2008年5月24日土曜日

Tru-sonic 206AXA の高音

Tru-sonic 206AXA の高音について

マルチレルラーホーン、1.5インチダイアフラムのコンプレッションドライバーである。
フェーズプラグは古典的な多穴のホールで、磁気回路はウーハーと共用している。
スロート径は1インチ。

ダイアフラムは比較的厚みのあるアルミ製で、エッジは同心円の溝状になっているようだ。

よく比較されるアルティック604の高音と比べると、かなり異なるキャラクターだ。

なんともいえない、甘美な高音である。604を男性的と言うなら、206は女性的な音ということになるだろう。

ジャズのシンバル音は604の様にダイナミックには鳴らない。あくまで控えめな印象だ。また、ハイエンドは余り伸びていない感じもある。 

はっとするようなダイナミックさは無いのだが、聞き込むと、しっかりとした厚みもあり、なかなか質感も高いことがわかる。8セルのマルチセルラーホーンにより、指向性もきちんとコントロールされており、自然な広がり感だ。 ビーム状になりがちなショートホーンのキャラクターが、非常に良く押さえ込まれている。これは大変重要な処である。

(ビーム状の高音は、長期使用で違和感が出て来て、結局手放すことになることが多いのだ。)

また適度に厚みのある高音は15インチのウーハーとの繋がりが自然で、クロスオーバー付近の音のコントロールがしやすい。

ジャズをかぶりつきで聴く感じを求めるならダイナミックで切れ込みのある604、長時間の試聴や、しっとりとボーカルを聴くなら206が良さそうな感じである。

0 件のコメント: