2008年9月26日金曜日

FS41RP Fostex

FS41RP FOSTEX




フォステクスの伝説のミッドバスユニットFS41RP

プリンテッドリボン式ミッドバス

FS41RPという、型番すらすっかり忘れていた(笑)

生産中止となり長期間経過して

たった一回だけ某店の有名店主様のお計らいで、

受注再生産された。

再生産の実現までに実に1年程かかった。

予約希望者に対し、 おそらく5-10ペア程度供給されたと聞いている。

約15年程前の出来事であった。

値段は結構高かったが、今回しかチャンスはないと、予約購入した。

この少数再生産は、メーカーのfostexにとっても大変な作業になったと伺っている。

これを入手したときはFostexのユーザーへの配慮と、店主様の熱意に感激したものである。


オーディオをやっていて、一番悩む処は、ミッドバスではないだろうか。


ツイーター、スコーカーは良い製品が非常に多い。

ウーファーもまた優秀なユニットが多く、優れたパワーアンプと、箱のチューニングさえ決まれば、
聴感的にもさほどシビアな領域ではないので、それなりに満足できる部分である。

超低域や超高域は、臨場感や雰囲気などに影響するが、音楽性そのものには余り関与はしないので
それなりに出ていれば文句はあまりない(笑)

ところが、ミッドバスの領域は、音楽性にモロに影響し、聴感的にもかなりシビアな部分である

にも関わらず、オーディオ再生では常に後手に回っていて、一種の盲点となっている。

例えばフルレンジユニットでは分割振動領域であるし、中型ホーンシステムでは12-15インチウーファーの上限の音域なので非常に再生が苦しい処である。

通常のミッドバスは超強力磁気回路の10-12インチユニットで、オーバーダンプされた振動板を有し、これをやや狭いボックスに突っ込んで使用する場合が多く、なんとなく今一歩抜け切らない、透明度の上がらない音に悩まされるケースは多い。

最近のハイエンド製品は比較的小口径ユニットを多数配置して、優秀なアンプで駆動して解決しようとしている。改善効果はめざましいものの、この方法が根本的な解決になっているのかは不明。

ホーン式で解決しようとすると、恐ろしい規模のホーンが必要になる。
大型ホーン自体の魅力は相当なものだが、使いこなすのは大変である。
サイズがデカイだけに狭い部屋でのセッティングは容易ではなく、これでピンポイントの定位を狙うのはきつい感じである。 (広大なリスニングルームをお持ちの方は別だが・・・・・・)
ホーンの素材から出る「ホーン泣き」もまた、相当なレベルになるので、家庭用として決して一般的なものではない。


FS41RP Fostexは、透明度とトランジェントとパワーを両立させるために、リボン型のデザインで製作された、非常に野心的な大型ユニットである。

振動板面積は30センチウーファーに匹敵。

極めて優れた物理特性を有し、分解能、トランジェント、パワー感 ほぼ全てのファクターが

素晴らしい性能である。

コンデンサースピーカーの特性と音色、ダイナミック型スピーカーのパワー感が、両立している驚き

そして、場所を取らない

しかし、このユニットの真価を発揮させるのに、

ワタシの場合、なんと10年以上かかってしまったのである(泣き)

2008年9月25日木曜日

ONKYO P3060R

ONKYO P3060R








上がONKYO P3060R

P306Rの欧米輸出モデル。110-220V対応

美品でなければ、非常に安価である。(1万円弱・・・・笑)

P3060Rの音は、バランスが良い、その一語に尽きる。
明るくも、暗くもなく、色づけが少ない。


ただ、開発時期が随分古いので、

パーツの劣化が進んでいる。

細かいところの煮詰めが今ひとつで、

高額なプリと比較すると、明らかに構造的に劣る感じで、底力や厚みのない音である。(涙)


そこで、極めて脆弱な底板と、頼りないインシュレーターを取り外し、

電源や内部のケーブルを総点検したところ

コネクター部分の接触が悪いところがあり

明らかに音が劣化している事が判った。

主要なラインが基盤に入る処が、簡単な差込になっていて
点接触になっている。酸化皮膜が出来るとかなり音が劣化してしまう。

ペンチで強く挟んで圧着し、半田を流し込んで導通を確実にする。


底板を強化し、インシュレーターを面接触で広めのものに交換し直したところ

厚みのある本格的な音が出るようになった。


地味な製品だが、かなり、価格対満足度の高い商品である。

2008年9月23日火曜日

SONY DVP-S9000ES 改

SONY DVP-S9000ES

いまさら・・・・のSACD、かつ、いまさら・・・・・のDVP-S9000ES である・・・ 笑





SACDが聴きたくて、ずいぶん前に入手したもので、改造を施している。

改造箇所に関してはウエブ上でかなり触れられているので省略

内部電源の引き回しとACコード、

インシュレーター

コンデンサー回り

回転メカ回り

を出来る範囲内で強化している。

銅板やブチル、音響用のヘビーな電源コードなどを

随所に入れ込んでチューニングした。

こういったチューニングは、どの機種でもやれば良いというような単純な話ではなく、

かえって音がつまらなくなる場合も多いし、期待通りの良い音になるとは限らないので

最近はやらなくなって久しい。

しかし、一部の機種は、非常に対策の効果が出る。

これは麻薬的とも言える世界で

時々狙いを定めてチューニングするのだが、これが上手くツボにはまったときの喜びは大きい。(笑)



DVP-S9000ESは未完の大器と言うべき機種で、

SACDの再生にかなりのウエイトをかけて製作した、実質的に非常に高級な機種らしい。

SONYの初期のSACDプレーヤーは、ノーマルの状態では、音は確かに繊細美麗ではあるが、やや細身で単調な再生音であり、やっぱりダメか・・・・と落胆していた。

音楽的な表情に乏しく、また中低音域の厚みは、やや冴えない感じで、しかも高域にキャラクターがあり、好きになれなかったのであるが・・・・

この機種は高域のキャラクターが少なく、筐体も、部品もかなりしっかりしているということで、潜在能力は相当高いらしい。そこで中古品をオクでゲットし、コツコツ改造してみた。

結果は上々で、特に内部のケーブルの変更と、インシュレーターをアクリル製の強靱なブロックに変更してから、

非常に厚みのある、SACDとは思えないような彫りの深い立体音像が出るようになった。

腰高だった音がピラミッド状の安定感のある音に。

しかも高弦のきめの細かさは、さすがにSACDと言えるもので

CDも補完があるのかSACD風の繊細な高域が得られる。

長年愛用してきたTEACのVRDS25Xを押しのけて、リファレンス機種になってしまった。

派手さや、押しつけがましい感じが全く無く、非常にニュートラルでありながら、

リスナーが注意して聞き込めば、いくらでもディテールが拾い出せるという、ナカナカ通好みの音である。

SACDのソフトも最近はメジャーなメーカーからはあまりリリースされていないようなので、枯れてきている分野かと思うが、録音もこなれているものが多く、ヨーロッパから渋いマイナーなアルバムが出ていたりして、ハイブリッド版などを見つけるとついつい買ってしまう。

このクラスのプレーヤーで比較試聴すると、SACDはさすがに音が良い。

オーケストラの高弦や雰囲気感は特に魅力的である。

DVP-S9000ESは、 改造すれば、ジャズにもクラッシックにも充分使える、良い製品である。

2008年9月20日土曜日

DCX2496 気絶? 暴走!

DCX2496

ベーリンガー







マルチのチャンデバ

デジタルプリ

DAC

グライコ

非常に多彩な機能を持つ。

この機種、低価格故か、不安定なところがあって

突然暴走することがある。

バリバリバリ・・・・・

スピーカーコーンが裂け

コンプレッションドライバーのフラムが飛びそうな

大轟音を響かせた・

ディスプレーは真っ白になっていて、これは暴走している  

あわててパワーアンプの電源を落とす。

なんとか事なきを得たが

アムクロンのインプットゲインを絞っていて助かった。

こういう寿命が縮まるような大騒音は勘弁である・・・・・涙



DCX2496欠点を挙げればきりがないが、とにかくコストパフォーマンスだけは非常に高い。

機能は本当に豊富で、何でも出来る感じだ。

多機能故、最初は戸惑うものの、慣れれば使い勝手も良く不満はない。

音は特に良いという訳ではないが、悪くもなく、使いこなし次第でそこそこイケル感じ。

デジタル入力による低音から中高音域までは、比較的満足度は高い

しかし、最高域は後一歩で、音場も広大という感じはなく、また音の厚みも、ソリッド感も、やや薄い感じがある。(涙)

将来、時間が出来たら、オペアンプの交換にチャレンジしてみようかとも考えている。

2008年9月13日土曜日

ホーンのデザインと素材の選択

ホーンのデザインと、素材の選択は悩ましい

予算とルックス、音、スペース、すべてのファクターを満たすのは殆ど不可能である。

木製、金属製、FRP、複合素材・・・・

丸形ラッパ、マルチセルラー、丸形ショートにレンズ、CD、マンタレー、バイラジアル、etc

どれがよいのか、ある程度の試行錯誤が必要であるが

あまり高額なもの、巨大なものは、失敗した時、売却も収納保管も難しく、痛すぎる。(大泣き)

世評もあまり当てにならない(涙)

日本ではメジャーな、JBLのショートホーン系はどうしてもワタシは駄目であった。 (泣き)

特性的にも、かなり暴れがあるらしいのだ。
高域もビーミングするので、特にレンズ無しではとても長時間聴けない感じのキツイ音である。

金属系ホーンは鳴きの点で一長一短である。
ジャズのホーンセクションやシンバル音は、ホーンの共振音がスパイスのように効いて、ばっちりなサウンドであるが、それ以外の再生では今ひとつ・・・・であったりもする。

また、木製の大型ホーンは、厚みがあり大人の音ではあるものの、値段の割には今ひとつと言うべきか、やや押さえ気味の、地味な感じの音であった。


最近のSR用のホーンは、ぱっとしないものも多いのだが、選択枝自体は多い。

最近の流れとして、スロートが短く、フレア角がやや大きく、ホーンの途中や前に余計な夾雑物を入れず、 流体力学的にもスムーズな、そして僅かに高域拡散コントロールのための中間絞りを(CDホーンのように) 入れているものがあり、これはなかなかバランスが取れていて、聞いた感じでは好ましい感じであった。

ただ、中間絞りが強すぎるものは、やや違和感が強く、抜けが悪くて、ハッキリ駄目であった。

逆に全く絞りが無いと、高域がビーミングする場合もあるので、この辺りのバランスはかなり微妙なところである。



SR用のホーンの素材としては FRPや高分子フォーム、エンジニアリングプラスティックなどが主流となっていて、かってのアルミ鋳物や硬度の高い木製と比較すると、コスト重視の、どちらかというと手抜き製品?という、マニアの間ではかなり低い評価になっているらしいのであるが・・・・・・

聞き比べてみた感じでは、そうかもしれないが、そうとも言えない、微妙な感じで・・・・

案外、総合的に見て、より設計の新しい、SR用のホーンの方が音が良いのでは・・・・掘り出し物があるのでは?
というのがワタクシ的に偽らざる感想である。

(もともと安い製品なので、ルックスも今ひとつで、自慢にもならないのだが・・・・涙)

個人的には、JBLの2385Aと、2353辺りがお勧めである。

特に2385Aはスペースも取らないし、音もナカナカ良いので、1.5inch用のアダプターを(根性で)自作して強引にAltec299を繋いで使用している。結果は上々である。

一方、2353は歪みが少なく、抜けが良く、ホーン臭くない、非常にバランスの良い製品だ。

設置面積がやや大きめで、ホーンらしさがやや薄い感じ(特性の良さ故か?)だったので、使用を躊躇っていたところ、最近製造中止になってしまったらしい・・・・・誠に残念である。(大泣き・・・・)

こうしたSR用のフラットマウント式のホーンは、エンクロージャーやバッフルに組み込んで使用する前提で設計されている。

箱の上にポンと置いた状態では、なんとなく寝ぼけた今ひとつの音、場合によってはプラスチッキーな、かなり安っぽい音がする。

4辺を固定し、出来ればエンクロージャーに入れた方が良い。引き締まった良い音がする。
その辺の事情が理解されていないのが、評価が低い理由かもしれない。

2008年9月10日水曜日

Quad ESL 63 pro

Quad ESL 63 pro







極めてナチュラルなサウンドを実現する、イギリスのスピーカーの名品である。


深夜、ニアフィールドリスニング用として使うことが多い。

ハンドルを引っ張って、部屋の中央付近に引っ張り出し、

いつもの定位置に固定する。


リスニングポジションとスピーカーを正三角形の位置になるようにし

かなり内振りにして、リスナーの耳辺りを狙う感じにセットする。

リスニング姿勢は、椅子に座って俯瞰するよりも、カーペットに座った状態が良い


スピーカーの面積が大きいので、2枚の衝立の目の前に座るような感じだ。


そして、再生すると、2本のスピーカーの間に音像が立ち並ぶ感じになる。

微少信号が極めて正確に再現されるので、

ステージかぶり付きで聴いている聴衆の感じになって、雰囲気が最高に味わえる。

音像は極めてホログラフィックで、ボーカルは自然な口、人肌の感じが素晴らしい。

音が詰まった感じになるときは、微妙にリスニングポジションを前後にずらし、

またスピーカーの内振りの角度を微調整すると、抜けのよい良い音になる。

ソースによっては若干BASSを強調すると良い場合もあるが、

AMCRONのような駆動力のあるアンプでは、その必要性を感じることは少ない。

コンデンサー式の薄い膜の振動板の振動特性や音の特性は非常に優れているが、

充分な音圧が得られにくい場合があり、振動膜自体の僅かな共振によって、膜の癖のような浅めの響きが多少耳障りになる場合もあるが、それは僅かである。

総合的な音の良さは、修理の苦労を補ってあまりある感じだ。


このスピーカーの使いこなし方には諸説あり、部屋をこまめに除湿しろとか、スイッチを入れてから聴くまで最低数時間待てとか、大音量は避けろなど、いろいろ言われている。


ワタクシが思うに、最も大切なことは、この筐体に捻るようなストレスを決してかけないことである。

移動するときは特に注意して、捻ったり、傾けたり、倒したりしないように注意しなければならない

さもないと、発声ユニットに高電圧のリークが発生し、雨だれや、ブーブーといった異音に悩まされることになる。

(ほぼエレクトロスタティックユニットの寿命が尽きている個体が多いので、何もしなくても、自然に高圧リークによる異音が発生してしまうことが充分ありうるので、かなりリスキーなお品である  修理代の見積もりは・・・・・・ 大泣き・・・・・・である  自分でキチンと直すのは、海外からキットを取り寄せたりと、やや大変である。あまりお勧めできないが、根性があれば、やってやれないこともない・・・ といった感じである。ワタクシの場合、家族への言い訳と、粗大ゴミにするのが恐ろしくて、泣く泣くやった・・・・・)

2008年9月7日日曜日

QUAD ESL 63 Pro

QUAD ESL 63 Pro





フィリップスのレコーディングモニターとして活躍していたことで有名なエレクトロスタティックスピーカー

劣化が進んでいる個体が多いので、修理は大変だが、その価値のあるスピーカーである。

コンデンサー式のフルレンジでこれだけのまとまりのある音を出すのは凄い

電極形状とディレー回路により、球面波を発するように、巧妙な設計がなされている。

この63proは、プロ用の設計のためハンドル、ラバーのリング、サランネットなどで真っ黒な外装

いかにもプロツールらしい、かなりスパルタンな印象のスピーカーである。

モダンアートのような、不思議な緊張感のあるデザイン。

音はアンプ次第である。

球面波の形成のためにディレー回路が入っており、その回路による影響か

ESL57と比較すると、ダイレクト感と厚みに関して、やや後退しているように感じられる。

フラットレスポンスで聴感上の違和感は少ないものの、 下手をするとやや繊細で薄い音になりがちである。

従ってダイナミックな音と厚みを要求する場合には、アンプに相当な力がないと駆動しきれない印象がある。

MOS FETのB2102 MOS や管球の三極管シングルでは、実力を発揮させることは難しかった

(美しい音で、いかにもコンデンサーらしい、透明で、BGM的なソフトな音になる それはそれで良いのではあるが・・・やはり長期使用ではだんだんと欲求不満が出てくるのである  涙)

いろいろ試した結果、AMCRON MacroTech 600で好結果を得ている。

(コンデンサースピーカー専用のアンプというものも存在するそうであるが、とにかく通常のアンプでは引き締まったソリッドな低音や、彫りの深い立体音像の再生は厳しいと思われる。)

この63はかなり繊細な音が出るので、弦楽器はすばらしい

アンプとセッティングを一生懸命頑張ると、ピアノの再生もまた凄い。

背面に充分なスペースを空けることが大切で、やや近接して試聴すると音圧が上がって迫力が出てくる。

やや淡泊な音像ではあるものの、響板やフレームの感じもハッキリ出せる。

この辺のレンジの広さは、ESL57と比較して格段の進歩である。

ボーカルはニュートラルで、ちょっと聴いただけではごく普通の音であるが

音量を上げ気味にして、あるいはギリギリに絞って聴いているときに、時々本物の人の声が聞こえた感じがして、思わずギョッとすることがある。

トランジェントと雰囲気描写が抜群に良く、チューニング次第で、クリスタルクリアーな美麗な音も、厚みのあるしっとりした音も再生することが可能である。

全体にきわめてニュートラルな、ごく自然なナマに近い音である。

中小音量の再生では、リファレンスたりえる充分な資格があり、フィリップスが長年モニターとして採用した理由も頷ける。

現行製品の最新型は、フレームが強化され、ステーが追加されるなどデザインも一新され、音のエッジがやや明確になった印象がある。

これは音像や低音の明確さとして現れている。

全体にニュートラルな、現代的な方向のサウンドに変化している。

ただ、エレクトロスタティックの発声ユニット等の基本部分はそのまま踏襲していることから、音の差は意外に少ない。

整備をしっかりすれば、このQUAD ESL 63 Proも、まだまだ充分現役である。

キース・ジャレット・トリオ  マイ・フーリッシュ・ハート 

キース・ジャレット・トリオ マイ・フーリッシュ・ハート 




キースジャレットのアルバムは殆ど持っているが(笑)

最近のヒットはこれかなと思う。

アップテンポの、聴いていて元気が出る、 なかなか楽しいアルバム

昔のシリアスなキースジャレットのアルバムも良いのだが・・・・

そういえば最近殆ど聴いていない。

ソロコンサートでは

透明な、ピアノの、危険なまでに美しいタッチと

時々現れる、神懸かり的な即興演奏はさすがと思わせるが

そこに至るまでのドロドロとした、あるいはやや暗めな・・・・

中途過程(ダークインターバル?  笑)が

カナリ長い・・・・・・・・・・・・・・・・・・ので、

忙しくなってしまった最近では じっくり浸りきれず   涙

そこに独特のリズム感とうなり声もまた、チョット微妙。


コンサートにも行ったが、(それはそれは良かった)

演奏姿勢がやばい感じで、この先大丈夫かな・・・・・・と心配した。

一時期、慢性疲労症候群で演奏不能になったと聞いている 涙


このアルバムは復帰してしばらく経って調子が出た頃なのか

比較的素直なフレーズが、逆に聴きやすく 良いアルバムである。

脳天気なジャック・ディジョネットのドラムスが、

例のお囃子リズムをダンス感覚で爆発させていて 笑

DISK1もDISK2もノリノリである。


再生はやはり15インチウーファー、コンプレッションドライバー+ホーン を、アムクロン 211シングルでドライブして、決まりである。




クロスは500前後を 抜き気味にセットして キースのうなり声をやや控えめに 笑

なおかつ 抜き により、 ピアノの高域の美麗さと、ドラムスの抜け を演出するには好都合である。

ゲイリーピーコックのベースも気合いが入っていて

凄く元気な演奏だが、アムクロンを使って、さらに躍動感をプラスする。

ホールの響きやピアノのクリスタルクリアーで抜けの良い、いかにもECMらしい音は、このライブ版でも健在で、

211シングル+299のアルミフラムは、パワーと美麗さを見事に両立して、ライブさながらの臨場感を再現してくれる

2008年9月4日木曜日

気分によって変わる、音の嗜好

複数のスピーカーシステムを気分に合わせて、とっかえひっかえ聴いている。

どれも自分の好みに調整しているので、傾向としては同方向の音かもしれないが、

スピーカーの構成が全く異なると、再生音もまた、物性的にもまた、かなり異なる。

例えばコンプレッションドライバー+中型ホーン (500Hzクロス)15インチウーファーの音と、

コンデンサースピーカーのクオードのESL57の音は、相当異なる。

これは一聴瞭然である。


どちらもある意味で、かなりのHifiということになるのだろうが、歴然と違う。

そしてある意味でどちらも見事に完結した一つの世界を持っている。

どれが好みかというと、日によって、気分によってこれが大きく変わってしまうのである。

例えば少し沈んでいて、くたびれ気味の時には、あまりガンガン聴く気にはならず、クオードのESL57の しっとりとした厚みのある音は、耳に非常に心地よい。

ふんわりと宙に浮かぶ音像を前に、そのままついつい居眠りすると、目覚めた後、スッキリ元気になっていたりする。

一方、気力があって前向きに聴き込みたい、体力的にも、精神的にもガッツのある時には、コンデンサースピーカーでは物足りなく、コンプレッションドライバー+中型ホーン (500Hzクロス)15インチウーファーの音が欲しい。

立体音像が生々しく浮かび上がって、切れ込み、身体で感するパワフルなサウンドが非常に心地よい。

音量もまた、気分によって相当変化する。

最初はガンガン大音量で聴きたい気分でも

途中から、BGM的に小音量で聴き流したい気分に変わったり

あるいは、大音量で1-2曲がっちり聴いて

充分に満足し、すぐにアンプの灯を落として、静寂を楽しむ・・・・

逆に大音量でアルバム数枚を聴き続けないと満足できない、そんなときもある。



結局、率直に言って、「自分の耳は相当あてにならない・・・・・ 」 

ということを、ようやく悟るに至ったのである・・・・・・笑


以前は一つのシステムで

その日の気分と再生音がマッチせず、システムに原因があると決め付け、

システムの微調整に長時間大汗を流し、それでも満足の音が出ず、

ついついイライラして 苦い思いをした時もあったが。

日や時間を変えると、システムを全くいじらなくとも、充分にいい音で鳴ったりして、不思議な気分になったものである。

結局、時と場合によって、また音楽のジャンルによって、あるいはアルバムによって、再生音に求めるファクター(例えば音のダイナミズム)は相当異なるものなので、

音色の大幅に異なる、複数のスピーカーシステムを備え、それぞれの音を磨き上げておいて

曲想や気分に合わせてスピーカーシステムを選択し、再生すれば

すんなり音楽鑑賞に浸れることが、なんとなく分かってきた。