2008年7月12日土曜日

不遇なアルバムの再生・・・




ソニーロリンズ

素晴らしい名演揃いである。サキコロとかは、何回聴いても凄い。

サキコロやウエストは録音もなかなか良くて、名演奏+名録音である。

でも、その他の、例えばリールライフみたいな、「佳作」をサキコロの水準の感動・・・・で再生するのは至難の業、だ。

ロリンズだけでなく、キャリアの長いミュージシャンのアルバムには、一回聴いて、録音、演奏がイマイチで、お蔵入り・・・・な「佳作」のアルバムは意外に多い。

最近、マイブームなのは、イマイチなレコードを如何に美味しく再生するか である。

CDではいくらイコライジングしても、どこかに根本的に無理があるのか、感動レベルまでには、ほぼ到達できないのである。

演奏やコンセプトは結構面白いのに・・・・・・・涙。

他力本願に、リマスター版で急激に良くなるというラッキーな場合もあるが、不人気な佳作のアルバムではその可能性は低い。

で、もしもLPが出ているなら、工夫次第で非常に美味しく再生することが可能である、ということが最近わかってきた。

解決のキーはカートリッジの選択である。

そのレコードにベストマッチの針、カートリッジを揃えると、まるで別物のような非常に躍動的な音が出てくることがある。

例えばshure V15で良く鳴る場合もあるし、オルトフォンのMC 例えばMC20 MK2辺りで好結果を出せることがある。

50年代の名録音のディスクは、比較的再生は簡単である。例えば、shure V15のType 3辺りで良く鳴ることが多い。

問題は60-70年代ぐらいの、ジャズが他のジャンルの影響で、多様化してきた頃のアルバムである。レコーディングにさしたるポリシーがなく、なんとなくマルチで録音され、なんとなくミックスダウンされているのだ。音にメリハリがないし、音場感が無いのである。



shureV15のtype 3も、type4も再生に満足のいかなかった場合、抜けの良く、力感のあるオルトフォンのMC20S辺り、あるいは低域が分厚く、繊細美麗な高域を持つMC20MK2やHMC20あたりの相性が良いかを確認している。

どれがハマルのかは、実際に再生してみなければ分からない。そこがアナログの面白いところだ。



現在は、オリジナル針だけではなく、改造して丸針や楕円針も試みて、何が良いのかを模索中である。MCカートリッジのカンチレバー先に埋め込まれているチップを交換するともの凄く音が変わるのだ。

音が変わるのは、当たり前の話なのだが・・・。これまではやる勇気がなかった。

寿命の来た貴重な銘MCカートリッジを捨てるのは忍びなく、また針交換に出すとカートリッジが新しいものに変わってしまうので、古いアルバムには合わない。それじゃあ自分でダメもとでチップやカンチレバーを取り替えてしまおう、ということで始めたのである。

ダイヤモンドチップの先端構造の変化はモロに音に効く。丸や鈍な楕円のチップでは細かい音が省略気味となるが、音が太く強くなる。

ラインコンタクト系のチップをクラッシックな丸や鈍な楕円のチップに変更(デチューン?)すると、分厚い音に変化する。これはかなり劇的な変化なので、結構ハマル。

また、カンチレバーのアルミ棒が変わると、これもまた音が変わる。発電機構は同一なので、音の全体の傾向は同じなのだが、振動部のマスや構造が変化することが音にカナリ効いてくる。



予想以上に上手く再生できると、アルバムに対する印象そのものが覆り、愛聴版になったり、演奏の印象や記憶そのものが塗り替えられる。

これはナカナカ美味しい。

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