2009年5月30日土曜日

SONY SA-S1


リビングオーディオは 家族団らんのため 大切な アイテムである。

こういうシチュエーションでは デカイ、うるさい、キタナイ 使えない マニアックなブツ は避けるのが吉 (笑)

だれでも使えて、うるさくなく、音楽が美しく響く・・・・ のが ベストである。

で、これまではバブルコンポと呼ばれる、伝説の(笑)Pro Pixy MHC970 のSPを改造チューンして使っていたが、

ややドンシャリ傾向が強いので(涙) 後継機はこれ・・・



SONY SA-S1

ウーファー前面のフレームがアルミで強化されている。
(ウーファー自体は同じパンチメタルだが・・・泣き)

バスレフのチューニングも、加速度センサーの調整もベストである。(フラット+α)

エレスタットユニットは例によって気絶していたので
慎重に完全分解し、

シール剥がし をスプレーして

フイルムを電極メッシュから外し

ネトネトした粘着物を慎重に除去して

さらに電極面に若干の細工を施して

再固着しないように対策をしてみた 結果はバッチリであった。

このユニットは意外に中域まで伸びていて、

17センチウーファーユニットの分解能を上手にカバーしているという巧妙な設計。

フィルムが固着すると実に情けない 中抜け音 になる。(大泣き)

逆にここを 朗々と鳴らすように 調整が決まると 結構凄い音になる (大笑い)



シンフォニーと映画の効果音が豊かに鳴るから実に有り難い。

エレスタットの高域は、ダイナミック型ではなかなか出せない領域の繊細さである。

クラッシックの高弦の音色などは ナカナカリッチな響きで、素晴らしい。

色彩や音像はやや淡く、JazzやロックをBGM的に聴くには 良い意味で実にソフトで リビングにはベストマッチだ。



このスピーカーは あえてブックシェルフとして使った方が良いようだ。

背面のバスレフと、エレスタットの背面からの放射音を シェルフに反射させて

前方に放射し、豊かな響きを得ることが出来る。

デザインもpro pixyのような凝ったものではなく、オーソドックスだが、シャープなラインがソニーらしく好感が持てる。

こんな素晴らしいスピーカーを作っていたなんて (これもESシリーズらしい)

Sonyもなかなか 優れたメーカーであるなあと、改めて思う。

開発の熱意に波がある(笑)のと、高額製品の営業が上手でない(特に北米市場)
プロジェクトの継続性に難があるようだが、歴代製品には良い物が多い。
(察するに営業成績など社内的にナカナカ大変なのでしょうナ・・・ 涙)

最近またHiFiスピーカーにも復帰しているようで、デモではナカナカ良い感じの音で鳴っていた。

できれば このようなエレスタットのハイブリッド型も再版して欲しいものだ。

ブルーレイや iPod PCオーディオや 携帯 PS3  (デジタルウオークマンも)・・・ と、音楽ソースはマルチになっているが、まともな音で聴いている人は少数派なので・・・・・涙  

しかし意外にも、若い世代から スタックスのヘッドフォン が熱く支持されているらしいのである。
耳の良い人、良い音を聞きたい人は多いのだ。

省スペースでもワイドレンジで、音量と関係なく繊細で美麗かつ迫力のあるサウンドを実現可能な
まさにエレスタット+パワードスピーカーの活躍する時代ではないかと思うのだが。

頑張って頂きたいものである。






Altec 604E カスタマイズ レストア 終了

レストア作業もほぼ終了

604Eは旧型のフレームである。

箱に内側から取り付けるのが基本

しかし作業性が非常に悪いし、ガスケットを介して箱に付けるのは

制振性が良くないので できれば外付けにしたい。

これはフレーム内のリブを削り、外付け可能にしてある



外観はボロボロ

しかも怪しいコンデンサー一発で

さらに超怪しい小型ホーンまで付けて

怪しさ全開であるが 音は ナカナカ

最新のソースでも充分に使える

この力感、この切れと 

音の鮮度と透明感を高める一連の改造(イタズラとも言う 笑)で

音楽鑑賞良し、オーディオ的魅力良し、 で 

スペースファクターさえ許せば ジャズもロックも クラッシックも 言うこと無し

このパリパリする音は非常に有り難い。


現在時間を見つけて 慣らし作業中 昔はエージングって言ってたけど、これは 「老化」 ってことだからちょっと・・・・泣き

向こうではバーンインとか言ってたような・・・・ でも オールドユニットの場合は?
適当な日本語は・・・・・?

2009年5月27日水曜日

Altec 604E 再考12 自作ホーンの快感 3

元々はこんな感じだったが・・・・


有名なマルチセルラーホーンですね。

今はこんな形に・・・・・涙




見かけはカナリ変だ・・・・  笑

そのうち時間を見つけて、ブラックのスプレーを使って塗装してみようと思う

あるいは、サランネットのドームで隠そうか・・・ 大汗

音は結構良い。 笑

フイルムコンの容量を調整して、やや絞り気味にしてみたら、バランスが取れて・・・カナリ聴ける。

ちなみにコンデンサーの違いで音がモロに変わる。やっぱり上質なものの方が良い。

ストックから懐かしのUΣ? (黒いの)が出てきたので使ってみたが、ナカナカ良い。

極めて現代的で、抜けが良く、比較的微粒子、艶(ツルツル感)のあるサウンド

ビンテージユニットのオールドサウンドとは大違いのハイスピード。

(多少荒削りだが、割と音はハイエンド・・・風・・・・?してるかも・・・・爆)

力感や切れは、604(515相当)のアルニコパワーでさすがに凄い。

ボリュームを上げるといくらでもパワーが入り、音もパワフルで音圧も凄いし、逆に音量を絞っても、きりっとしていて、遠くまで良く通る音 聞き取りやすい。

ややあっさり目でパリパリしているテクスチャーと、

ハイ上がり気味なのは、気になる部分ではあるが

結構 現代的な音なので、やみつき になる感じ・・・ダ  笑



2009年5月23日土曜日

Altec 604E 再考11 自作ホーンの快感2


内臓の1インチコンプレッションドライバーの音

自作のナンチャッテショートホーンがニンマリ・・・・・のパフォーマンス。

瑞々しくてナカナカ・・・・これはこれで良いですナ・・・・。

チョット線は細いけれども (モウチョイ 太くしてみたい・・・・笑)

この点は絶妙な下支えが必須か・・・・
(ウーファーまたはミッドバスの力量が問われるところ)

もちろん使い手の力量も・・・・笑

この清涼感を生かして、音作りしてゆく過程が楽しい。

コンデンサー容量の変更で、これから繋がりを調整してみる予定である。
割と絞った方が良さそうな印象がある。

イキの良さを残して、出来るだけスイートでフラットになるようにしてみたいものである。

(マルチには、まだあえて行かない・・・・まだ604Eのキャラの全貌を掴んでいないのだ。)

なんか、このぐらい繊細で、かつ強力なユニットを弄り出すと

その豪快な音の変わりップリに・・・・お見事!と言いたくなる。

昔いろんな小口径ユニットを 随分と弄り倒して来たが・・・・

その経験が今ようやく生きているというか

逆に、あの頃いったい何をやっていたんだか・・・・ もっと早く 「デカくて良いユニット」 に取り組めば良かったと 痛切に感じる・・・・・ 

あの頃の雑誌記事とかでは、15インチ同軸を弄り倒すなんて記事は、一部のエキスパート誌を除いて、殆ど無かったと思う。

ワタクシも良く知らなかった。(早くやれば良かった・・・・大泣き)

604の比較的初期と、206は、質の高い球のアンプで駆動すると、猛烈に生き生きと鳴る。

ユニットのところに、機械仕掛けでコーンを弾く特殊メカが隠してあるんじゃないか・・・・と疑いたくなるぐらいの迫力とキレのある音である。
(幾分余韻はサッパリめ・・・・は、このユニットの良いキャラ・・・笑)

往年の15インチ同軸ユニットの改造を含む弄り倒しは・・・・・アル意味、禁断の領域の趣味なのかもしれない。

2009年5月22日金曜日

Altec 604E 再考 自作ホーンの快感





エポキシ+グラスファイバーで強化後
カチカチとなり 音もそれなりに


ホーンと言うべきか、ウエーブダイレクターと言うべきか

コーン紙がそれなりにホーン効果を発揮しているので 補助的なものである。

同軸のコンプレッションドライバーの瑞々しい高域のみカバーすれば

それで良しとする割り切った考え。切れ味が良くなり、

繋がりも結構スムーズになってきた。(まだまだこれからだが・・・笑)



Altec 604E

これは本当にポテンシャルの高いユニットである。 

オリジナルの状態で使うのももちろん良い・・・・アルティックらしい良い音ですナ・・・・。

一方、徹底的に手を入れて、自分流に使い倒す 格好の題材でもある。

一昔前は大変に高価で・・・・とてもそんな気分になれるような代物ではなかった。

モニターのスタンダード様、標準原器 様 であったのであります。
(そういった意味では XBLの”世界のモニター43XX”って・・・・・・・  これ以上はやめときます 笑)

しかしながら 今日的な観点では さすがの60 4様であっても、それなりに (特にオリジナルネットワークとか・・) 課題があるので
敬遠されているのであります。



ところが、自分でいろいろと弄ってみると、さすがにアメリカ黄金期 WE直系+Mspec 筋金入りの本格設計だけあり
潜在能力は・・・・・ 凄すぎ。
そんじょそこらのコンシューマーユニットとは全然違う。

今日では15インチ同軸はオーディオ的にやや不人気となり、プロ用モニターとしてもAltec様が敵対的買収消滅・・・・・?!(XXXX・・・良くワカラン)で、
メンテ不安。さらには、今やコンシューマーの殆どはラジカセやミニコンポどころか、携帯電話内臓の極小スピーカーが主流。
携帯での音作りも必須な時代らしい・・・。

使われなくなった往年のプロ機材の格安放出が相次ぐ・・・・・ 

なおかつ純正リコーンはアマチュアにはチト高いし・・・・箱もデカイので家族から厄介者扱い・・・・ そんじゃあ そのまま売り飛ばして・・・高級コンパクトSPに乗り換えへ・・・ 見たいな不幸な流れ。
 本当の性能を考えたら、不幸な出来事の連続で・・・

特に難あり品 は ジャンク格安 !!感泣!!

今日的には、趣味的使い倒しに 格好の題材 となりつつあるのでありますナ。 下手をすると、PA用の安物1インチドライバーより安かったりする・・・・ガクガクブルブル

上手く行けば ナマ音の瞬発力・・・・で 音色も相当に狙えます これホント。 (幾分サッパリしてますけど。) 

コーンは古い方が良いかも・・・(可能だったら フィックスドエッジの・・・・って チョットお高いですけど・・・)

逆に最終機(現行機・・・GPA・・・復活したなんてホントニエライ)が繊細でバランスがよいとの噂もあります。
(厳密に比較試聴していないので不明ですが・・・・・)

でも、そこはかとなく漂う 厚い(熱い)雰囲気感のアル 音ならば 黄金期のアルニコで・・・なおかつ 球数豊富で 値頃感のある なおかつ
コーンが比較的軽い(m0 65g前後とか) TypeEが狙い目か

オリジナルのホーンは 昆虫系・・・笑でプラプラ マルチセルラーマガイ?なので

ストレート 楕円のショートホーンを自分で作って交換してみた。 

外観は笑える・・・・ ナンチャッテ・・・・ のデキであるが

一応、アルミ+グラスファイバー+エポキシ で 

エポキシが可塑性のある時間内に自分好みの音と形へと微調整した。

こんなものでも 割とマトモに動作するのだから不思議・・・・ドライバーが余程優秀なのであろう。

15インチフルレンジ主体の鳴らし方としては
理想に近い・・・・ (といっても まだごろんと床に転がした状態ですが。 ) 
自分好みの イイ感じの音に近づいてきた 爆




2009年5月20日水曜日

Altec 604E

Altec 604E

ゴムガスケット 偽タンノイ方式で鳴らしていた 爆

さすがに高域の減衰が強いので  笑

簡易コーンを試作してみる。

時間がないのでとにかく早く仕上げることを優先



アルミ薄板を加工して楕円ホーンを作成

この802相当という、1インチドライバーの、清涼感のある高域が

程々のパワー感で響くように調整

長いスロートを抜けたところで、ホーンの拡散角が急激に広がる形となるが、気にしない・・・・・ 笑 

急激に折れ曲がる一昔前のCDホーンを考えれば・・・・パワーを減衰させるのならば返って好都合?



とっさに作業を開始した超お手軽製なので 形がカナリ歪んでいるが 爆

これでも、それなりにホーンの仕事をしている 笑

中音量でもアルミが共振でヒリ付くので小音量で試聴・・・・

拡散角、ビーミングの有無、コーン紙のホーンとしての動作、コーンウーファーとの繋がりを確認

案外イケルというか、まあまあといったところなので とりあえずこれで行ってみることに。

これを水平方向の拡散を狙って少し楕円に整形し、

グラスファイバーとエポキシで裏面を強化することによって、鳴き止め対策をする予定である。


2009年5月19日火曜日

Altec 604E

Altec 604E

白とグレーのツートンが
なんとも言えない雰囲気アリ

米潜水艦のソナー用 が ルーツとか・・・・


馬力のあるユニットで ナマの音ような、力感がある。

キレも良く 迫力のある音が簡単に出せる。

フルレンジ アンプ直結では、中高域の能率が異常に高く(笑)、

バリバリ小気味よく鳴る。

真空管アンプのデモで良く使われる理由が良く判る。




このクラスのユニットは なにせ 迫力がある。音にキレがあるから

小音量試聴でも、音がぱりっと、コントラストがハッキリとしており、案外欲求不満が出にくい。

一方、ソフトでBGM的な、リラックス調のサウンドを出すのは結構難しい。泣き



今はホーン外し、コーン丸出しの状態で コーンを擬似ホーンとして使っている。

コーン紙の歪みを修正した個所が判る

届いたときは絶望的な感じで かなり激しく潰れていた。

アメリカだったら、とっくにリコーンされているだろう。

大きな破れや、コーン紙そのものの劣化がない場合で、

根性と時間をかけて丁寧に修正する覚悟、それなりの技術があれば、復活は可能だ。



フェルトの接着剤が非常に強力で、剥がすとコーン紙が破れてしまうため、フェルトを切り込む形で剥離した。そのため、リング状にフェルトが残ってしまって 格好が悪い。(泣)

しかし、音の方は、さすがに大したものである。 
細かい欠点を言い出したらきりがないが、とにかく格が違うというか、一聴して判る音の違いがある。

力感のある
604Eと206AXをその時の気分で切り替えて使えたら最高だろうが・・・・笑

ダブルにするのは、ちょと箱が大きすぎて部屋に入りそうもない。

一つの箱を入れ替えで使うとすると・・・・・・・なにせ一本15キロもあるので  泣

交換はもの凄く気の重い作業である  最近は腰も悪いし
チョット無理か・・・・・

2009年5月17日日曜日

Altec 604E 再考7

Altec 604E

相変わらず性懲りもないイタズラを続けているが・・・・ 笑

さすがにウエスタン直系の銘器、定番中の定番だけあって、

素性の良い音 が 結構バンバン出てくるので

かなり楽しめる。

キャラの非常に濃いユニットで ハッキリ言ってじゃじゃ馬。

ハイ上がり気味 というのはこのユニットの宿命のような感じか・・・・。涙 でも、これ凄く魅力あります。



なんでこんな余計な苦労をするのかというと

スピーカーユニットは素の状態(最低限の素子以外、アンプ直結・・笑)で鳴らしてみて 

朗々と鳴るかどうか?

また、その音色に惹かれるか?

で、殆ど勝負は決まってしまう・・・・・感じがする。

すなわち、ユニット固有の音色となる、 低域の共振点やベストの音域、分割振動領域、過途特性、分離、方向性、付帯音などの元々の素性は 隠しがたい部分なので 素が好きであれば 後はなんとでもなるが

素が気に入らなかったら 後はずっと不幸なだけである。笑

巷ではユニットの素性そっちのけで、エージング不足とか、鳴らしこみが足りないとか、使いこなしに問題があるとか、イロイロ言われるけれども・・・・ 人の好みはイロイロあって、当てにはならないの デス・・・・ ハイ。

つまらないユニットは、素で鳴らすと・・・・・・・大泣き・・・・・
そんなのにつき合ってどうするのみたいな・・・ 

(昔の紙臭いXXXや 金粉シャワーの○○○や△△△の・・・・雑誌やマニアが大絶賛だったけど・・・結局上手く鳴りませんでした・・・・・涙)

良いユニットは最初から歴然と音が違ったりする。 また、一見地味でも、音的に良く練られた銘ユニットは、何とも言いがたいオーラのような何かを、雰囲気で伝えてくる  特に直結で聴くと歴然と・・・・・

(ワタクシのバアイは、音離れが異様に良くて、キャラクターが少なく、スムーズさと切れ味、パワー感を兼ね備えているか?そして、余計な音を出していないか(これ結構重要)、あとはなんとなく好みで決めている。 もちろん安い方が良い (高いと買えない) ブランド、年代は参考にはするけど、あまり関係なし・・・・・笑)

スピーカーユニットほど、好き嫌いのハッキリする、また聴き方や部屋、音楽ジャンルとの相性を選ぶオーディオ機器はない。

相性は・・・・もの凄くシビア・・・・・デス 大泣き

デジタルオーディオなどは、もの凄く進歩してるけど、未だかって、スピーカーに関しては完璧なものは実現していないので、自分の使用環境の中でより理想に近いものを選んで、そこに(アル程度は自分流に)手を入れないと、思い通りの音を得るのはナカナカ難しい。 
(ケーブルやら、電源などのオーディオアクセサリーを選ぶのとは訳が違イマス。)

スピーカーユニットを素の状態で鳴らしてみて、明らかに問題のある部分、気になる部分があったら、出来るだけオリジナルの素性の良いところを残したまま、(その問題点を解決できるのであったら、出来るだけ単純な方法で....)早めに解決しておいた方が良い........ これまでの経験でなんとなく判ってきた。

例えば コンデンサー一発、コイル一発 0ct 6db クロスオーバーなど調節して・・・ でそれなりにバランス良く鳴る状態を模索してみる。 これを先にやっておくと後々助かるのだ ユニットの素の音色と限界を知っておく。これは後々弄り倒す時に、非常に参考になってくる部分なのだ。

それを土台に次のステップに移る

問題を抱えたまま、箱の調整やら、チャンデバ、マルチのアンプなどの調整に入ると、後から悩むことになりかねない。

なにしろ、今のアンプの駆動力は凄いし、音色も良いし、特にデジタルチャンデバは、あらゆるファクターをいじり放題・・・いくらでもそれなりに押さえ込んで音の調整が出来てしまう時代であるから・・・・・逆に泥沼になった時に解決する方向性を見失い易いのだ・・・・。大泣き


現代の 所謂ハイエンドオーディオの悲劇(?)は

本当に自分がそのユニットの音色(素)が好きなのかどうかも良く判らないままに、濃く味付けされ、完璧にバランスが取られた 完成製品の中から選択しなければならない・・・・  というところにあるような気がする。 

例えば (本格フレンチみたいな)味付けのやや濃い目の料理とかでは、余程の舌と経験がないと 素材にまで遡って 季節感を賞味することは難しい・・・ 味がイマイチだったとき、シェフがイマイチだったのか、素材がイマイチだったのかすら不明・・・・・大泣き

+額も額なので、超キンチョーシテ・・・高級レストランでは味ヨクワカラナイ・・・・笑  オーヂオショールームと一緒・・・・笑 一種の仕掛け・・・・に負けているのである。  

箱庭的美麗音とショールームが心底好きな方は幸せな世界であるけれども もしそうでなかったら・・・・総支払額に・・・・・ガクガクブルブル・・・・

確かに、素材の本当によいもので、本格フレンチ (特にソース)を作ると、ウムを言わさない凄まじく美味なお味になることは・・・・明らか。

=本当に良質な ハイエンド は さすがに 非常に美味な世界であります。(ちょっとやそっとでは買えないけど・・・・泣)

その点、ミニ懐石 和風定食 とか・・・・笑 であれば、御出汁と素材そのもののハーモニーでシンプルに構成されているものであるから、素材に遡って 賞味出来るし、御出汁にも普段から親しんでいるわけであるから 味がイマイチ であった場合はどの辺に問題があったか 判りやすいし、逆に凄く美味しかった場合、何処が良かったか、が何となく判るのが楽しい。

ミニ(ナンチャッテ)懐石を 自分で旬の素材を入手して作る感じ で 素な オーディオを楽しむの が 密かに楽しい世界なのであります。 笑





2009年5月16日土曜日

Altec 604E 再考6


Altec 604E

何とも軽やかで張りのある中高域に魅せられる。

ナマ音に近い迫力のある音。 ボーカルも実に良い。

さらに、打楽器系などはハッとする切れ上がりの良い音。

さすがに強力磁気回路の15インチにアンプ直結の切れ味は凄い。

一方、厳しい試聴用CD(オンマイクでやや荒れ気味のピアノやチェロなど)の再生では

アンプ直結のウーファーでは、僅かにフォルテッシモで分割振動が生じ、中高音は割れ気味となるが(笑)

それでも結構それなりに再生してしまうのが凄い (笑)

若干ハイ上がりで、軽いことを除けば、割合と文句無しの音である。

問題は高域と中域の繋がり部分だ。

やっぱり例のオリジナルホーンは外して、ウーファーのコーンをホーンの延長として使う 「タンノイ方式」を試してみる。

これはウーレイも密かに活用しており、ラディアルホーンに大きめのスリットを入れてカットオフを伸ばすテクとして使っているらしい。



タンノイ化した 604E ・・・・・ 爆


とりあえずギャップ部分はホーンのゴム製ガスケットをそのまま残して・・・・・ (大汗・・・)

試聴・・・・・・  汗・・・・・

結構イケル・・・・・これスゴい!

ちゃんとウーファーとホーンが繋がってる感じがする・・・・  驚き

高域のビーミングも、ホーン開口部の急激な広がりで拡散するのか、顕著ではない。

むしろ高すぎる高音域の音圧が下がるので聴きやすい。

キンキンだったホーンの高音が、適度に拡散して
やや抑えめの高音(それでもレベルは高いが)になった。笑

しばらくこれで行ってみることにする。

タンノイ方式 恐るべし。

ワタクシはコーン紙をホーンにするというタンノイ方式には以前から懐疑的であったけれども、

簡単に考えれば、コーン紙の メガホン をホーンにしている訳である。

メガホンも馬鹿に出来ない効果があるし・・・・
(プロ野球の・・・ チョットやめて欲しい応援席の大声援・・・大泣)

ツイーター+αといった 補助的に使うなら、これでも充分に活用できそうな感じである。

コンデンサー一発なら oct 6dbだ・・・・・かなりだら下がりに低い方まで音は出ているから 急にカットオフになって途切れると、それはそれで不自然で困るので・・・・笑

補助的に使うのなら、かなり可能性のある方法と見た。

さすがにゴム製ガスケットでは、コーンとの繋がり部分でロスが生じ、f特の暴れが・・・ 大泣き

見た目もあまりにも悲惨・・・・大泣き・・・・なので

ホーン開口とウーファーのボイスコイルをスムーズに繋ぐために

手製のショートホーンを作ってみようかと真剣に思い始めた。



2009年5月15日金曜日

Altec 604E 再考5

やや期待はずれな(笑)604のホーンのデザイン。

604のクロス付近の弱点を補うために、皆いろいろな試行錯誤をしておられる。

かのウーレイは独自設計の立派なホーンを取り付け、プロモニター用として普及した。

アルティック自身も新設計のマンタレーホーンを付けて、指向特性の改善を図っている。

その他、過去にメーカーや個人で、硬い木製のホーンを自作するなどして、音質を大幅改善している例が多数あるようである。


さて、この樹脂製ホーンの設計であるが、本来であれば802相当のコンプレッションドライバーのスロートの先に直接付けるべきものを、同軸設計にするためにウーファーユニットのアルニコ磁気回路を貫通させなければならず、広がり角の明らかに狭い、長いスロート部を介して、取り付けている。

こういったホーンの途中で広がり角が急に変わる、変則的な設計の場合、いったいどういう計算が成り立つのであろうか?良く判らない。

不連続なCDホーンではエクスポレンシャルカーブの途中を不連続的に繋ぐ、末広がりの形になっているが、この604では長いスロートの部分では広がり角が逆に窄まっている。 非常に変則的な形である。

なんとなく、JBLのショートホーンに近いような、ロングホーンの途中をばっさりと切り落としたような形になっている。

ショートホーンは音響レンズか何かを先端に付けないと、高域がビーミングして、音がきつそうなイメージがある。

実際の音もその通りで、ヒリヒリする感じが少しする。


なんとなく中途半端で不思議な感じのこのオリジナルホーンは、特異なスロートによる高域の指向特性を改善するために、ホーン先端に音響レンズ的なものを付ける必要性があったために産みだされたものなのかもしれない。

オリジナルのホーンを付けたり、外したりしながら音出しして、やはりホーンを作り直すかしないのかなという感じがしてきた。

2009年5月14日木曜日

Altec604E 再考4



Altec 604Eの樹脂製ホーン


プラプラのプラである。   大泣き


なんとなく冴えない・・・・



裏側から覗いて・・・・・驚く。

実は完全なマルチセルラーホーンではないのだ。

なんとマルチの顔をしたラジアルホーンというか、フツーのツイーターホーンに

高域拡散用のフインを付けたものである。大泣き・・・・・

tru-sonicが極めて真面目なハンドメイドのマルチセルラーホーンを使っているのと比べたら

手抜き??かと思ってしまう。

ラジアルホーンならラジアルホーンらしいデザインの方が納得がゆくのだが・・・・笑

おそらくラジアルホーンが主流の時代になって、プラ製ホーンの鳴き止め+高域拡散分布を整える目的で

フィンを付ける形にして、過去の製品とデザイン上の整合性を保ったのであろうか?

いずれにせよ

このプラプラの小型ホーンでは

15インチウーファーのクロスの目標となる500から800Hzはおろか、1KHz付近でのクロスは難しそうだ・・・・・
(泣き)

1-2K前後のクロスでもホーンのロード不足で、パワー抜けして、F特に凹凸の暴れが出そうな恐れすら・・・ (笑)

何か良い手を考えないと これはナカナカ難しそうである。






2009年5月13日水曜日

604E 再考3


ジャンクな Altec604E   コンデンサー 一発。



ウーファー部はフルレンジとして生かす方向が良さそうな 604E

基本設計というモノは、ナカナカ動かし難いキャラクターを形成するものである。

ウーファーはウーファー フルレンジはフルレンジだ。・・・・って当たり前であるが 笑

例のとってもアルティックな(笑)ネットワークを使わずに、質の良い管球アンプをウーファーに直接繋いで再生すると・・・・

ナカナカに透明かつ、しなやかな、質の高い中域を 朗々と再生する。

これは痛快だ。非常に出来の良いフルレンジのような音なのである。

こういった基本的なキャラは変えようがない。

このキャラを上手く伸ばしつつ、それ以外の弱いところを如何に目立たせず、それなりにバランスの取れた音に調整するのが、個人の趣味として非常に面白い部分になるかと思う。

604の悲劇は、もともとの中高域のバリッとした張りのある音を押し殺し、無理矢理 ウーファーとして1インチホーンと繋げたところに最初の問題が生じたのではないだろうか?

コンプレッションドライバー+ホーンは1インチスロートで、ややハイ上がりのエネルギーバランスである。

ホーンの高域は繊細でキラキラとした美麗な感じで良いのだが、中高域から中域にかけての厚みはあまりなく、
ハッキリ言って薄い・・・・・・大泣き

604のクロスオーバー付近の音はどちらかというと ホーンの音色を主として味付けされており、ウーファー部の高域の音色は、ネットワークだけでなくダンパーやフェルトで押さえ込んでいる

もともとのそれなりの音であるウーファーの中高域を捨てて、ホーンの方の音色を取ったのではないかと思う。

しかし、それではウーファーの中高域が、何となくつまったような感じになってしまう。しかもそこに1インチドライバー+小型ホーンのやや薄目の中高域と繋げようというのだから、当然繋がりは悪くなる。

特にクロス点でエネルギー感がなくなり、中抜け・・・・っぽい感じの音になってしまうノダ。

1キロから2キロ辺りは聴感的に非常にシビアな部分なので、これではかなりアンプやケーブル、ネットワークやチャンデバを弄らないと、フラット感のある音には出来そうもない。

604はクロス付近が辛いと言われる、その理由がよく分かる。

604G以降はさらに深刻で、それまでよりも若干m0が大きくなっているらしい。これは低域の再生には有利なチューンなのだが、中高域の再生はやや不利となって繋がりがより悪くなる。

さらに後期のユニットではロックやブラックミュージックの重く深く沈む感じの低音を大音量で再生しようと、大幅にチューニングを変えたらしい。

(604は非常に余力のあるユニットなので、それなりに時代に合わせて変化することが出来たため大変な長寿となったわけであるが)こうした基本設計からの大幅な方向転換は、実際にさまざまな問題を生じたのではなかろうか?

いずれにせよ比較的初期の604Eでは、ウーファー部の元々のフルレンジ的なキャラを生かして、ウーファーのネットワークはパスして直結にして、出来るだけ高域までユニットを自由に鳴らしてしまい、一方ホーンは若干押さえ気味のチューンにして、ツイーター的な扱いで全体を調整していった方が得策ではないかと思うようになってきた。


604E 再考2

altec 604 E
オリジナルのネットワークを使わずに
素の状態でどんな音がするのか、ドライバー部にコンデンサー一発、ウーファーは直結で聴いてみた。

ウーファー部は案外中高域が伸びていて張りがある。

バスホーンドライバーをバスレフ箱に入れた時のような音だ

若かりし頃にフォスのΣシリーズを小さなバスレフに入れて・・・・・大泣き あんな感じのエネルギーバランスではある・・・・ が 今回はさすがに15インチウーファーなので、あの時よりずっとマシな音である。笑


低域はだら下がり。出ていないわけではないが、中域のレベルが異常に高いので
隠れてしまう感じ。磁気回路が強力すぎるのであろう・・・・・・ 泣き

ただ、15インチウーファーとは思えない軽やかな音。10-12インチのミッドバスのような音である。

試みにフェルトのカバーを撤去してフルレンジとして聴いてみる。

高域は全く出ていないが、中域は結構ヨロシイ。笑

繊細で小回りの利くカラッとした音。分解能は案外高い。15インチウーファーとは思えない。

また3インチボイスコイルにしては、1キロぐらいまで案外マトモナ(笑)音が出ている。

フェルトを剥がし、ローパスフイルターを撤去しても、変ながさついた音はしない。

全体に中高域寄りのエネルギーバランスではあるのだが

良く出来たフルレンジユニットのような感じ。

それでボーカルの再生が綺麗なのだ。

これはこれで決して悪くない。結構イケル・・・・・ 笑

604Eのウーファー部は ウーファーではなくて、

磁気回路の強力な、フルレンジ と考えた方がよさそうである。

そういえば、Tru-sonicの206にしても、Altecの515や604にしても、元々のルーツはウエスタンの
大口径フルレンジ(フィールド型だが)であるから、当然といえば当然か。

しかし、いつの間にか時代の要請で、フルレンジを無理矢理ウーファーとしてチューンしなければならなくなったのも運命なのだろうか。

いずれにせよ、604Eは比較的初期型であるからフルレンジ扱いとして考える。

ということは、これからイロイロとやり方が思いつくのだ。笑

2009年5月11日月曜日

Altec 604E 再考


Altec 604Eのレストアも一応終了。

ボイスコイルに若干のスレは残るものの、中小音量動作では問題にならない程度までスレを軽減。

慎重に音だし開始。

イイ!

引き締まって 綺麗な音だ。

パーンと張りのある 軽快な キレのあるサウンド。

アンプは6L6GCプッシュプルである。

特にボーカルはナカナカ良い。

エネルギーバランスはやや高域寄りか。

低音はやや出にくい感じの素性かと思われる。

ボイスコイル位置の調整をしてみる。

この時代のユニットはダンパーがへたっていてボイスコイルが奥に落ち込んでいるものが多い。

604系は比較的ロングギャップなのだが、
ボイスコイルがギャップから外れると途端に分解能が落ちる。

正常な位置に調整すると実に繊細な透明感のある音が飛び出す。

特徴的なのは802相当という1インチスロートのドライバーの音

高域端から爽やかな音が出てくる。299や288と比べると、軽いというか、ややハイ上がりな感じか?

ところで、オリジナルのネットワークは・・・・・・・大泣き さすがに今となっては?????

やはりマルチで楽しむか、あるいはネットワークを改めて作り直した方が
音の鮮度、切れ、透明感などは確実に向上し、

今っぽい音に仕上がって、全体のパフォーマンスは良くなると思われる。

さて、604Eの清涼感とキレのある、カラッとした音。ジャズは最高である。

こういうのも結構好きデスケド・・・・

長時間聴いているとだんだんと・・・・・涙

うーむ。アメリカ人・・・・・カリフォルニア人っぽい感じ?か? いいんですけどね 笑

もうちょっと表現に深みというか、陰影というか、余韻みたいなのも
あっても良さそうじゃあないかナ・・・・とか。

最初から605とかだと、バランスはもう少し良さそうではある・・・・・

しかし604のこの駆動力とポテンシャルは凄い。なんとかこれを生かしてみたいと思う。

これをどのように自分好みの音にチューンしようか・・・・・・と、これから楽しみな試行錯誤が始まる。

2009年5月6日水曜日

604E

604 Duplex

それにしても 凄いユニットである。フレームやマグネットアッセンブリーの作り、全体に非常にガッチリとしていて、塗装などの仕上げも美しく、工作精度は極めて高い。

おそらく多少は減磁しているだろうが、ギャップ部の磁力は相当に高く、経年で脱落、ギャップ間に挟まっている金属の小片を除去するのに苦労する。

この辺は純鉄製と思われるが、ホーンを止めているビスの辺りから生じた長年の錆びが、ギャップ部に及んで 錆びの粉がギャップに入り込んでいる。

それに工作時の旋盤の削りカスと思われる破片?まで挟まっていて・・・・これではボイスコイルに干渉し、変な音になるはずである。



こういった、ありえない状態 が 普通にありえる・・・・・ のが、いかにもアメリカ製らしい・・・・笑

コーン紙の皺は少しずつ伸ばして・・・・まあなんか大変な作業ではある。

断線箇所も探さないといけない。ぱっと見た感じは切れてそうなところは判らなかったので

テスターと実体顕微鏡のお出ましである(笑)


ダンパー (スパイダー)は、非常に木目の細かい繊維状のもので、いかにも繊細な音が出そうである。

コーン紙も軽く、中域、微小入力重視の設計が伺える。

これは本当にポテンシャルの高そうなユニットである。

2009年5月5日火曜日

Altec 604 E Duplex restore 4

作業中・・・で汚い・・・・涙



いつも、こんな面倒な作業はやりたくない と思いつつ また チャレンジしてしまうのが・・・・泣き

ギャップ幅が非常に狭いため、通常のトライアンドエラーでは調整しずらく、薄い紙を八方に挟んで
調整、傾き、歪みをチェック

エッジワイズのボイスコイルは結構厚みがあり、ほんの少しのズレで、ギャップを出入りする際に引っかかる。

ひどい引っかかりはボイスコイル破損、焼損の危険あり。

僅かな引っかかりは そのまま 音の歪みに・・・・ 涙

音の歪みは 紙臭い感じのほんの僅かな歪みで、音量によって殆ど気にならない時もあるが曲者である。ビンテージユニット故、知らず知らずのうちに歪んでる可能性は結構高い。


ちなみに古いアルティックは紙臭くて嫌いという人は多い・・・ 

しかし本調子のアルティックは結構まともな良い音で 

アンプさえ良ければ、少なくともあんまり紙臭くはないと思うのだが・・・


オリジナルのボイスコイル コーンの製作時の跡を見ると、結構粗っぽく接着してあったりして・・・・大汗

しかも磁束密度を高めるために、ギリギリな設計のギャップ幅。

これじゃあいつか必ず擦るなあ・・・・といった感じに見える (涙)

コーンの組み付けの精度が悪く、経年変化でダンパー、エッジがへたってきて、

ボイスコイルの微細な擦れが生じ・・・・

それによる歪みが原因で音が不調になって、超紙臭くなっている場合も結構あるのではないだろうか?

布エッジ+ビスコロイドは、JBLのウレタンエッジのようには経年でボロボロにならないから、ダンパーやエッジの交換時期も良く判らない 笑

リコーンせず ずっと使えると勘違い 確かに 鳴ってはいるし・・・・・  大汗

ところがリコーンすれば そっくりまるごと交換になるので、音も変わるし、オリジナルの初動感度の高さは失われてしまう・・・・

やっぱり 根性を入れて、オリジナルパーツを丁寧に再生して レストアするしかなさそうである




2009年5月4日月曜日

Altec 604 E Duplex restore 3

Altec 604 レストア

シワシワのコーンを伸ばし、セルロース系の接着剤を浸透させて補修する。

ボイスコイルの擦れを除くのに苦労する。

ギャップが非常に狭いのだ。

リボンのエッジワイズなのだが

本当にギリギリなギャップ幅なのである。

ほんの僅かの歪みでギャップと擦れる。

擦れると歪みが出る。

特にピアノのアタック音で歪みが顕著に現れる。

繊細な作業だが ナカナカ楽しい。

Altecの604や515のスペック表を見ているのだが

スペック表にQ や m0が載っていない・・・・・ 大泣き

モデル毎に Q や m0がかなり異なるのは間違いないはずなのだが。

それを確認する手だてがない。

604相当品とされる 515Bの Qoは0.18、moは62g 前後らしいのだが・・・・・ 

どう見ても 604のスパイダーやエッジはソフトで、Qoはもっと大きく、ブラブラな感じに見えるのだが・・・・・?

おそらく バスホーン駆動用の515と バスレフ前提の604では磁気回路はほぼ共用でも、チューニングを変えているのだろう。

2009年5月3日日曜日

Altec 604 E Duplex restore2



このユニット、レストアしながら改めて構造や材料など、細部を確認すると、ただ者ではないことが判る。

まず非常に強力な磁気回路を搭載していること。

スペック的には515B相当と言われるが、マグネットのセンターをホールが貫通し、そこを同軸のスロートが通る

磁気的にはどうなのだろうか 僅かに515より弱い感じだろうか?

いずれにしても非常に強力なものであることだけは間違いない。

大型のバスレフが推奨だが、低音ホーンをドライブ出来る力もありそうな感じである。


背中に背負った、高域のホーンドライバーもまた、1インチながら本格的なアルニコVの磁気回路で、カナリシャープに決まる。

1インチらしく高域の伸びも良い。一方、同軸の内臓ホーンはスペース的に設計の制約が多く、かなり小さなラジアルホーン+準マルチセルラーホーンを搭載している。これをウーレイのように、もう少し大きくしてみたいナアと思う。

ホーレー製の604Eのオリジナルのコーン紙は軽く、比較的薄い感じのものである。

また、ダンパーも薄く、ソフトなものを使っており、非常に硬いダンパーを使っているJBLの2220Bなどと比べると、かなり繊細な入力信号に対しても追従出来そうな感じである。

JBLよりも、より中域重視、かつ初動感度や微細信号の再生を重視した設計と思われる。

これらの特徴を見ると、なんとなく最近のフォスのバックロード用の高級フルレンジを思い起こさせた。(音自体は大分違うけれど)

コーン紙へのこだわり、微細入力や初動感度への最適化、強力なアルニコ磁気回路、適度にダンプされた軽い低音など・・・・

フォスのバックロード用ユニットは昔は紙臭かったけれども(笑) 最近のユニットは従来品のような紙臭さがなく、中高域の暴れがなく、中域のスムーズさもあって、高く評価されているようだが、ユニットの進んでいる方向性がこの頃のアルティックと案外似ているような気もするのだ。(笑)

従って、可能性として、往年のビンテージユニットである604Eをベストチューンして、質の高い強力なアンプとデジタルチャンデバでねじ伏せれば(笑)、かなり微細かつ現代的な音を再生できる可能性があるのではなかろうか?

特に中大音量で使う場合、かなりハイレベルな再生が可能になりそうだ。

構造と素材だけを見ても、いかにも鳴りそうな、本格的なユニットであることは間違いない。




Altec 604 E Duplex restore


レストア開始


604E・・・・・

比較的初期のアルニコのもの・・・・・ 理由はそれなりに



604はアルティックの定番ユニット バリッとした力強い音が特徴

一方我が家ではTru-sonic の206AXが普段から活躍している。

15インチ同軸として常に比較される両者だが キャラクターはマッタク異なる。

落ち着いた 厚みと余韻 節度のある206と

直裁的で鋭い切り込み、カラッとパワフルな604

いつもは206を使っているのだが

時にはバリバリとした604の音で50年代のジャズやジャズボーカルを聞きたくなる・・・・笑

604は極初期のモノや、マンタレーホーン採用+最後のアルニコのH型の人気が比較的高いらしい

ワタクシ的には、初期型は高杉で、とてもじゃあないが手が出ず。

604Eは中古の流通量から値段的にこなれている 音もナカナカとのことで、これをチョイス

(単に値段が一番安かったから・・・とも 笑)

この604はモニターやホールの音響用として、またジャズマニアの定番として

日本に大量に輸入されたので、球数が多く、入手は容易

値段も ジャンクに近い程度の悪いモノならば・・・時々激安で処分されていたりもする・・・・笑

だが、使いこなしはカナリ シビア・・・・・・泣き

家庭使用では有り余るパワーと オーバーダンプ気味の低音を出しにくいウーファーコーン

しっとりと鳴らしたい人にはまったく向かない、ハッキリ言ってじゃじゃ馬である。

メインシステムに据えられるという自信はマッタクないのだ・・・・・が

あの強烈にキレの良い604の音を一度聞いてしまうと やっぱりチャレンジしたくなる。

生音に近い 音に太い芯のある バリッとした音像は魅惑的である。

アル意味、怖いモノ見たさに  ジャンク品をゲットし

レストアプロジェクトの始動となった。

到着して後悔・・・・なんせ15キロもある怪物ユニット 箱もデカイし、ユニットの奥行きも尋常ではない。
この2本の収納はどうしようかと真剣に悩んでいる・・・・・泣き

届いたブツを詳しく検分すると・・・・コーンが完全に潰れていて

端子間に導通マッタク無し・・・・・・・・ 大泣き

ただし、奇跡的に コーン紙に破れは無かった!

ダンパーもエッジもややへたっているが、何とかなりそうな範囲内である。

この手のユニットのレストアで最も重要なのは

オリジナルのコーンとダンパーが残っているか に かかっている。

604のリコーンキットは多数流通しており、アルティックのオリジナルの部品もGPAから入手可能ではあるのだが

比較的初期の604に採用されていたダンパーとコーンはそれらとはカナリ違うようなのだ・・・・・

604はキャラが濃いユニットなので、そんなに決定的には影響しないものの

リコーンによって音が大幅に変わってしまうことも希ではない (大泣き・・・・・)

できればオリジナルのダンパーとコーンで無事修復を完了したいのである。