2020年3月13日金曜日

Sigma SD quattro H は 写真趣味(カメラ)の曲がり角を楽しむ傑作機 3 その身勝手な理由

Sigma SD quattro H SDQHはミラーレスでありながらSAマウントの長いフランジバッグを有しております。
シグマレンズしか使えないとか、高感度ではボロボロになるなど 写真(機)趣味用機材として若干不遇な?立ち位置ではありますが、工夫と納得で美味しく楽しめる、隠れた名機です。

 他のミラーレス機のように、ライカ等のオールドレンズ遊びができない点に関しては残念ではありますが、フルサイズミラーレス機のα7シリーズが容易に手に入り、2台持ち当たり前の時代ですからさほど問題なさそうです。
 そもそもフォビオンはテレセントリックなレンズでないと強烈な色被り(緑色や紫のフィルタ 偽色が画面の周辺に強烈に出る)を起こす特性があるため、ショートフランジバックのオールドレンズとの相性は良くありません。その結果フランジバックの長い一眼用のオールドレンズで遊ぶことになります。

 SAマウント用のプラクチカ スクリューマウント用の中華製レンズアダプタが1~2千円で入手できるので、結果としてSAマウントボディーでもオールドレンズ遊びはそこそこ楽しめるという話になります。


 また、SAマウントは機械的にペンタックスのKマウントと互換(?)の設計なので選択肢は豊富です。Kマウントレンズを使う場合は基本的に(簡単な)改造が必要です。 細かい話になりますが ペンタックスのKマウントレンズの絞り連動ピンを曲げるかカットして 連動ピンのガードを外す改造が必要です (慣れれば3分程度の作業です)
それだけでシグマのボディーに取り付きます。
 フランジバックはSAマウントの方が少し短いので距離の指標・無限遠の位置は合いませんが、大抵のレンズはピントが来ます。

ペンタックスのレンズ群は昔からコーティングが良いので、抜けが良く、フォビオンとの相性は割と良いです。

 最近若干立ち位置が微妙になってきた ペンタックスのレンズを 純正以外のボディーで楽しむ候補として SDQHは結構アリ な選択肢です。

 オールドレンズの絞りを開けてふわり と撮るには味わい深い タクマーを
 やや大柄なSDQHを散歩カメラとして使うには 小型軽量で抜けの良いSMCコートのmレンズを使い分けできます。シグマSAマウントの良いレンズは描写は抜群でも大きく重いですから徐々に稼働率が下がりますのでその対策にはもってこいです。
 どちらのオールドレンズもフルサイズのミラーレスで使うと周辺部は流れ不満もありますがSDQHはAPS-Hサイズなので良い感じに周辺はトリミングされますので、中央部の美味しいところだけ使う形になります。F5.6以上に絞ったときの先鋭度は画面全域で高く、仕上がりに不満を感じることはほとんどありません。

(シグマSAマウントレンズはペンタックスのボディーには取り付きません。微妙にレンズ側マウントのガイド径を変えていて(少し大きくなっている)入らない構造にしているようです。涙目)


 SAマウントのフランジバックはキャノンEFマウントと同じで、しかも電子制御プロトコルも類似なため、海外ユーザーの強者はキャノンEFレンズマウントに改造したSDQHでレンズのラインナップを増やし、フォビオンを楽しんでいるようです。気合を入れて改造すれば 絞り・AFは連動するらしいです(手振れ防止はNGらしいですが)。


4 件のコメント:

TRAD さんのコメント...

初めまして、茨城のTRADと申します。
SDquattroを購入して半年の初心者です。

自分もずっとペンタックスでやってきた人間なので、シンパパ様の文章を興味深く読ませて頂きました。
もう1年も前に書かれた文章にご迷惑だとは思いますが、よろしければ教えてください。

1.Kマウントレンズの絞りレバーのカットまたは折曲げは、どれくらいの長さで行っていますか?
2.絞りレバーカバーはどのような工具を使って、やはりどれくらいの高さでカットしていますか?
3.これらの改造をしたレンズはもとのKマウントカメラで問題なく使用できますか?

よろしければ教えてください。
よろしくお願いいたします。

シンパパ さんのコメント...

TRADさま
コメントありがとうございます。超絶亀レスで申し訳ございません。
個体差もあると思いますので慎重に確認しながら行ってください。

絞りレバー(スチールの棒)はヤットコ(先端の細いペンチのような道具)を2本用いて
先端のみを内側に(絞りレバーカバーと逆方向)に少し曲げて、SDのマウント部に接触しない
ようにしています。ポイントは曲げるのは先端のみであってレンズの中の方に入っているレバー
全体に歪みを生じないようにしています(そうすれば再びPENTAX用に再生も可能)

私の場合絞りレバーカバーには加工しなくてもSDのマウント部と干渉することはありませんでした。


絞りレバーを曲げるとペンタックス一眼では絞りの連動はできなくなりますので 非連動、絞り込み
での運用となります。

機種やレンズによりピンの長さ、干渉の程度は異なる可能性がありますので、あくまで自己責任、各個体の状況を良くご確認いただいてから加工して下さい。

シンパパ さんのコメント...

先ほどの投稿に誤りがありました

干渉を避けるため
絞りレバーカバーを含めた黒いアルミ製のプレート(カバー)を丸ごと取り外していました。
(レンズマウントに小さなねじで固定されているだけなので割と簡単に取り外すことができます)

取り外した状態で2本のヤットコでピンの先端を直角に曲げて当たらないようにしています。
(かなり荒っぽいですが・・・)

SMCペンタックスレンズはコーティングが良いので カリカリでななくて 色のりの程よい
なかなかいい感じの写真が撮れます。

カリカリなシグマレンズとの使い分けが楽しいです。

TRAD さんのコメント...

コメントをありがとうございます!

自分のペンタレンズをいじってみる勇気が湧いてきました。

他のSD使いの方にとっても貴重な情報だと思います。

ありがとうございました。