

トライアンドエラーで作り出された職人芸的な要素を持つ製品でもあり
一種の危うさがあるので、

特に中低域以下の特性はやや不安定で、部屋の影響、セッティングの影響を、モロに受ける

低音のコントロールが成功のポイントとなるので、

アンプは出来るだけ駆動力の高いものが良いようだ。
すなわち3極管シングルよりも プッシュプルがよく
MOS FET系よりもバイポーラでダンピングファクターの高いアンプがマッチする。

コンデンサースピーカーの様に容易に破綻しないので、
ある程度パワーを入れて、朗々と響かせる使い方がハマル。

巧みなのは、ベンディングウエーブのみではなく、円錐コーンをピストン運動させて、ウーファー動作も
行うことで、全放射型スピーカーにつきものの、低域の不足感を補っているところである。

この低域ブーストは、過剰なものではないが、アンプに力がないと緩く膨らんでしまい、中高域との繋がりが悪くなるので、

締まりがあって、量感もあるアンプが望ましい
アムクロンはその点ぴったりである。

このユニットの凄さは、低音の放射が円錐コーンの基部から生じるので、
ほぼ理想的な点音源の条件が整えられている。
上手くチューニングすると全域に渡り、極めてまとまりの良い音にできる。

ホールトーンをたっぷり収録したライブ録音のアルバムは
本当にすさまじいリアリティーで


ホーン型と全く正反対の方向性だが

圧倒的にリアルなステージを出現させる。

マッタク危険なスピーカーである。

2008年11月15日土曜日

Walsh unitの修理 2

完全に伸びきったダンパー位置を少しずつ本来の位置に矯正。

慎重にセンタリング調整を繰り返す。

ギャップ幅が狭いのか、なかなか動作が安定しない。
低域までカバーするフルレンジなので、ストロークが大きく、どこかで擦れてしまうのだ。


ダンパーの沈み込みに対しては良い対策がないので、とりあえず

ポリの薄線 (荷造りヒモをバラけて広げたもの 笑!)でエッジ部を吊り上げてみた。
まるでエッジレスウーファーである



苦闘数時間。
遂に、擦れが無くなったようだ。

エッジなしの状態であるが、暫定的に鳴らすことに決めた。
とりあえず手近にあったKT88プッシュプルアンプに繋ぐ、


結構良い!なんなんだこれは。聴いたことのない傾向の音。

ひょっとするとダンピングファクターの高いアンプが良いかもしれない。



アンプをAMCRON MT600に変更

キター・・・・・・・・涙!



バイオリン演奏 ライブ版がハマル。



(このアルバムはナカナカ良い 演奏も、録音も秀逸 )



驚きの音!これは凄い。


パワーを入れるとどんどん良くなる。



凄く太く、浸透力のある音

低域も厚く、リアルサイズのピアノが浮かぶ。

バイオリンも・・・・・これは本当によい 分解能はあと一歩だが、

厚みと臨場感が凄い・・・・・

バイオリンの音が周囲に浸透する感じ、

ライブ感、ホールトーン まるでナマのようである。

音像がポッカリと浮かぶ

特に観衆の拍手が部屋一杯に広がる感じ これは全く圧巻である

恐るべし Walsh unit!! 

ジャーマンフィジックスと比較すると、ジャーマンフィジックスの方が高域を中心に、より繊細高分解で洗練された感じである。しかし、ジャーマンフィジックスは2way化により、コーン型ユニットによるバックロードやバスレフの放射する低域に課題がある。それにもう一歩力強さも足りない感じもある。

それに比較すると、Ohm Fはやや荒削りで繊細さにかけるものの、フルレンジらしくシームレスで

かつ パワーを入れると、豪快なナマのような力のある音が、ガンガンに響き渡る。

巨大なベンディングウエーブ式のユニットは伊達ではなかった。

ベンディングウエーブの、不思議な魅力ある響きに圧倒される。

厳しく言えば、このOhm Fの低音はコーン型+バスレフ的な動作によって音圧を稼いでいるので、完全にシームレスなフルレンジ動作ではない。

しかし、若干の癖はあるものの、高域から中低域までは、ぼぼ完璧に近い繋がりの良さがある。

このOhm Fは凄い。とにかく力強く太い。まさにワタクシ好みである。


フルレンジでこんな音は聴いたことがない。

ソースは選ぶが 一つの世界がある。

こんなユニットが存在したとは・・・・・ショッキングな出来事である。

Walsh unitの修理




ウオルシュドライバー

フルレンジであり、かつベンディングウエーブによる発声である。

実に巧妙なデザインになっている。

最上端ボイスコイルに直結しているのはチタン箔

チタンの下はアルミ薄板で、細いグルーブが刻まれており分割振動量が調整されている

最下端はパルプコーンである。これには所々スリットが入れてあり、これも分割振動の調整のようだ。

チタン、アルミ箔の内側にはウレタンが張り付けてあり、これも共鳴対策と思われる。

予想以上に凝った作りで、設計者の執念のようなものが感じられる。

さて、音は出るだろうか?

ダンパーが完全にへたっていて、重力でコーンが下がりきっている。

ボイスコイルは下がって、磁気ギャップ間から外れているようだ。

エッジも完全に朽ち果てており、

それがガムテープとゴムシートの素人修理で

無惨な状態にされていて、

しかもそれらは経年変化で脱落しかけていた。

まさに瀕死の状態である。

2008年11月13日木曜日

ウオルシュユニット Ohm F walsh

怪しさ全開の怪物ユニットが到着

宅配のお兄さんが大汗をかいて運んでくれた。

Ohm F walsh unit

予想以上に、いや、もの凄くデカイ

高さ1メーターを超える。

実に奇怪なデザイン。

トップのネットが崩壊寸前で、ボロ雑巾のように汚い ・・・・・涙

キャビネットの合板もささくれボロボロ・・・・・

ユニットもボロボロで音もまともに出ない。

かろうじて

ボイスコイルは生きているようだ。 導通はあり。





こんなブツを買ってしまってカナリ後悔している。音は出るだろうか?
びっくりするのは、磁気回路がカナリ強力そうなのだ。
良く判らないのだが、アルニコ外磁型か?
マグネット重量が 2.1lb アルニコ、10.25lb マグネットとある。
1kg?4.6kg?
ボイスコイル径がデカイ。38cmウーファーユニット並のサイズである
本格的な設計のユニットであることだけは間違いない。


2008年11月9日日曜日

またしても いけないものを・・・・ポチッと

仕事上のストレスがピークに達するとヤバイことになる。

ついついオクで

ポチッとやってしまった・・・・・涙

30年以上前のアメリカのスピーカーで ユニットはボロボロの状態という

無指向性のフルレンジユニットで、知る人ぞ知るシステム 

こんな製品が、日本に正規輸入されていたというのだから驚く・・・・・・

○商岩井が代理店だっととか・・・

これがガラクタになるか、お宝になるかは

マッタク運次第、腕次第である。

しかし大きい・・・・・重い

落札して初めて気づいた・・・(泣き)

もっと小さいものと勘違いしていたのだ。

もしも再生できず、ゴミになったら、

粗大ゴミの処分を考えると
かなりキツイ・・・・       (大泣き)

置き場所がないのでカナリ焦っている。

2008年11月2日日曜日

15 inchユニットの箱作り





励磁型スピーカーほどではないにせよ

強烈な馬蹄型アルニコVマグネットを背負った磁気回路 を有する、黄金期のユニット206ax

このユニットを使い、中大音量再生を行う際には

その強烈なエネルギーで箱が揺さぶられ、かなり共振音が出てしまう。

この共振音を出来る限り味方に付けるべく(笑)

響きの良い部材で箱を作り、適度に鳴らす方向性があり、また

徹底的に押さえ込み、余計な音を出さない方向でチューンするやり方もある。

一長一短なのだが、

前者はやや小さめの箱で、なんとか豊かな音を出す方向で妥協点を見いだす場合に良く

後者は大きめのエンクロージャーでゆとりのある響きを確保した上で、それ以外の雑音を出来る限り排除する方向性である。

これを無視して、小さい箱を徹底的に強化したりすると、かなり寂しい音の世界になる(こともある)。

(下手をすると、その寂しさを紛らわすために、高級アンプ、高級ケーブルといったドロ沼に直行してしまう場合も・・・・・汗・・・・・)

前者はアルティック指定箱の612 614 後者は620辺りに相当するだろうか。

部屋に余裕があるなら、後者の方が無難であるのは言うまでもない。

620の場合、米松のオリジナルよりも、良くできた国産箱、できればカチカチの高密度の部材で、内部の補強桟がガッシリ入っているエンクロージャーが好ましい。 デザインとしては、板厚のみの大きめの開口のバスレフが箱の前面に開いているものがワタクシ好みである。

これはアイコニックシステム直系のデザインで、さすがにバランスが良い。

これを聴くと、バスレフの音も決して悪くないことが良く判る。

チューニング次第だが、非常にハイスピードでキレの良い、しかも量感もあるバランスの良い低音が得られるのだ。

現在でも620の国産箱に604を入れた組み合わせが高い評価を受けていることからも明らかだ。

一方、ワタクシのような、都心の狭い部屋の居住を余儀なくされている(涙)場合には 、トールボーイの約140から160リッター前後のエンクロージャーがギリギリやっと入る感じであるから、200リッター以上の620はどう逆立ちしても、部屋に入らない・・・・・・・(大泣き)


612相当からそれ以下の容積の小型箱の場合、そのままでは低域はイマイチである。

低音は出ているのだが、ベストバランスの620と比較すると、少々ゆとりが足りないと言うか、やや詰まった感じになるのだ。

そこで、響きの良い部材を使ってエンクロージャーを作成し、補強桟を最小限にして、適度に箱を鳴らすことで、雰囲気やゆとりを確保し、それなりの音楽性を確保している。 また、吸音材やバスレフの調整も大変重要である。

バスレフは板厚のみの大穴を開け、背圧抜き+位相反転放射で、聴感上の音圧を稼ぐ手法を使う。

これはナカナカ優れた手法で、上手く背圧を抜いて、適度に響かせると、バックロードホーンを思わせるような軽やかで快感のある低音が得られる。 しかもバックロードホーンほどの音圧を必要とせず、小音量再生でもバスレフらしい量感があるのでベースもバスドラもイケル。磁気回路が強烈なユニットでなければ成立しない方法ではあるが。

但し低域の低い方50HZ以下は、ばっさり切り落とされる。(これは音楽とあまり関係ないので無視できる)


この方法の泣き所は、大音量再生の時である。

この時代のユニットは出力音圧レベルが100DBを軽くオーバーしているのでドッスン、バッコンと大音量を再生する誘惑に駆られることが良くある。

その際には、ユニットの強烈な背圧にさらされるので、並の補強のエンクロージャーでは、箱自体が共振しボコボコな低音になってしまったりする・・・・特に低密度の合板では本当に情けない音になる・・・・が、

幸か不幸か、狭い部屋では部屋自体も共振するし、隣家から怒鳴り込まれるのは必至・・・・であるから、大音量を出せるチャンス自体は極めて少ない。 (涙)

ワタクシの場合はこの点は全く問題にならないのである(笑)

2008年10月30日木曜日

206AXAのネットワーク改変



206AXAの後期のネットワークは おそらくoct12dbのLC型と思われる

206AXAの前期や、106AXはウーファーは直結、ツイーターはoct6dbまたは12dbのLC型だろうか。

経年変化でコンデンサーが逝ってしまったのか、フラムやコーンがヘロヘロになってしまったためなのか

クロス付近の繋がりが何となく悪い個体も多い。

修復の障害となっている最大の原因は、ランドセル型のネットワークケースの内部がタールで完全に封印されているために、中身が全く確認できないのである。

さすがにタールを溶かしてまで積極的に修理するほどの気合いはないのである。

ネットワークのクロス周波数も、資料が全くなく、なんだか良く判らない・・・・・・(爆) ので部品交換にも困る。

そこで暫定的にoct6dbのL、Cで、クロスを適当に振って実験している。

oct6dbのL、C回路は、スムーズで、クロス部分の音はややふわっとして、鮮度が高い感じである。


コンプレッションドライバー型ホーンは非常に敏感なので

コンデンサーの種類による音の違いが、かなり明快に出る。

それなりの品質のフイルムコンデンサーが必要になる様子で、

パーツボックスから懐かしのラムダコン(涙)を引っ張り出して繋いだところ、ナカナカの好結果が得られた。

昔フルレンジの高域改善のために、ツイーターのコンデンサーを換えながらいろいろやった経験があるが

ラムダコンの音は、ケミコンや安いフイルムコンではなかなか出せない音である。

高級フイルムコンデンサーの世界を久しぶりに実感した。

2008年10月27日月曜日

小型スピーカーユニットの呪縛




タンノイ最初期ユニット ショーウインドーの写り込みが強く、良く写っていない。

フレームが強靱で、アルニコの磁気回路が強力

同軸のデザインはウエスタン直系

いったいどんな音がするのだろうか?




最近は
15インチ同軸ホーンユニットや
オールリボンシステム
大型ドライバー+ホーン +15インチウーファー
コンデンサー型 フルレンジ

をレコードの内容に合わせて、相性を見極めて聴き比べているけれども

そういえば最近は、小型ブックシェルフのスピーカーは殆ど聴いていない。



ワタクシが これまでいろいろ試した結論からすると・・・・・

小さな箱にギリギリの口径のユニットを積み込んだ、通常のメーカー製スピーカーは

最終的に手放してしまっていることに気づく。



小さい箱にギリギリに詰め込んだユニットの鳴りっぷりは・・・・・・・どこか厳しいということか。


ドームツイーターや 小口径のコーン型ウーファーユニット
高級で良質なものも多く、それらを徹底的に高剛性化、無共振化すると
非常にまとまりの良い、均整のとれた音が得られる。
素晴らしい世界がある・・・ことは事実


それに湯水のように資金を注いで、アンプやラインを吟味すれば、カナリ良い音にはなる。



しかし、物性的にある種の限界があるというか

最終的にいくら頑張っても超えられない一線が出てきてしまうのも事実。


小型高級・・・・にはあんまりつぎ込まない方がよい・・・と思うようになった。

構成がドーム+小口径コーン+小型箱なら自ずと世界が決まってくるので

値段と性能を対比すれば、日本製のもので充分に程良かったりする。



反対に舶来の非常に値段の高い部類の商品は・・・・カナリ微妙・・・・・

確かに音楽性は豊かであったりするのだが。


音楽性や旨味をどん欲に求める層が冷静に判断すれば

この値段でこれはない・・・・怒・・・・・みたいなものも数多い。


もちろん、ブランドをお金で買う世界も確かにあるわけで・・・・それは否定しない。

日本製デジタル一眼の時代に高級な○イカのレンジファインダーカメラが今でも商品として成り立つ。

顧客はブランドと夢を買うのであって、日本のC社やM社がOEMで作っても人気は出ない。(なんと未だに日本人が世界最大の○イカの顧客なののである・・・・・笑!)

ちなみに某高級デパートの○イカショップでは、○ンのオーディオ販売も手がけている。
いずれのブランドも、雑誌広告や特集記事は万事ぬかりなし・・・・である。

こういうものにくすぐられると、ヒトは弱いものである
値段にビックリ、しかし、ツボを押さえた商品に呻らされ
直ぐ欲しくなってしまう


ところで、購入直後はともかく、熱が冷め、冷静さを取り戻すと、

いくら逆立ちしても、小口径ドームと中口径スコーカーやウーファーでは
やっぱり越えられない一線はある・・・・・・・ ことに気づく・・・・・

(どうしても、という場合は、せめてトールボーイのフロア型にして箱の容積を確保した方が良いと思う。)



ワタクシなりに、小型ブックシェルフの呪縛を解くべく、いろいろとそれ以外の形態のスピーカーシステムに取り組んできた

15インチ同軸ホーンユニット、 オールリボンシステム、 大型ドライバー+ホーン +15インチウーファー 、コンデンサー型 フルレンジ・・・・・

どれも曲者なので、割と苦労は多いが
やっただけの甲斐はあると実感することが多い。

2008年10月26日日曜日

アルミフラム



ヘラ絞りのハンドメイド製作であろうか・・・・

プレスではないので完全に均質化が出来ず、ある程度のたわみが生じる。

ヘラ絞りは、ダイアフラムの頂部のアルミの厚みが薄くなるので、理想的な特性が得られるという。

経年変化でシワシワになっている・・・涙

こうなると ユニットへの組み込み作業、

ボイスコイルのセンタリング調整がナカナカ大変である。

2008年10月23日木曜日

Tru-sonic 206 106 のダイアフラムとボイスコイル





Tru-sonic 206 のダイアフラムとボイスコイル

手作業で作られているのか、全体に僅かな歪みがある

長年の金属疲労による、小さな亀裂が痛々しい。

リード線は細い銅リボンである。

大汗かいて、苦しい補修作業が続く・・・・・非常に脆いのだ。

再生後の音は・・・・

若干の荒さはあるものの

力があり、キレが良く、生々しい。

想像を超える、驚くほど良い音であった。

JBLともALTECとも、WEとも違う。Tru-sonic のトーン

久々の感動である・・・・・・・・。

2008年10月21日火曜日

Tru-sonic 206AX 106AX のダイアフラム

Tru-sonic 206AX 106AXのダイアフラムである




1.5インチボイスコイル

手絞りアルミダイアフラムである。

Tru-sonic 206AXのダイアフラムは、極めて入手困難。

オリジナルのダイアフラムを初めて確認した。

プレスではなく、ヘラ絞り(手絞り)でアルミ板を圧延して作っていたのだろうか・・・・・

手作りの造形作品の雰囲気がある。

ボイスコイルは紙の上に巻いてある。

過大入力で容易に燃えてしまいそうだ。

これが極めて魅力的な音を出すのだから

不思議である。

詳しく調べると・・・・・・

波形エッジには金属疲労の亀裂が

銅リボンには付け根部分で断裂が

補修部品は手に入らない・・・・・・涙

ビンテージユニットとのつき合いは、なかなか大変である。

2008年10月19日日曜日

Tannoy 同軸15インチ 最初期型ユニット

Tannoy 同軸15インチ 最初期型ユニット









秋葉原の湯島天神近くの某ハイエンドオーディオ店の店頭に展示されている 最初期型ユニット


この店には時々SACDを買いに行く(最近は面白いディスクが減ったような・・・・涙)

WEの技術供与によって誕生した、Tru-sonic P52, 106A 等と、ある意味兄弟とも言える

かなりゴツイマグネットの強力な磁気回路を有し、フレームも強靱。

見た感じのスパルタンさはP52, 106A にも似ている。
ワンマグネット、2ギャップ、2ボイスコイルだ。

同軸ホーンをコーンにも受け持たせたところがタンノイのオリジナルである。

音がどのようなものなのか、大変興味あるところだ。

2008年10月13日月曜日

ビンテージモノラルスピーカーで疑似?ステレオ再生






ビンテージのモノラルスピーカー

古いレコードの旨味を絞り出すには

欠かせないチョイスである。

ビンテージにもいろいろあり、余りにも古くさい音を出すスピーカーでは、苦みや渋みが強すぎて
勘弁であるが ・・・泣き

強力な磁気回路を有し、優れた音楽性と適度な透明感を有する

150 4Cや 130A 605 206や106などは、今でも充分に使える 生きたビンテージである

ジューシーな旨味を出す方向性でチューニングすれば・・・・・

分厚い音像が飛び出してきて、ナカナカ使える者達である。



ところで、最近の高音質の再版CDであるが、

なかなか音が良く、アナログレコードを良いカートリッジで再生しているかのような

満足度の高いものが多いので実に有り難い。

(安直であるが・・・・最近は高音質のアナログレコードを集めるのも大変なので・・・・)

ところが、オリジナルのレコードは確かモノラルのハズなのに、

マスターテープがマルチトラックで保存されていたせいか、

疑似ステレオ、ステレオ風にミックスダウンされてCDに収録されていることが多いようだ

これはステレオでの再生では全く問題ないが、

モノラルスピーカーで再生するとチョット具合が悪い。

例えば、サックス、トランペット、ボーカル、ピアノと

右、左、中央・・・って感じでチャンネルを振って収録されていると、モノで再生するときに プリのセレクターで

R、 L、 R+L・・・・のどれかにチョイスする必要があるわけだが

RかLに固定すると、全然聞こえない楽器が出てきたりして・・・・シラケル・・・・・笑

無難なR+Lに固定すると、中央定位の音以外は、音が詰まった感じになって奥行きが出ない。


で、いいからかげんなやり方なのだが

好きなミュージシャンの出る側のチャネルをビンテージのモノラルスピーカーで再生し

反対側のチャネルはサブのスピーカーで小音量再生する、疑似?ステレオ方式を試行中である。

この場合、サブのスピーカーは、あくまでサブ、の雰囲気再生の位置づけなので、

音場型でフワッとした感じのスピーカーが好ましく

QuadのESL等を使っている。(アンプはAMCRONで、それなりに力強くドライブ、但し音量は絞る)

サブの方は、わざと定位しないようにリスニングポジションから距離をおいたり、

スピーカーの方向を内外側に振って、フワリとした間接音的な響きを狙ってセットする。

そうすることによって、ご贔屓のミュージシャンのパートは、

真打ちのビンテージスピーカーによる

まったりとした、旨味たっぷりのビンテージサウンドで、

これが朗々と部屋に響き渡る。  

(206AX再生のサッチモなど、泣かせる・・・・・・ 最近のHifi スピーカーでは出せない味わい・・・・)

もう片方のチャネルの音は、反響音が入っており、それをESLが実に繊細な響きとして、適度にサポートする感じで再生するので

ナカナカにゴージャスな音響空間となる。

もちろん音像定位や左右のバランスは???であるが、

丁度コンサートを聴きに行って、ステージかぶりつきの、端の席に陣取っている感じになる。

(真ん中の良い席が取れないときに良くやる。当然音のバランスは悪いし、ホールの響きも今ひとつではあるが・・・・・とにかくミュージシャンの近くに寄って、直接音を聴きたいと思う方である・・・・)

古いレコード、特にボーカルものなどは、かなりハマルので、時々BGM的に聴くときに、

この作戦を使っている。





2008年10月11日土曜日

アメリカの経済のこととか・・・・・

アメリカの経済のこととか・・・・

オーディオとは直接は関係ないのだが

世界の経済は・・・・・もの凄いことになっている。

おそらく欧米のオーディオメーカーの多くは、その影響を避けられないのではないかと
思われる。 特に極端な高級路線の、ハイエンドオーディオメーカーは・・・・・

金融関係やその絡みで、世界中に極度に潤っていた人々(ワタクシにはマッタク関係無いけど・・・・)が居て

その素晴らしいお部屋のアイテムの一つが、ハイエンドオーディオ装置

ゴージャスな音がゴージャスな部屋を満たす・・・・

って夢が・・・・・世界でズブズブと崩れつつある。

ハイエンドオーディオメーカーは比較的小規模な処が多く、今後の借り入れは厳しいであろうから

借入金の多いメーカーは資金繰りに苦労するところも出るであろう。

すなわち自然消滅・・・・・ するかも


ハイエンドオーディオ畑の小さな巨人達は、経営に疎い人が多く、元々投資家泣かせであるから
経営的に浮沈を繰り返し、ブランドが出来ては消え、出来ては消えを繰り返し・・・・・に慣れっこで・・・・  

ご本人様は、経営などに、頓着しないのかもしれないが・・・・・


で、困るのは日本のユーザーで、まともに新品を定価で買っていたりすると、

メーカーのサービスは無くなるし、ブランドそのものも消滅するわけで

例えば下取りは、限りなく屑値に近くなる。(大泣き)

特に最新の増幅素子を使ったアンプや、デジタルのプレーヤー系などの機器は、メーカーが無くなったらパーツの入手は極めて困難で、いきなり修理不能・・・・・ということになるのではないだろうか?



(ま、ハイエンド商品は、もともと一般庶民からは 関係のない話だが・・・・・涙)



ひょっとすると今後、世界のハイエンドオーディオメーカーが、日本に、最後の売り込みをかけてくるかもしれない。 (=カモ猟)

今のところ最も金融の混乱の影響が少ないと言われている日本、(本当はかなり深刻だ・・・・・)、そして円高でもあるし・・・・。

もともと、世界一オーディオに目がなく、

しかも世界一気前の良い(=支払いの良い・・・涙)お客さんでもあるし。

日本のオーディオファイルが、間違っても 貴重な年金や、預貯金を切り崩して、そういった製品につぎ込まないよう 密かに祈るのみである。

それから、企業買収で、名の通ったブランドを、吸収する大企業も出てくるだろう。

ユーザーからすると、舶来の超高級品を買ったつもりが、まるっきり日本製か、アジア製・・・なんてこともあるかもしれない。

そういえば、アメリカの某老舗ブランドは、投資会社の○○○が転売目的で持ってたハズだが、○○○も超厳しいから投げ売り・・・・・されるのか?、ひょっとして 資金繰りが付かず、どこにも買い手が出なかったりしたら ・・・・・・ !? 
(同社の○2は、最近では珍しい高能率で、レガシーを感じさせ、格好が良くて、しかも今風に洗練されていて、実に良いスピーカーなのだが・・・・・・・・)

やっぱり、今のタイミングで、高額な商品を買うのは結構危険か・・・・


逆に、これから中古品の流通量は世界的に増えるか・・・・  

2008年10月5日日曜日

Tru-sonic 206 AXA コーナー型




Tru-sonic 206 AXA

コーナー型

スリット式バスレフ

モノラル

Tru-sonic オリジナルの箱に入っている。

モノラル全盛時代なので、当然一本しかない。

比較的コンパクトな箱に

背面スリットがあり、この板厚のみのバスレフから

低音を部屋のコーナーの壁を利用して

ホーン効果で増強する。

これで低音を補強するだけでなく、

左右の広がり感を作り出すという、擬似ステレオ的な音響効果を狙っている。

当時はコーナー型の箱が流行で

オートグラフや、クリプッシュ、ハーツフィールドなどのバックロード型の大型のものから、

バスレフの中型のものまで、多数生産されたようである。



この206は、現状でもナカナカ良い音ではあるが、

ベストマッチのアンプがまだ決まっていないので、


ビンテージ、モノラルならではの世界を

作り出すには至っていない・・・・


どうも手持ちのCDはステレオのものばかりなので、

モノラルへの情熱はまだまだ足りないのである。




まずはベストマッチのモノラルアンプ探しから・・・・・と思いつつ

モノといったらアナログしかないとすると、

モノラルカートリッジも当然必要?

と考えながらも、全くの経験不足で・・・・

これはかなりの修行?が必要になりそうである。

それでも

ルイアームストロングや

エラフィッシュジェラルド

ヘレンメリル等の(フツー スギテ スミマセン)

モノラル盤は

圧倒的にハマル。

ズンズン前へ・・・・、

深々と奥へ・・・・

前後にバッチリ定位する、ある種の快感


しかも、この時代のハイエンド製品は、

どれも音色と個性で聞かせてくるので、

HiFi、忠実再生とは言いがたいものの、

奥の深い、ナカナカ凄い世界である・・・・・

2008年10月3日金曜日

HYTRON VT-52 昇天・・・・・

HYTRON VT-52

バリッとして、キレの良い、ご機嫌なサウンド

三極管シングルの スイートな高域と

適度に甘く、ふくよかな低域に 身をまかせ

のんびりジャズを聴いていた

すると突然

片チャンネルの音量が不安定になり

ボソボソと不吉な異音が・・・・

急に音が消えた。




驚いてアンプを見ると

HYTRON VT-52 のフィラメントが点灯していない・・・・・

大急ぎでスイッチを切り、

球が冷えてから、球を抜き差しして、振ってと、いろいろ試すが、

微かにチャンチャンというフィラメントの断端が震える音がする。

完全にフィラメントが切れてしまったようだ。

ガックリである。

最近VT52は入手困難になってきていて、簡単に手に入らない。

ましてマッチドペアは・・・・・・ウーム

この損失は

痛すぎ・・・・・である。

管球アンプの辛いところである・・・・・大泣き

2008年10月2日木曜日

FOSTEX FS21RP



FOSTEX FS21RP (or FS20)

希土類マグネットをふんだんに使用した、非常に強力な磁気回路

極めて整った平行磁束の中を、直線のアルミリボンが走り、

振動膜をダイレクトに、極めてリニアに、ピストン動作させる。

このユニットの駆動には、優れたアンプとプレーヤーが必須である。

モロに装置の音が出る。

使いこなしが悪いと、モロにマイラー臭い音になるシビアさ ・・・(大泣き)

まったくごまかしは利かない。 しかし、うまくチューニングできると


コンデンサースピーカーを思わせる繊細さと超高分解能に

ダイナミック型の深い切れ込み、ダイナミズムが両立している

ダイポール型故の、セッティングの難しさや(汗・・・・)

フラットスピーカーの宿命の、指向特性の狭さなどの弱点はあるものの(涙・・・・・)

一聴して、その良さが判る、極めて素性の良いユニット。

infinityのIRSシリーズにも同型のユニットが採用された(という噂)

ナマのような音が簡単に飛び出してくる。

特に、スピーカーからの音離れが、異常に良い(笑)

まさに、通好みの

希有なユニットである。

3極管シングルとの相性が非常によい 

かってinfinity在籍中に、かのヌデール氏は、IRSに管球アンプを推奨していたという

硬派なVT-52 ロフチンアンプで駆動するFS21は、

ワタクシ好みの力強い、リアルで力感のあるサウンドを、バリバリと奏でる。

通常か弱い感じがつきまとうバイポーラ型としては、希有なユニットと言えるのではないだろうか

2008年9月26日金曜日

FS41RP Fostex

FS41RP FOSTEX




フォステクスの伝説のミッドバスユニットFS41RP

プリンテッドリボン式ミッドバス

FS41RPという、型番すらすっかり忘れていた(笑)

生産中止となり長期間経過して

たった一回だけ某店の有名店主様のお計らいで、

受注再生産された。

再生産の実現までに実に1年程かかった。

予約希望者に対し、 おそらく5-10ペア程度供給されたと聞いている。

約15年程前の出来事であった。

値段は結構高かったが、今回しかチャンスはないと、予約購入した。

この少数再生産は、メーカーのfostexにとっても大変な作業になったと伺っている。

これを入手したときはFostexのユーザーへの配慮と、店主様の熱意に感激したものである。


オーディオをやっていて、一番悩む処は、ミッドバスではないだろうか。


ツイーター、スコーカーは良い製品が非常に多い。

ウーファーもまた優秀なユニットが多く、優れたパワーアンプと、箱のチューニングさえ決まれば、
聴感的にもさほどシビアな領域ではないので、それなりに満足できる部分である。

超低域や超高域は、臨場感や雰囲気などに影響するが、音楽性そのものには余り関与はしないので
それなりに出ていれば文句はあまりない(笑)

ところが、ミッドバスの領域は、音楽性にモロに影響し、聴感的にもかなりシビアな部分である

にも関わらず、オーディオ再生では常に後手に回っていて、一種の盲点となっている。

例えばフルレンジユニットでは分割振動領域であるし、中型ホーンシステムでは12-15インチウーファーの上限の音域なので非常に再生が苦しい処である。

通常のミッドバスは超強力磁気回路の10-12インチユニットで、オーバーダンプされた振動板を有し、これをやや狭いボックスに突っ込んで使用する場合が多く、なんとなく今一歩抜け切らない、透明度の上がらない音に悩まされるケースは多い。

最近のハイエンド製品は比較的小口径ユニットを多数配置して、優秀なアンプで駆動して解決しようとしている。改善効果はめざましいものの、この方法が根本的な解決になっているのかは不明。

ホーン式で解決しようとすると、恐ろしい規模のホーンが必要になる。
大型ホーン自体の魅力は相当なものだが、使いこなすのは大変である。
サイズがデカイだけに狭い部屋でのセッティングは容易ではなく、これでピンポイントの定位を狙うのはきつい感じである。 (広大なリスニングルームをお持ちの方は別だが・・・・・・)
ホーンの素材から出る「ホーン泣き」もまた、相当なレベルになるので、家庭用として決して一般的なものではない。


FS41RP Fostexは、透明度とトランジェントとパワーを両立させるために、リボン型のデザインで製作された、非常に野心的な大型ユニットである。

振動板面積は30センチウーファーに匹敵。

極めて優れた物理特性を有し、分解能、トランジェント、パワー感 ほぼ全てのファクターが

素晴らしい性能である。

コンデンサースピーカーの特性と音色、ダイナミック型スピーカーのパワー感が、両立している驚き

そして、場所を取らない

しかし、このユニットの真価を発揮させるのに、

ワタシの場合、なんと10年以上かかってしまったのである(泣き)

2008年9月25日木曜日

ONKYO P3060R

ONKYO P3060R








上がONKYO P3060R

P306Rの欧米輸出モデル。110-220V対応

美品でなければ、非常に安価である。(1万円弱・・・・笑)

P3060Rの音は、バランスが良い、その一語に尽きる。
明るくも、暗くもなく、色づけが少ない。


ただ、開発時期が随分古いので、

パーツの劣化が進んでいる。

細かいところの煮詰めが今ひとつで、

高額なプリと比較すると、明らかに構造的に劣る感じで、底力や厚みのない音である。(涙)


そこで、極めて脆弱な底板と、頼りないインシュレーターを取り外し、

電源や内部のケーブルを総点検したところ

コネクター部分の接触が悪いところがあり

明らかに音が劣化している事が判った。

主要なラインが基盤に入る処が、簡単な差込になっていて
点接触になっている。酸化皮膜が出来るとかなり音が劣化してしまう。

ペンチで強く挟んで圧着し、半田を流し込んで導通を確実にする。


底板を強化し、インシュレーターを面接触で広めのものに交換し直したところ

厚みのある本格的な音が出るようになった。


地味な製品だが、かなり、価格対満足度の高い商品である。

2008年9月23日火曜日

SONY DVP-S9000ES 改

SONY DVP-S9000ES

いまさら・・・・のSACD、かつ、いまさら・・・・・のDVP-S9000ES である・・・ 笑





SACDが聴きたくて、ずいぶん前に入手したもので、改造を施している。

改造箇所に関してはウエブ上でかなり触れられているので省略

内部電源の引き回しとACコード、

インシュレーター

コンデンサー回り

回転メカ回り

を出来る範囲内で強化している。

銅板やブチル、音響用のヘビーな電源コードなどを

随所に入れ込んでチューニングした。

こういったチューニングは、どの機種でもやれば良いというような単純な話ではなく、

かえって音がつまらなくなる場合も多いし、期待通りの良い音になるとは限らないので

最近はやらなくなって久しい。

しかし、一部の機種は、非常に対策の効果が出る。

これは麻薬的とも言える世界で

時々狙いを定めてチューニングするのだが、これが上手くツボにはまったときの喜びは大きい。(笑)



DVP-S9000ESは未完の大器と言うべき機種で、

SACDの再生にかなりのウエイトをかけて製作した、実質的に非常に高級な機種らしい。

SONYの初期のSACDプレーヤーは、ノーマルの状態では、音は確かに繊細美麗ではあるが、やや細身で単調な再生音であり、やっぱりダメか・・・・と落胆していた。

音楽的な表情に乏しく、また中低音域の厚みは、やや冴えない感じで、しかも高域にキャラクターがあり、好きになれなかったのであるが・・・・

この機種は高域のキャラクターが少なく、筐体も、部品もかなりしっかりしているということで、潜在能力は相当高いらしい。そこで中古品をオクでゲットし、コツコツ改造してみた。

結果は上々で、特に内部のケーブルの変更と、インシュレーターをアクリル製の強靱なブロックに変更してから、

非常に厚みのある、SACDとは思えないような彫りの深い立体音像が出るようになった。

腰高だった音がピラミッド状の安定感のある音に。

しかも高弦のきめの細かさは、さすがにSACDと言えるもので

CDも補完があるのかSACD風の繊細な高域が得られる。

長年愛用してきたTEACのVRDS25Xを押しのけて、リファレンス機種になってしまった。

派手さや、押しつけがましい感じが全く無く、非常にニュートラルでありながら、

リスナーが注意して聞き込めば、いくらでもディテールが拾い出せるという、ナカナカ通好みの音である。

SACDのソフトも最近はメジャーなメーカーからはあまりリリースされていないようなので、枯れてきている分野かと思うが、録音もこなれているものが多く、ヨーロッパから渋いマイナーなアルバムが出ていたりして、ハイブリッド版などを見つけるとついつい買ってしまう。

このクラスのプレーヤーで比較試聴すると、SACDはさすがに音が良い。

オーケストラの高弦や雰囲気感は特に魅力的である。

DVP-S9000ESは、 改造すれば、ジャズにもクラッシックにも充分使える、良い製品である。

2008年9月20日土曜日

DCX2496 気絶? 暴走!

DCX2496

ベーリンガー







マルチのチャンデバ

デジタルプリ

DAC

グライコ

非常に多彩な機能を持つ。

この機種、低価格故か、不安定なところがあって

突然暴走することがある。

バリバリバリ・・・・・

スピーカーコーンが裂け

コンプレッションドライバーのフラムが飛びそうな

大轟音を響かせた・

ディスプレーは真っ白になっていて、これは暴走している  

あわててパワーアンプの電源を落とす。

なんとか事なきを得たが

アムクロンのインプットゲインを絞っていて助かった。

こういう寿命が縮まるような大騒音は勘弁である・・・・・涙



DCX2496欠点を挙げればきりがないが、とにかくコストパフォーマンスだけは非常に高い。

機能は本当に豊富で、何でも出来る感じだ。

多機能故、最初は戸惑うものの、慣れれば使い勝手も良く不満はない。

音は特に良いという訳ではないが、悪くもなく、使いこなし次第でそこそこイケル感じ。

デジタル入力による低音から中高音域までは、比較的満足度は高い

しかし、最高域は後一歩で、音場も広大という感じはなく、また音の厚みも、ソリッド感も、やや薄い感じがある。(涙)

将来、時間が出来たら、オペアンプの交換にチャレンジしてみようかとも考えている。

2008年9月13日土曜日

ホーンのデザインと素材の選択

ホーンのデザインと、素材の選択は悩ましい

予算とルックス、音、スペース、すべてのファクターを満たすのは殆ど不可能である。

木製、金属製、FRP、複合素材・・・・

丸形ラッパ、マルチセルラー、丸形ショートにレンズ、CD、マンタレー、バイラジアル、etc

どれがよいのか、ある程度の試行錯誤が必要であるが

あまり高額なもの、巨大なものは、失敗した時、売却も収納保管も難しく、痛すぎる。(大泣き)

世評もあまり当てにならない(涙)

日本ではメジャーな、JBLのショートホーン系はどうしてもワタシは駄目であった。 (泣き)

特性的にも、かなり暴れがあるらしいのだ。
高域もビーミングするので、特にレンズ無しではとても長時間聴けない感じのキツイ音である。

金属系ホーンは鳴きの点で一長一短である。
ジャズのホーンセクションやシンバル音は、ホーンの共振音がスパイスのように効いて、ばっちりなサウンドであるが、それ以外の再生では今ひとつ・・・・であったりもする。

また、木製の大型ホーンは、厚みがあり大人の音ではあるものの、値段の割には今ひとつと言うべきか、やや押さえ気味の、地味な感じの音であった。


最近のSR用のホーンは、ぱっとしないものも多いのだが、選択枝自体は多い。

最近の流れとして、スロートが短く、フレア角がやや大きく、ホーンの途中や前に余計な夾雑物を入れず、 流体力学的にもスムーズな、そして僅かに高域拡散コントロールのための中間絞りを(CDホーンのように) 入れているものがあり、これはなかなかバランスが取れていて、聞いた感じでは好ましい感じであった。

ただ、中間絞りが強すぎるものは、やや違和感が強く、抜けが悪くて、ハッキリ駄目であった。

逆に全く絞りが無いと、高域がビーミングする場合もあるので、この辺りのバランスはかなり微妙なところである。



SR用のホーンの素材としては FRPや高分子フォーム、エンジニアリングプラスティックなどが主流となっていて、かってのアルミ鋳物や硬度の高い木製と比較すると、コスト重視の、どちらかというと手抜き製品?という、マニアの間ではかなり低い評価になっているらしいのであるが・・・・・・

聞き比べてみた感じでは、そうかもしれないが、そうとも言えない、微妙な感じで・・・・

案外、総合的に見て、より設計の新しい、SR用のホーンの方が音が良いのでは・・・・掘り出し物があるのでは?
というのがワタクシ的に偽らざる感想である。

(もともと安い製品なので、ルックスも今ひとつで、自慢にもならないのだが・・・・涙)

個人的には、JBLの2385Aと、2353辺りがお勧めである。

特に2385Aはスペースも取らないし、音もナカナカ良いので、1.5inch用のアダプターを(根性で)自作して強引にAltec299を繋いで使用している。結果は上々である。

一方、2353は歪みが少なく、抜けが良く、ホーン臭くない、非常にバランスの良い製品だ。

設置面積がやや大きめで、ホーンらしさがやや薄い感じ(特性の良さ故か?)だったので、使用を躊躇っていたところ、最近製造中止になってしまったらしい・・・・・誠に残念である。(大泣き・・・・)

こうしたSR用のフラットマウント式のホーンは、エンクロージャーやバッフルに組み込んで使用する前提で設計されている。

箱の上にポンと置いた状態では、なんとなく寝ぼけた今ひとつの音、場合によってはプラスチッキーな、かなり安っぽい音がする。

4辺を固定し、出来ればエンクロージャーに入れた方が良い。引き締まった良い音がする。
その辺の事情が理解されていないのが、評価が低い理由かもしれない。

2008年9月10日水曜日

Quad ESL 63 pro

Quad ESL 63 pro







極めてナチュラルなサウンドを実現する、イギリスのスピーカーの名品である。


深夜、ニアフィールドリスニング用として使うことが多い。

ハンドルを引っ張って、部屋の中央付近に引っ張り出し、

いつもの定位置に固定する。


リスニングポジションとスピーカーを正三角形の位置になるようにし

かなり内振りにして、リスナーの耳辺りを狙う感じにセットする。

リスニング姿勢は、椅子に座って俯瞰するよりも、カーペットに座った状態が良い


スピーカーの面積が大きいので、2枚の衝立の目の前に座るような感じだ。


そして、再生すると、2本のスピーカーの間に音像が立ち並ぶ感じになる。

微少信号が極めて正確に再現されるので、

ステージかぶり付きで聴いている聴衆の感じになって、雰囲気が最高に味わえる。

音像は極めてホログラフィックで、ボーカルは自然な口、人肌の感じが素晴らしい。

音が詰まった感じになるときは、微妙にリスニングポジションを前後にずらし、

またスピーカーの内振りの角度を微調整すると、抜けのよい良い音になる。

ソースによっては若干BASSを強調すると良い場合もあるが、

AMCRONのような駆動力のあるアンプでは、その必要性を感じることは少ない。

コンデンサー式の薄い膜の振動板の振動特性や音の特性は非常に優れているが、

充分な音圧が得られにくい場合があり、振動膜自体の僅かな共振によって、膜の癖のような浅めの響きが多少耳障りになる場合もあるが、それは僅かである。

総合的な音の良さは、修理の苦労を補ってあまりある感じだ。


このスピーカーの使いこなし方には諸説あり、部屋をこまめに除湿しろとか、スイッチを入れてから聴くまで最低数時間待てとか、大音量は避けろなど、いろいろ言われている。


ワタクシが思うに、最も大切なことは、この筐体に捻るようなストレスを決してかけないことである。

移動するときは特に注意して、捻ったり、傾けたり、倒したりしないように注意しなければならない

さもないと、発声ユニットに高電圧のリークが発生し、雨だれや、ブーブーといった異音に悩まされることになる。

(ほぼエレクトロスタティックユニットの寿命が尽きている個体が多いので、何もしなくても、自然に高圧リークによる異音が発生してしまうことが充分ありうるので、かなりリスキーなお品である  修理代の見積もりは・・・・・・ 大泣き・・・・・・である  自分でキチンと直すのは、海外からキットを取り寄せたりと、やや大変である。あまりお勧めできないが、根性があれば、やってやれないこともない・・・ といった感じである。ワタクシの場合、家族への言い訳と、粗大ゴミにするのが恐ろしくて、泣く泣くやった・・・・・)

2008年9月7日日曜日

QUAD ESL 63 Pro

QUAD ESL 63 Pro





フィリップスのレコーディングモニターとして活躍していたことで有名なエレクトロスタティックスピーカー

劣化が進んでいる個体が多いので、修理は大変だが、その価値のあるスピーカーである。

コンデンサー式のフルレンジでこれだけのまとまりのある音を出すのは凄い

電極形状とディレー回路により、球面波を発するように、巧妙な設計がなされている。

この63proは、プロ用の設計のためハンドル、ラバーのリング、サランネットなどで真っ黒な外装

いかにもプロツールらしい、かなりスパルタンな印象のスピーカーである。

モダンアートのような、不思議な緊張感のあるデザイン。

音はアンプ次第である。

球面波の形成のためにディレー回路が入っており、その回路による影響か

ESL57と比較すると、ダイレクト感と厚みに関して、やや後退しているように感じられる。

フラットレスポンスで聴感上の違和感は少ないものの、 下手をするとやや繊細で薄い音になりがちである。

従ってダイナミックな音と厚みを要求する場合には、アンプに相当な力がないと駆動しきれない印象がある。

MOS FETのB2102 MOS や管球の三極管シングルでは、実力を発揮させることは難しかった

(美しい音で、いかにもコンデンサーらしい、透明で、BGM的なソフトな音になる それはそれで良いのではあるが・・・やはり長期使用ではだんだんと欲求不満が出てくるのである  涙)

いろいろ試した結果、AMCRON MacroTech 600で好結果を得ている。

(コンデンサースピーカー専用のアンプというものも存在するそうであるが、とにかく通常のアンプでは引き締まったソリッドな低音や、彫りの深い立体音像の再生は厳しいと思われる。)

この63はかなり繊細な音が出るので、弦楽器はすばらしい

アンプとセッティングを一生懸命頑張ると、ピアノの再生もまた凄い。

背面に充分なスペースを空けることが大切で、やや近接して試聴すると音圧が上がって迫力が出てくる。

やや淡泊な音像ではあるものの、響板やフレームの感じもハッキリ出せる。

この辺のレンジの広さは、ESL57と比較して格段の進歩である。

ボーカルはニュートラルで、ちょっと聴いただけではごく普通の音であるが

音量を上げ気味にして、あるいはギリギリに絞って聴いているときに、時々本物の人の声が聞こえた感じがして、思わずギョッとすることがある。

トランジェントと雰囲気描写が抜群に良く、チューニング次第で、クリスタルクリアーな美麗な音も、厚みのあるしっとりした音も再生することが可能である。

全体にきわめてニュートラルな、ごく自然なナマに近い音である。

中小音量の再生では、リファレンスたりえる充分な資格があり、フィリップスが長年モニターとして採用した理由も頷ける。

現行製品の最新型は、フレームが強化され、ステーが追加されるなどデザインも一新され、音のエッジがやや明確になった印象がある。

これは音像や低音の明確さとして現れている。

全体にニュートラルな、現代的な方向のサウンドに変化している。

ただ、エレクトロスタティックの発声ユニット等の基本部分はそのまま踏襲していることから、音の差は意外に少ない。

整備をしっかりすれば、このQUAD ESL 63 Proも、まだまだ充分現役である。

キース・ジャレット・トリオ  マイ・フーリッシュ・ハート 

キース・ジャレット・トリオ マイ・フーリッシュ・ハート 




キースジャレットのアルバムは殆ど持っているが(笑)

最近のヒットはこれかなと思う。

アップテンポの、聴いていて元気が出る、 なかなか楽しいアルバム

昔のシリアスなキースジャレットのアルバムも良いのだが・・・・

そういえば最近殆ど聴いていない。

ソロコンサートでは

透明な、ピアノの、危険なまでに美しいタッチと

時々現れる、神懸かり的な即興演奏はさすがと思わせるが

そこに至るまでのドロドロとした、あるいはやや暗めな・・・・

中途過程(ダークインターバル?  笑)が

カナリ長い・・・・・・・・・・・・・・・・・・ので、

忙しくなってしまった最近では じっくり浸りきれず   涙

そこに独特のリズム感とうなり声もまた、チョット微妙。


コンサートにも行ったが、(それはそれは良かった)

演奏姿勢がやばい感じで、この先大丈夫かな・・・・・・と心配した。

一時期、慢性疲労症候群で演奏不能になったと聞いている 涙


このアルバムは復帰してしばらく経って調子が出た頃なのか

比較的素直なフレーズが、逆に聴きやすく 良いアルバムである。

脳天気なジャック・ディジョネットのドラムスが、

例のお囃子リズムをダンス感覚で爆発させていて 笑

DISK1もDISK2もノリノリである。


再生はやはり15インチウーファー、コンプレッションドライバー+ホーン を、アムクロン 211シングルでドライブして、決まりである。




クロスは500前後を 抜き気味にセットして キースのうなり声をやや控えめに 笑

なおかつ 抜き により、 ピアノの高域の美麗さと、ドラムスの抜け を演出するには好都合である。

ゲイリーピーコックのベースも気合いが入っていて

凄く元気な演奏だが、アムクロンを使って、さらに躍動感をプラスする。

ホールの響きやピアノのクリスタルクリアーで抜けの良い、いかにもECMらしい音は、このライブ版でも健在で、

211シングル+299のアルミフラムは、パワーと美麗さを見事に両立して、ライブさながらの臨場感を再現してくれる