15インチの206AXAのエネルギーは強力なので、中大音量再生では当然箱が鳴る
最近の考え方では箱鳴りは極力抑えて音速、音離れを良くし、音場感を高め、さらに反射や共鳴を押さえ込んで静かにするように設計されるようだ。
たしかにこの方向性は正しいと思うし、小口径ユニットを大振幅で鳴らし切るには必須だと思う。上手にやれば充分なレンジ感、広大な音場、抜けの良い音が得られる。
しかしエネルギーを伴った一つ一つの音のタッチをきちんと再現するには、15インチウーファー、3-4インチコンプレッションドライバーなどの超強力なユニットを上手に飼い慣らす方が楽である。
問題はエネルギーが強すぎるきらいがあること。エネルギーをコントロール出来ずに、音が締まりすぎると全体のバランスを取るのが難しくなる。
そこで、適度に共振させ、エネルギーを吸収させる必要が出てくる。 箱の素材や設計を共振を前提に選択したり、ホーンの素材によって不要な共振を効果的に吸収減衰させる・・・・・などの対策だ。
これを間違って小口径ユニットと同じ方向性に徹底的に無共振化し、締め上げすぎると、大変なことになってしまう場合がある。 音楽をゆったり聴く気分にはとてもなれない(笑)
意図的に吸音材を減らしたり、補強桟を最小限にしたり、ホーンを金属製や硬度の高い木製を避け、減衰率の高いエンジニアプラスティック系にしたり、エンクロージャーの素材を高密度MDFではなく、接着剤極小の針葉樹系の集成材にしたり、ネジ類を純鉄製にしたり、ダイアフラムをチタンでなくアルミにするといった、マニアらしからぬ(?)方向性のチューニング(デチューン?)が音楽鑑賞的には吉であったりする。
当然のことながら、旧来の自作スピーカーの悪夢の世界・・・・・箱のボンつきや、不快な共鳴音、鈍重なバスレフの音、合板の音・・・・とは次元の異なる世界の話である。
また、かっての鉛+ブチルゴムマニア(?)の詰まった音の世界とも、ベクトルが違う(音マニアならともかく、音楽鑑賞目的には、ブチルと鉛を使いすぎると逆効果になるケースが結構多いと思う)
大切なポイントは、自分の最も良く聴く音量で、至適な共振量と減衰になるように調整する・・・ってトコなので・・・・これは試行錯誤と経験が必要で、好みもあるし、音楽のジャンルにもよるし、最も面白いところである。
積極的に共振させる時の注意点は共振音そのものがイイ音か、許容できる音かどううかというところも大切である。それで素材の取捨選択が非常に重要になってくる。
スピーカー製作の奥深さが最も感じられる部分である。そのためにわざわざ(めんどくさい)自作をする訳なのである。(あまりこの辺のノウハウが紹介されないのはなぜだろうか?)
高価なケーブルやインシュレーターなどを交換するドロ沼と比べたら、遙かに効率よく音のチューニングが出来て、自分好みの音に近づけられると思うのだが。
強力なユニットを飼い慣らすには、適度な遊び、ロスも必要、と改めて感じている今日この頃である。
強力なユニットを飼い慣らすには、適度な遊び、ロスも必要、と改めて感じている今日この頃である。
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