2008年5月6日火曜日

昨今のオーディオ事情とハイエンド・・・・とガラクタ再生

ワタクシ、実は仕事の都合で一昨年まで北米生活を強いられていた。帰国してから一気にオーディオ熱が再燃してしまったのである。

北米生活では基本的にオーディオ抜きの生活であった。それは仕事が非常に多忙で大変だっただけでなく、アメリカの特殊なオーディオ事情にもよる。

アメリカのオーディオ事情とは端的に言って、 カーステ、ラジカセ、安物のAVサラウンド カラオケ またはipodである。

それ以外は、いわゆる家電チェーン店、電気屋(ハードウエアストア)では流通していない。モノを置いていない。(唯一の例外がBOSEショップか?)

日本にドンドン入ってくる、ハイエンドのオーディオセットって、向こうでは 「何ですかそれ?」という珍しい存在。展示している店舗(?)は極限られており、近隣の店ではついに見ることも聴くことも出来なかったデス・・・ハイ。 フリーウエイを数時間走ってもディーラーが無い・・・・。

ハイエンドのオーディオセットはそんなとっても特殊な製品で、高級顧客を相手に個人的に商売するディーラーさん達が居て、高級なお客さん達に、とっても高級な物を勧めて販売する、それで商売が成り立つという世界らしい。(高級顧客サン達は通常、高級住宅地の最低数億、価格は天井知らずの、大邸宅や高級コンドにお住まいだ・・・・・。)

中には日本人にやや近い例外、非常に熱心なステレオファイルもいて、コストパフォーマンスの優れた商品を巧みに組み合わせたり、ガレージセール品やebay等で仕入れたモノを自力で再生したり、あるいは高額なオペアンプ等の電子パーツを通販等で仕入れて、大改造を加える強者がいたりもする・・・・例えば理系で電気工学系の凄く強い人 (オーディオ的にはアマなのだが・・・)がいるのも特徴 ・・・・・であるが、これらは少数派である。

向こうでは、私達家族は非常にキツイ生活だったので、そんな贅沢品とは縁はなかった・・・というか、家族や友人達と一緒に大自然の中でキャンプしたり、バーベキューしたりする方がよっぽど楽しかった。


カーステ、安物のAVサラウンドスピーカーでCDの音を聞いて2年間をしのいだ。その反動で、、帰国後オーティオにはまってしまったわけである。

ハイエンドオーディオとは、とってもお金持ちの方々の好む音にチューンされた、高級なオーディオセット(もしくはミニコンポ)なのですネ・・・・・・って、当たり前ですが、向こうの生活をするとその辺の収入に伴うヒエラルヒーが、骨身に浸みて判るようになります。

かのマークレビンソン氏などは、(時々アメリカ人にいるのですが例外的に極度に感性の鋭い)耳が極度に良く、しかも お金持ちの方々の好む音のツボを知り尽くしている方なのでしょう。

向こうの高級なリビングに行くと、すばらしい大理石のマントルピース、大理石または超高級フローリングの床、見事な調度品、窓の外には素晴らしい夜景、美しい間接照明が揃っており、そこにさりげなく自慢のオーディオセットや大画面のホームシアターセットが置いてある。音は基本的にはパワフルなシネマサウンドか、極美麗なBGM的サウンドであることが多い。

こういう成り立ちの商品なので、基本的にイヤな音が出ず、高級感がある部屋に見劣りしないデザインが要求される。音はそれなりに美麗・・・・でかつ、それなりにパワフル。 ク リスタルクリーンな音が部屋いっぱいに広がる...... といった要求をそつなくクリーアーしている。(すばらしいデス・・・・・)

商品の成り立ちからお判りと思うが、そうした顧客の要求に応えるために、少量生産で、利ざやが大きい商品として成り立つものである。当然超高額な値付けがなされる。買う側も値段には頓着せず、希少性と高額な値段もまたステータスの一部となる。

ワタクシ的にはこういった特殊な成り立ちの高額商品を、生真面目な日本人が 無批判かつまじめに「お勉強」して、さらに年金やら預貯金を切り崩したり、ローンを組んで、次々と購入するのは 良いお得意さんを通り越して、良いカモ になってるだけなんじゃないか・・・・・・と思ったりもする今日この頃である。

日本の方がもっとイロイロと素晴らしいリソースがあるのに・・・・
ちょっと残念である。

某社(舶来・・・)の百万以上のDVDプレーヤーの中身が、そっくり国産の実売2万円のものだった・・・なんて笑えない話もあるらしい。

日本のメーカーさんもその辺を理解してしっかりマーケッティングしていれば今頃・・・と悔やまれるところである。マーケットの規模からして難しいか・・・・(その辺、アキュとかエソとかTADとかはエライと思う。継続こそチカラである。OEMだがフォスなども凄い・・・)

その辺のカラクリを理解して、過去の日本製品の中から特に優良な品を選別するチカラと、昨今の音の色づけなどの妙を心得れば、ジャンクを修理したガラクタのようなものでも、ウン百万のハイエンドの機器を超える音を出す可能性も生じる訳で・・・・

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